佐川 光晴(さがわ みつはる、1965年2月8日 - )は、日本の小説家。東京都出身、埼玉県志木市在住。神奈川県立茅ケ崎北陵高等学校卒業[1]、北海道大学法学部卒業。
経歴
北海道大学在学中(法学部、恵迪寮)にガセイ南米研修基金より奨学金を得て、1年間南米を漫遊。大学卒業と同時に結婚、出版社に1年間勤務した後、1990年7月より大宮食肉荷受株式会社(現・さいたま食肉荷受株式会社)に勤務し食肉処理場で働く。
2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞を受賞して小説家デビュー。2001年単行本『生活の設計』で第14回三島賞候補。「ジャムの空壜」で第125回芥川賞候補。2002年「縮んだ愛」で第127回芥川賞候補、単行本『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2004年「弔いのあと」で第131回芥川賞候補。2006年「銀色の翼」で第134回芥川賞候補。2007年「家族の肖像」で第136回芥川賞候補。
2009年の『ぼくたちは大人になる』以降は青春小説・成長小説に作風を転換。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。
人物
- 本人(長男)と3人の妹と1人の弟と両親の7人家族。
- 1-4歳までは新宿区上落合のアパート、4-18歳まで茅ヶ崎市の公団住宅で暮らす。
- 2012年現在、小学校教員の妻、小学校3年と高校2年の息子がいる。
- 戸籍上は佐川は旧姓で、本姓は妻の姓である鈴木[2]。妻は1961年生まれで、「劇団どくんご」の元女優。埼玉大学卒業、小学校教師[3]。佐川は主夫として暮らしている[4]。
- 選択的夫婦別姓制度導入に賛同する[5]。
作品リスト
- 『生活の設計』(2001年、新潮社) 初出:『新潮』2000年11月号
- 『ジャムの空壜』(2001年、新潮社) 初出:『新潮』2001年6月号
- 『縮んだ愛』(2002年、講談社 のち文庫
- 『極東アングラ正伝』(2003年、双葉社)
- 初出:『小説推理』2002年8月号 - 2003年4月号(隔月連載)
- 『灰色の瞳』(2004年、講談社 初出:『群像』2003年8月号 - 2003年12月号
- 『家族芝居』(2005年、文藝春秋)
- 子どものしあわせ(『文學界』2002年4月号)
- 弔いのあと(『文學界』2004年5月号)
- 婆さんたちの閑話
- お嫁さんがやってくる
- 『永遠の誓い』(2005年、講談社 初出:『群像』2005年3月号
- 『銀色の翼』(2006年、文藝春秋)
- 銀色の翼(『文學界』2005年11月号)
- 青いけむり(『新潮』2003年9月号)
- 『虹を追いかける男』(2006年、双葉文庫)
- 生活の設計
- 虹を追いかける男(「極東アングラ正伝」改題)
- 『金色のゆりかご』(2008年、光文社)
- 初出: 『小説宝石』2007年6月号 - 11月号
- 『ぼくたちは大人になる』双葉社、2009年 のち文庫
- 『牛を屠る』解放出版社 2009年 のち双葉文庫
- 『とうさんは、大丈夫』講談社、2010
- 『おれのおばさん』集英社 2010 のち文庫
- 『おれたちの青空(おれのおばさん)』集英社、2011年 のち文庫
- 『おかえり、Mr.バットマン』河出書房新社 2012年
- 『静かな夜 佐川光晴作品集』左右社、2012
- 静かな夜(『群像』2006年4月号)
- 二月(『新潮』2006年11月号)
- 崖の上、八月
- 『山あり愛あり』双葉社、2013年 のち文庫
- 『おれたちの約束(おれのおばさん)』集英社、2013年 のち文庫
- 『おれたちの故郷(ふるさと)(おれのおばさん)』集英社、2014年 のち文庫
- 『鉄童の旅』実業之日本社 2014 改題『鉄道少年』実業之日本社文庫、2017年
- 『主夫になろうよ!』左右社、2015年
- 『校長!お電話です』双葉社、2015年 のち文庫
- 『あたらしい家族』集英社文庫、2015年 のち文庫
- 『大きくなる日』集英社、2016年 のち文庫
- 『日の出』集英社、2018年
- 『駒音高く』実業之日本社、2019年
- 『昭和40年男 ~オリンポスの家族~』ホーム社、2019年
単行本未収録作品
- サンディア!(『新潮』2001年12月号)
- 小さな者たちへ(『新潮』2004年9月号)
- 受胎のめぐみ(『文學界』2004年9月号)
- 子どもにつづけ(『群像』2006年9月号)
- 家族の肖像(『文學界』2006年12月号)
- 一枚の絵(『文學界』2007年5月号)
脚注
- ^ “県立茅ケ崎北陵(2) - 神奈川 - 地域”. 朝日新聞デジタル. 2019年7月30日閲覧。
- ^ 日本ビジネスプレス 2010年5月7日
- ^ 「平成夫婦善哉」『週刊朝日』2015-4-10
- ^ プロムナード「わが家の居間」日本経済新聞2012年10月25日夕刊7面
- ^ 夫婦別姓に反対する著名人の論理 日本ビジネスプレス2010年7月29日
外部リンク
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野間文芸新人賞 |
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2020年代 |
- 第42回 李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』
- 第43回 井戸川射子『ここはとても速い川』
- 第44回 町屋良平『ほんのこども』
- 第45回 朝比奈秋『あなたの燃える左手で』、九段理江「しをかくうま」
- 第46回 豊永浩平『月ぬ走いや、馬ぬ走い』
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