攪拌子
攪拌子(かくはんし、英語: Stirring bar[注釈 1])とは、何らかの容器に入れ、マグネチックスターラーに置き回転させて液体の攪拌に用いるチップのことである。また、英語での読み、スターラーバー(スターラー・バー[1])やスターラーチップ[2]と呼ぶ場合もある。また、攪拌するときに回転することから、回転子とも呼ばれる[3]。 概要攪拌子の中には磁石が入っており、容器に入れるとマグネチックスターラーの中の磁石とその磁石が反応し、マグネチックスターラーのスイッチを入れるとマグネチックスターラーの中の磁石が回りはじめ、それによって攪拌子も回って液体が攪拌されるという仕組みになっている。 大きさは数mm程度と小さい。素材は、テフロンやガラスが基本[4]。ガラス棒で攪拌できない時などに代用品として使われることも多く、デジタル温度計を平底試験管の中に入れている凝固点降下度の測定実験などに使われる[5]。 構造外側にポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン)やガラスがあり、その中に(外側がガラスの場合はPTFEと)回転させるための磁石が入っている。他にも、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、芳香族ポリエーテルケトン、ホウケイ酸ガラスが使われる場合がある[6]。 耐熱性耐熱性はフッ素樹脂であれば、240–250 °Cほどである[7]。 用途実験凝固点降下度の測定実験の他に、以下の実験でも使われる。
滅菌方法実験後の滅菌方法は、大きく2つに分けられる。 医学血液検査で使われる自動分析装置での測定は容器内の血清と試薬を素早く混ぜるために、通常はモータの先端に回転棒をつけた回転式の攪拌器を使うが、それだと泡が発生して液の攪拌を妨げるので、攪拌子の一種の自動分析装置用圧電バイモルフ攪拌子という液性によらず短時間(2秒以内)で攪拌できるものが使われている[13]。また、液体を攪拌して一部の注射液を作るときにも使われる[14]。 培養液を攪拌するために、エイブルが東京女子医科大学などと共同でiPS細胞用に攪拌子などを改良したものを開発している[15]。 種類
使用時の注意点攪拌子の回転が速すぎたり、マグネチックスターラーから距離が離れ、磁力の届かない位置に攪拌子が行ったりすると、効果的な攪拌ができなくなるため、反応容器や機材の配置には十分な注意が必要[25]。また、攪拌子を入れる際に勢いがつきビーカーなどのガラス容器が割れていまう場合もある[26]。 選ぶときの条件株式会社エイシンは、攪拌子を選ぶにあたって次の条件を挙げている。 ケース攪拌子は小さくて失くしやすいため、攪拌子を入れられる「攪拌子ケース」がある[28][29]。 脚注注釈出典
参考文献うえたに夫婦『この形にはワケがある!ビーカーくんとそのなかまたち』誠文堂新光社、2016年8月20日、90-93頁。ISBN 978-4-416-61651-2。OCLC 968773306。(#構造、#種類節) 関連項目 |