尊勝院 (古河市)
尊勝院(そんしょういん)は、茨城県古河市本町(二丁目)にある真言宗豊山派の寺院。山号を明王山、寺号を安楽寺、院号を尊勝院という[1]。古河公方ゆかりの寺院である。 歴史当寺の縁起によれば、足利尊氏の父・貞氏が不動明王を篤く信仰し、その甲斐があって尊氏が生まれたので、不動明王を安置する不動堂を建てたことに始まる。したがって、もとは鎌倉にあったが、享徳年間(1452年 – )、初代古河公方足利成氏にしたがって古河に移転した。 明応年間(1764年 – )、火災のため、寺の記録・寺宝を失っている。 明治初年の廃仏毀釈の際には、住職・順盛が廃仏を逃れるよう祈願し、亡くなるまで塩を断っていたという。順盛は野木町・満願寺境内にある塩断地蔵尊の石仏として祀られている。『明治三 庚午年 より御布告 寺役日誌』によれば、鍛冶町の一乗院、一丁目の正蔵院、天神町の地福院、大堤の正福寺が廃仏毀釈により消滅し、尊勝院に吸収されている[2] [1]。 なお、明治5年(1872年)、明治政府により「学制」が頒布された際には一時期、本寺を仮校舎として町民のための小学校「市街校」が設けられていた[3]。 境内現在、本堂のほかに、雨引観音堂、不動堂、石仏大日如来像(寛文12年(1672年)造立)などがある。[1] 不動堂には絵馬が納められており、不動明王(慶応4年)、向い天狗(元治元年)、不動明王が持つ剣・不動剣(文化六年)、神社参詣図、常盤御前都落ちの図(元治元年)などがある[4]。 文化財
交通脚注参考文献
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