彼女らは雪の迷宮に
『彼女らは雪の迷宮に』(かのじょらはゆきのめいきゅうに)は、芦辺拓による日本の推理小説作品。 概要「森江春策の事件簿シリーズ」の17作目(長編としては15作目)のミステリー。 本作は、作者が扱う初めてのクローズド・サークルもので[1]、渓谷の谷底の「雪の山荘」での宿泊客たちの消失事件が主軸となっている。 あらすじピアニストの石渡静音、専業主婦の鴨下結衣子、女子高生の小鮎亜里沙、“マダーム”の富村美千恵、エステティシャンの笠岡千明、そして森江春策法律事務所で森江の助手兼秘書を務める新島ともか。いずれも年齢・職業が異なる6人の女性たちが、越後湯沢駅からローカル線とマイクロバスを乗り継いで、さらにロープウェイで降った雪深い谷底の「雪華荘ホテル」に招待された。 それぞれ期待と開放感、それに若干の不安感を抱きながらホテルを訪れた彼女たちは、ホテルに到着すると一様に困惑した。出迎えるはずの従業員が姿を見せず、それでも食事の時間になると満足のいく料理が用意されていた。誰がいつ食事を用意し、その食器類を片付けているのか。それらを人知れず行っている目的は何なのか。そして、皆の不安を掻き立てるように用意されていたマザー・グース「三匹の盲鼠」の楽譜。 さらに翌朝、7番目の客として直北紅葉と名乗る不審な女が現れる。彼女のハンカチには「矢田内志麻」と記されていた。そして、主婦の鴨下結衣子が姿を消した。彼女の部屋は鍵がかかっており、外は吹雪で、さらには誰かが外部からホテルの玄関を施錠しているため外に出ることができず、部屋にこもっているのだろうと思いつつも、誰もが釈然としない思いを抱く中、さらに富村美千恵と笠岡千明も姿を消してしまう。 一方、森江春策の法律事務所には、彼女たちの身を案じる関係者たちが続々と詰めかけていた。そして、関係者のひとり、笠岡千明に片想いしているという乾建児が運転するバスで、一同とともに「雪華荘ホテル」に向かう森江の脳裏には、2年前に起きた矢田部八郎のひき逃げ事件が去来していた。集まった関係者の大半が、2年前に矢田部とともに「ドラマティックリーグTOKYO」へ出品する映像作品を制作する仲間たちだったからである。 「雪華荘ホテル」がある渓谷の尾根には、森江たちの到着よりも先に、ともかから通報を受けた地元警察が到着していた。しかし、ホテルへの唯一の交通手段であるロープウェイは、ケーブルが垂れ下がっており、モーターが焼き切れて使用不可能の状態だった。そして、ともかとの連絡が途絶えてしまっていた。 登場人物雪華荘ホテルの招待客
「ドラマティックリーグTOKYO」の映像作品制作者
その他の人物
書籍情報
オーディオドラマ音声劇団 VOICE☆(ボイスター)にて、2009年5月25日より配信[2]。なお、配信は途中までで中断しているため、作者は「すでに収録は大半終了しているそうで、いずれは続きが聴けると期待しているのですが……」と期待を寄せている[3]。 キャストは下記のとおり[3]。 脚注関連項目外部リンク |