小田ひで次
小田 ひで次(おだ ひでじ、1962年[1] - )は、日本の漫画家。岩手県八幡平市出身[2]。ストイックで美しいファンタジーの名手と評価され、世界と人間のかかわりを追求する姿勢をもつ [3]。 経歴1991年『魚』でアフタヌーン四季賞を受賞後、1992年『拡散』でデビュー[5][1]。 2000年に発表された『クーの世界』は前作『拡散』の鋭いタッチの線画から柔らかな絵柄へと作風が変わっており、さらに「続き夢の旅」「不思議な生き物たちの登場(イッポ、モノキビルなど)」といったファンタジー要素を採り入れ、より読者を意識した作品になっている。 2003年4月からミステリーボニータで連載された『ミヨリの森』では「ボクリコ」「ネゴ爺」など数多くの精霊が登場しており、前作『クーの世界』に観られたファンタジー要素は継承しつつ「身寄りのない少女の歪んだ心が、自然の中で再生されていく」といった、これまでの作品に観られた哲学的・観念的世界から写実的な人間描写へと変わっている。作品のアイディアは当時親交のあった編集者からの「森を舞台にした作品を描きませんか?」という提案、そして風景の生命(いのち)を守る地域づくりネットワークとの出会いから生まれた。『ミヨリの森』は小田初の月刊連載となった。また青春アドベンチャーでラジオドラマ化、美術監督の山本二三によってアニメ化もされるなど、多くのメディアミックスへと拡散して行った。 2005年10月には『クーの世界』の続編となる『夢の空地』を発表、世界6ヶ国にて同時刊行された。『クーの世界』で描かれたファンタジー要素は抑えられており、作中では『拡散』に観られたような観念的、哲学的、普遍的テーマが展開されている。更には『拡散』に登場した羽の生えたキャラクターが再登場するなど、『拡散』と『クーの世界』のクロスオーバー的な作品となっている。 同年11月からはウェブマガジンMiChao!にて『平成マンガ家実存物語 おはようひで次くん!』を連載、2010年に単行本化された。虚実を織り交ぜた不思議なエッセイマンガとなっており[3]、『クーの世界』執筆後〜『ミヨリの森』アニメ化までの作者の生活や苦悩、小田の原点などを窺い知ることができる。その後は絵本テイストの作品『手乗りマンモスのモウちゃん』、読み切り作品をまとめた同人誌『御遊戯』などを発表。2011年からは漫画を通して岩手県の魅力を発信する「いわてマンガプロジェクト」の一環である「コミックいわて」に参加。 また、2015年には日本発のプログレッシブ・ロック・バンドである「Yuka & Chronoship」3rdアルバム『The 3rd Planetary Chronicles(第三惑星年代記)』のブックレットデザイン、2018年には同バンド4thアルバム『SHIP』のブックレットデザインを手がける。 2023年1月30日現在、ウェブコミック配信サイト『コミックいわてWEB』にて「丘の上のアギョンとウンギョ」を連載中。 作品単行本読み切り
ネット連載
アンソロジー/オムニバス
その他
脚注
外部リンク
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