前玉神社
前玉神社(さきたまじんじゃ)は、埼玉県行田市埼玉にある神社。式内社で、旧社格は郷社。 社名の「前玉」は、「埼玉」の地名の語源と伝える[1]。埼玉県北部の埼玉古墳群内に鎮座し、神社自体も浅間塚古墳の上に鎮座する。 祭神祭神は次の2柱。
歴史創建創建は不詳。前玉神社は埼玉古墳群内に鎮座し、本殿も古墳群の方向に建てられている。これら古墳群の首長層が前玉神社における古代祭祀集団と推定され[2]、古墳時代に古墳群を守護する形で祀られたのが創祀になると推測する説がある[1]。 社名「前玉」の由来も明らかではないが、神亀3年(726年)の戸籍帳である「山背国愛宕郡雲下里計帳」(『正倉院文書』)にも「武蔵国前玉郡」の表記が見えることから、この「前玉」がのちに「埼玉(さきたま/さいたま)」へと変化したと考えられている[1]。 概史延長5年(927年)成立の『延喜式』神名帳では武蔵国埼玉郡に「前玉神社二座」と記載され、2座が式内社に列している。訓みには「サキタマ」と「サイタマ」の両方が付記される。 中世の動向は不明であるが[2]、社伝によると忍城中にあった浅間社を勧請してからは「浅間社」と号し、鎮座する古墳は富士山に見立てられていたという[2]。初め古墳上の神社は「上ノ宮」、中腹にある神社は「下ノ宮」とされていたが、明治に入り上ノ宮は「前玉神社」、下ノ宮は「浅間神社」と定められたとも伝える[2]。 境内主要社殿は浅間塚古墳の墳頂に鎮座し、本殿・拝殿からなる。 墳頂に登る階段口の両脇には、高さ2メートルの石灯籠2基が建てられており、これらは「万葉灯籠」と称される。この灯籠は、元禄10年(1697年)10月15日に前玉神社の氏子が祈願成就を記念して奉納したという[1]。灯籠にはそれぞれ、『万葉集』に載る当地に関する次の歌が1首ずつ記載されている。
これらの灯籠は行田市指定文化財に指定されている。なお、歌にある「小埼沼」は前玉神社から東方(北緯36度07分13.24秒 東経139度30分06.51秒 / 北緯36.1203444度 東経139.5018083度)に比定地がある。 また、境内入り口の石鳥居は延宝4年(1676年)11月の造営で行田市指定文化財に指定されている。石鳥居付近に立つ槙は樹齢推定600年・樹高16メートルで、現存の槙では埼玉県で最大になり、行田市指定天然記念物に指定されている。 摂末社
祭事前玉神社で年間に行われる祭事の一覧[1]。
文化財行田市指定文化財現地情報
脚注参考文献
関連項目外部リンク
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