押村 高(おしむら たかし、1956年 - )は、日本の政治学者・国際関係研究者。専門は、政治思想史・国際関係思想史・フランス政治。学位は、博士(政治学)(早稲田大学・論文博士・1997年)。青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科教授。
経歴
- 出生から修学期
1956年、東京都で生まれた。早稲田大学政治経済学部経済学科で学び、卒業。早稲田大学大学院政治学研究科に進み、1984年に博士課程を修了。1987年、フランス政府給費留学生としてフランスへ留学。1989年、パリ第2大学(パンテオン・アサス)大学院にてDEA(Diplôme d’Etudes Approfondies、Science politique)取得。
- 政治学研究者として
帰国後、早稲田大学教育学部助手に採用された。パリ第二大学・パリ社会科学高等研究院客員研究員などを務め、青山学院大学国際政治経済学部専任講師に就いた。のちに助教授を経て、1998年4月より教授。2012年度より国際政治経済学部長を務めた。1997年、学位論文『モンテスキューの政治理論:自由の歴史的位相』を早稲田大学に提出して政治学博士の学位を取得[1]。
学界では、日本政治学会理事、政治思想学会理事を務めた。
委員・役員ほか
著書
単著
編著
- 『帝国アメリカのイメージ:国際社会との広がるギャップ』早稲田大学出版部 2004
- 『越える:境界なき政治の予兆』風行社 2010
共編著
訳書
共訳書
論文
- 雑誌論文
- 「政治的自由論の形成過程(1)モンテスキューと共和政ローマ」『早稲田大学教育学部学術研究』33号(1984年)
- 「政治的自由論の形成過程(2)モンテスキューとフランス封建社会」『早稲田大学教育学部学術研究』34号(1985年)
- 「モンテスキューのイギリスConstitution論:いわゆる『偏見』の諸前提」『社會科學討究』32号(1986年)
- 「フランス政治学発達小史」『みすず』第32巻第8号(1990年)
- 「絶対悪としての専制:モンテスキュ―東洋的政体の論理と背理」『社會科學討究』38号(1992年)
- 「フランス政治思想史における『党派』の問題 ― J-J・ルソーとその周辺」『青山国際政経論集』29号(1994年)
- 「法の精神、あるいは立法への懐疑:モンテスキューにおける歴史の効用」『社會科學討究』40号(1994年)
- 「イデオロギーからアイデンティティへ:ナショナリズムの行方」月刊『フォーラム』第6巻11号(1995年)
- 「国家理性の系譜学」『青山国際政経論集』44号(1998年)
- 「国家の安全保障と人間の安全保障」『国際問題』530号(2004年)
- 「最強者のおののき:帝国論争から読むアメリカの背理」『思想』975号(2005年)
- 「戦争のもうひとつの語り方 ― 国際関係における反実仮想の効用」『思想』984号(2006年)
- 「介入はいかなる正義にもとづきうるか ─ 誤用と濫用を排して」『思想』993号(2007年)
- “Assessing Political Accountability in a Globalized Japan: A Politico-Philosophical Framework,” in The Aoyama Journal of International Politics, No.75, (May 2008)
- 「グローバル化と共同体論の位相転換:コスモポリタン-コミュニタリアン論争の行方」『政治思想研究』9号(2009年)
- “Framing a Regime Choice: The Changing Role of Party Discourse in Japan,” in The Aoyama Journal of International Politics, No.80, (January 2010)
- 「同盟・基地・沖縄:なぜ日本は思考停止に陥るのか」『中央公論』2011年10月号
- 「ディスコースとしての主権(上)― 知がもたらす秩序の役割と限界」『青山国際政経論集』85号(2011年)
- 「ディスコースとしての主権(下)― 主権論批判の系譜と射程」『青山国際政経論集』86号(2012年)
- 「グローバル化と正義:主体、領域、実効性における変化」『法哲学年報』(2013年)
- 単行本所収論文
- 「ナショナリズム」『現代の政治思想』白鳥令・佐藤正志編、東海大学出版会 1993
- 「国家体制史」『フランスの政治』奥島孝康・中村紘一編、早稲田大学出版部 1993
- 「政治の変容」『フランスの政治』奥島孝康・中村紘一編、早稲田大学出版部 1993
- 「国家理性の終焉:政治的人間を越えて」藤原保信・飯島昇藏編『西洋政治思想史2』新評論 1996
- 「歴史・文明と外交」『現代日本の国際政策』渡辺昭夫編、有斐閣 1997
- 「アジア的価値の行方:デモクラシーをめぐるアジアと西洋の対話」『アジアの21世紀』天児慧編、紀伊國屋書店 1998
- 「機構改革と民主化に向けて」『EU:21世紀の政治課題』村田良平編、勁草書房 1999
- 「ネイション」『政治概念のコンテクト』佐藤正志・添谷育志編、早稲田大学出版部 1999
- "In Defense of Asian Colors," in The Mansfield Center for Pacific Affairs, The Rule of Law: Perspectives from the Pacific Rim, (2000)
- 「Y・タミール『リベラル・ナショナリズム』」『ナショナリズム論の名著50』大澤真幸編、平凡社 2002
- 「D・ミラー『ナショナリティについて』」『ナショナリズム論の名著50』大澤真幸編、平凡社 2002
- 「PKO協力のフランス的特性」『PKO派遣の戦略的意義に関する対国内的説明』(平和・安全保障研究所 2003
- 「ディスコースとしての日米同盟:日本における安全保障とナショナルプライドの相克」『アメリカ政治外交のアナトミー』山本吉宣・武田興欣編、国際書院 2006
- 「カント・モーメント:ヨーロッパの平和実践における人間意思と理念の役割」『衝突と和解のヨーロッパ:ユーロ・グローバリズムの挑戦』大芝亮・山内進編、ミネルヴァ書房 2007
- 「民主主義と武力行使:冷戦終焉後の展開とイラク戦争による『転回』」『年報政治学2007-I 戦争と政治学』日本政治学会編、木鐸社 2007
- “The function and dysfunction of identity in an institutionalizing process: The case of Northeast Asia,”in Martina Timmermann et als.(eds), Institutionalizing Northeast Asia: Regional Steps towards Global Governance, The UNU Press, (2008)
- 「啓蒙の利害アプローチとヨーロッパの平和建設:サン・ピエールの『永久平和論』」『平和の政治思想』千葉眞編、おうふう 2009
- 「国際社会における政治的責任」斉藤純一編『人権の実現』(講座[人権論の再定位]4) 法律文化社 2010
- 「断片化するアカウンタビリティ:日本におけるグローバル化と政治的責任概念の変化」『デモクラシーとアカウンタビリティ』眞柄秀子編、風行社 2010
- 「グローバル・イシューズに対する倫理的アプローチ:行動する主体とその責任」『平和研究』36号 日本平和学会編、早稲田大学出版部2011
- 「トランスナショナル・デモクラシーはデモクラティックか:脱領域的政治における市民的忠誠の行方」『年報政治学2011-I 政治における忠誠と倫理の理念化』日本政治学会編、木鐸社 2011
外部リンク
脚注