宇須乃野神社
宇須乃野神社(うすののじんじゃ)は、伊勢神宮豊受大神宮(外宮)の摂社。外宮の摂社16社のうち第14位である[1]。本項目では、宇須乃野神社と同座する、外宮末社の県神社[2](あがたじんじゃ、縣神社[3][4][5] とも表記)についても記述する。 2社とも、山田原を構成する原野の1つである宇須野(宇須乃野)にゆかりの深い神社である[4]。 概要三重県伊勢市御薗町高向(みそのちょうたかぶく)字南世古2653に鎮座する[6]。御薗町高向のほぼ中央、住宅街の中にある[4]。近鉄山田線 宮町駅東口から高向の集落に向かって進むと2つの森が現れ、左側にあるのが高向大社、右側にあるのが宇須乃野神社・県神社である[4]。 境内を覆う大きなクスノキは宇須乃野神社を象徴する木であり、樹齢はおよそ1000年と伝えられる[4][5]。 社殿は神明造の板葺で、玉垣に囲まれている[6]。神明鳥居を有する[6]。賽銭箱は置かれていない。境内の面積は1,101m2[6]。 宇須乃野神社社名の「宇須乃野」は鎮座地周辺の原野の名前である[4][5]。 祭神は宇須乃女命(うすのめのみこと)[4][5]。五穀豊穣の神である[4]。『神名秘書』では「五穀霊神」、『伊勢度会郡高向郷高向村高向神社記』では「御神霊二座宇賀能美多麻神亦宇賀能賣神是也。」、『神名帳再考』では「一名草野姫命」とする[6]。 県神社県神社は外宮の末社8社のうち、伊我理神社に次ぐ第2位である[7]。 祭神は縣神(あがたのかみ)[4][5]。鎮座地・高向の上田(あがた)の守護神である[4]。 歴史伊勢神宮の摂社の定義より『延喜式神名帳』成立、すなわち延長5年(927年)以前に創建された[8]。同書には現社名と同じ「宇須乃野神社」と記載されている[6]。『止由気宮儀式帳』にも「高河原社」として記載がある[6] ことから延暦23年(804年)以前から存在した[8] ことになる。『伊勢度会郡高向郷高向村高向神社記』によると、理由は不明であるが数度に渡って社殿が大破し、高向大社を方角の基準として再建したという[6]。 その後祭祀が行われなくなり、近世には社地不明となるが、寛文3年(1663年)に現社地で再興された[6]。社殿は1911年(明治44年)3月に建て替えが行われた[9]。1958年(昭和33年)10月にも造り替えが行われ、1982年(昭和57年)11月12日に大修繕が施された[6]。 祭祀祈年祭(2月20日)、月次祭(6月20日・12月20日)、神嘗祭(10月20日)、新嘗祭(11月26日)は、禰宜(ねぎ)・宮掌・出仕が巡回祭典の形で境内にて祭祀を執行し、歳旦祭(1月1日)、元始祭(1月3日)、建国記念祭(2月11日)、風日祈祭(5月14日・8月14日)、天長祭(12月23日)は遥祀を行う[10]。 交通宮町駅または山田上口駅を拠点として神宮125社めぐりを行う場合、宇須乃野神社へ最初に参拝する人が多い[5]。
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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