仮面ノリダーV2『仮面ノリダーV2(かめんノリダーブイツー)』は、フジテレビ系列のテレビ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』のコーナードラマ、およびまたそれに登場するヒーロー。『仮面ノリダー』の続編であり、1990年(第1回目は1990年の年末スペシャル)から1991年7月まで不定期に放送された。特撮テレビドラマ『仮面ライダーV3』のパロディドラマである。 ストーリー1990年4月、仮面ノリダー1号とチビノリダーの活躍によって悪の秘密結社・ジョッカーは壊滅し、世界に再び平和が戻ったかに見えた。しかしその8ヶ月後、東京は度重なる群発地震によって廃墟と化していた。その群発地震の原因は悪の秘密組織「ゲロジョッカー」の仕業であり、その混乱に乗じてゲロジョッカーは東京を支配下に置いていた。この作戦を指揮していたのは仮面ノリダー1号の手によって宇宙に散ったはずのキング・ジョッカーだったのだ。彼はゲロジョッカー最高司令官・猩猩右近によって助けられ、再び世界征服を狙っていた。 そんな混乱の中、中目黒のアミーゴに木梨猛そっくりの一人の青年が現れる。彼の名は一文字マモル。その正体はジョッカーの手によって重傷を負わされたが、仮面ノリダー1号の改造手術によって生まれ変わった新たなる戦士「仮面ノリダーV2」であった。 概要半年間の充電を経て1990年10月に再開された「とんねるずのみなさんのおかげです」であったが、視聴者はノリダーなしの番組に少なからず物足りなさを感じていた。また、とんねるずは番組第2シーズンの開始当初「第1期のコーナーやネタは一切やらない」とこのコント内で宣言しており、「われら定時制高校野球部」が第2シーズンのメインコーナーとして扱われていた。 しかし折しも同じ日にスタートした裏番組「渡る世間は鬼ばかり」が高視聴率をマークしていたことから、対策として第1シーズンのコーナーを復活させる方針に転換する計画をした。 番組に届くハガキも多くはノリダー復活を望む要望(特に子供から)で、視聴者の要望に応えてノリダー復活は決定された。ノリダーV2が始まる前から番組内でノリダー復活を宣伝しており、視聴者の期待は高まっていった。 設定的には仮面ライダー2号と仮面ライダーV3を合わせたもので、さらに専用マシンがサイドカー、背中に青いギターを背負っているなど、「人造人間キカイダー」と「キカイダー01」のパロディ要素も存在する集大成的な続編となっている。 作風の変化前述の通り番組内で予告編を流すなど満を持して第1回の放送を迎えている。 初期は、正当なヒーロー番組的な作風であったが、徐々に当時の番組の持ち味となっていた内輪スタッフネタ色を強めていく。 前作『仮面ノリダー』は毎週放映されていたのに対し、本作は主要メンバーのスケジュール調整の難しさもあって不定期での放送となっている。 後半の作風はコント色が前面に出ているが、それでもマリナさんこと渡辺満里奈、おやっさんこと小林昭二、ナレーターの中江真司を最後まで起用し、最終回では過去の怪人を一斉に登場させるなどしていた。 なお、全話に渡ってCMを挟んでいる。 最終回最終回(第9話)前のストーリー(「タヌキ男」の回)のラストでキングジョッカー扮する石橋のアドリブで「今度は俺が倒す!(「くそ、タヌキ男も失敗したか、今度は…今度は、俺がお前を相手にする!」の説もあり)次号、来週、最終回」と発言し、1991年夏のスペシャルで最終回(第9話)を迎えた。なお、そのセリフは最終回(第9話)のオープニングの後(正確にはサブタイトルの前)にも使用され、その後中江の「と、キング・ジョッカーが言った通り今日で最終回なのだ!」に繋いでいた。 その最終回(第9話)では、キングジョッカー自ら戦いを挑み、最終的に帝京蜂男(モデルは帝京高校の校章)に変身した。ノリダーV2は自ら出した時限爆弾付きのお花畑で帝京蜂男を爆死させようとしたが、逆に逃げ切れずに爆死を遂げる。