常田聡
常田 聡(つねだ さとし、1965年(昭和40年)10月 - )は、日本の工学者。早稲田大学理工学術院教授、環境保全センター所長。東京大学博士(工学)[1]。専攻は化学工学、生物工学、環境工学。 タンパク質を高速高精度で分離精製する膜や、微生物を用いた排水処理、脱窒技術、リン回収技術等で成果を挙げており[2][3]、排水処理技術ではトップクラスの研究室を自負している[4]。 近年は先端生命医科学センター[注 14]に細胞機能工学研究室を構え、医・理・工融合研究に関する幅広い研究テーマを手掛けている[5]。実学的研究を志向し、東京女子医科大学、理化学研究所、産業技術総合研究所、等、多くの外部機関と共同研究を行っている。 著名な関係者として、学生として在籍した小保方晴子や、共同研究者の浦川秀敏[6]がいる。 来歴・人物学位取得まで1965年10月生まれ。東京大学工学部化学工学科を卒業し、同大学院工学研究科に進学。 放射線グラフト重合法によりイオン交換基を持つグラフト鎖を多孔性膜に付与し、タンパク質を分離精製する膜を開発し、1994年9月に博士号を取得する。高速・高容量でタンパク質を吸着可能にする材料や手法が認められ、1995年には化学工学会研究奨励賞を受賞する。 早稲田大学での排水処理研究千葉大学の研究生、理化学研究所基礎科学特別研究員を経て、1996年に早稲田大学理工学部応用化学科に平田彰の元で講師として着任。平田・常田研究室[7]として、排水処理等の研究に取り組み[8] [9][10] 、同分野ではトップクラスの研究室となる[4]。21世紀COEプログラム『実践的ナノ化学教育拠点』のメンバーにもなっている[11]。 2006年には教授に昇進し、大学の再編に伴い2007年には先進理工学部 生命医科学科(先進理工学研究科 生命医科学専攻)へ異動する。東大時代に尊敬していた先生の影響で、10年ごとに新しい研究テーマを立ち上げ、研究室が活気を持つように配慮している[4]。複合微生物やバイオフィルムの数理モデル、シミュレーションに関する研究も行っている[12] [13] [14]。 先端生命医科学センター時代2008年4月以降、東京女子医科大学の隣に設置された『先端生命医科学センター (TWIns)』に研究室を構える[5]。文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業(早稲田大学ハイテク・リサーチセンター)[注 15]やグローバルCOEプログラム『実践的化学知』教育研究拠点(生体機能部門)のメンバーとなり、多くの大学院生、研究員、共同研究先と医・理・工融合研究を推進している。 2014年1月、常田研究室出身の小保方晴子(理化学研究所ユニットリーダー)が新型万能細胞STAP細胞を発表する。常田も取材に応じて小保方をたたえており[15]、自身が早稲田大学AO入試で面接官をした時や彼女が実験をしていた時の様子を語っていた[16]。しかし、Natureに掲載された論文や博士論文について文章盗用や画像転用の疑惑が生じる[17][18]。更に副査のバカンティ教授[19]が論文を読んでいないことまで明らかになり[20]、早稲田大学が小保方の博士論文に関する調査委員会を設置する事態に発展[21][22]。文章盗用の疑惑は常田研究室や理工学学術院の他の博士論文にも波及し[23]、早稲田大学はこの問題についても調査を開始[24][25]、先進理工学研究科全ての博士論文を調査することになった[26][27]。7月17日には小保方博士論文の調査結果が発表され、常田ら指導教員の責任も厳しく指摘された[28][29][30][31]。この報告では、常田が十分な指導を行えていなかったことも指摘されている[32]。 →詳細は「早稲田大学博士論文不正問題」を参照
履歴略歴
受賞歴
社会的活動
研究実績学位論文
共著
分担執筆
科学研究費補助金(研究代表者)
(研究分担者)
その他の研究助成金
脚注・文献注釈
出典
関連項目
外部リンク
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