しかし、喜んだ猩猩右近が自らの手で基地のスイッチを押して帝京蜂男を帰還させようとしたが、間違って自爆スイッチを押してしまったことにより、ゲロジョッカーの方も帝京蜂男ともども爆発四散して全滅し、結果的には地球の平和は守られたのであった。 仮面ノリダーV2特徴旅行中にジョッカーに襲われ、父と母を殺され(ここは本家『仮面ライダーV3』と同じ)瀕死の重傷を負わされた一文字マモルが、仮面ノリダー1号の改造手術によって新たに生を受けた戦士(OP最後の改造シーンは、木梨が猛&マモルを一人二役で演じている)。マスクや胸の装甲、ベルトは仮面ライダーV3がモチーフだが、スーツは仮面ライダー新1号と同じく黒地に2本の縦ライン入り手袋とブーツ(踵には拍車がついている)とベルト帯の色は仮面ライダー新2号と同じく赤という違いがある。マフラーの色は赤色だが、7話以降は水玉ラインのついたマフラーにマイナーチェンジした。 変身方法はV2コンパンクトに「大丈V(2)!」と呪文を唱えながらVサインを決めることでV2マークが現れ、変身ベルトが出現(第7話においては、「だいじょうぶだぁ」のコールを唱えると、番組ロゴの字体で文字が出現した。)、その後従来の変身ポーズや「発音不可能な音(「あ」に濁音ようなの)を無理やり叫ぶ」などの1発ギャグを行った後にジャンプして変身。ゲロジョッカーの機械動物合成怪人やペット・珍獣型怪人(ジョッカー怪人が全身着ぐるみだったのに対してスーツ系のデザインで、石橋貴明がキングジョッカーと二役で演じていた)を相手に戦う。 登場した際は「悪の動きはこの福耳がキャッチ!悪の匂いはこの鼻が嗅ぎ分ける!それが!仮面ノリダー・ブゥ〜イ・ツー!」という名乗りも存在したが、後半からは石橋に邪魔されて言えていない。 劇中音楽は『仮面ライダーBLACK RX』の音楽も流用されている。 「サンダーキャット」の回では、本家『仮面ライダー』ではよく見られたバイクに乗ったまま変身をノリダーシリーズでは唯一している。 武器・技ギターを使った「V2マシンガン」、ギターのヘッド部分に仕込んだ刀「ノリダーカッター」。(いずれも後半では使用されなくなる。)またキック技として「V2トカチョフキック」、「ノリダーV2大回転キック」、「V2スクリューキック」等を使用する。後半になると仮面ノリダーV2が必殺技を使う以前に怪人たちが死んでいった。 バイクマモルの常用するオートバイがV2への変身と同時に変形し、専用マシン「ノリダーV2サイクロン号」となる。サイドカー仕様となっているのが最大の特徴で、設定上は100万馬力を誇る。なお、オリジナル番組シリーズでのライダーマシンにサイドカーが導入されたのは『仮面ライダー555』に登場する、仮面ライダーカイザのマシン「サイドバッシャー」が初である。 サイドカーのベース車両はスズキ・バンディット250で、オリジナルのカウリングや『仮面ライダーV3』の「ハリケーン」同様の緊急停止用パラシュートを装備している。元々250ccの小排気量オンロードバイクで、サイドカーとしては滅多に用いられない車体だが、第2回以降のオープニングでは未舗装の悪路の中を激しい爆破に晒されながらも、本家『V3』オープニングさながらの走りを披露している。 前作同様ソフト化禁止の作品前作の放送の時、本家『昭和仮面ライダーシリーズ』と『キカイダーシリーズ』の原作者の石ノ森章太郎、製作会社(毎日放送、東映)に無断でパロティ化した経緯もあり、前作と同様に一切ソフト化を禁じられた作品でもある。 →「仮面ノリダー § 作品のソフト化禁止の経緯」を参照
主題歌
出演者仮面ノリダーの登場人物を参照。 放映リスト第1話のみ前作までと同じく中江真司がタイトルコールを行なったが、第2話以降は木梨憲武が行なった。
仮面ノリダーV3『V2』最終回(第9話)のエピローグに、とある保育園の園庭で子供たちに振り回される保育士(演:木梨憲武。猛やマモルと異なり、髪は短く眼鏡をかけた頼りなさげな風貌)のもとになぜかベルトが空から降ってきて、それを手に自身の運命を感じるというシーンがあった。その後「放送予定は??」とテロップをうっていたが、結局『仮面ノリダーV3』の本編放送はなかった。 |