京阪7000系電車
京阪7000系電車(けいはん7000けいでんしゃ)は、1989年(平成元年)に登場した京阪電気鉄道(京阪)の通勤形電車。 1993年(平成5年)までに7000系として25両が製造されたほか、1989年に6000系VVVFインバータ制御試作車として製造された3両が1993年に本系列に編入され[1]、合計7両編成4本(28両)が在籍する。 投入の経緯1989年10月の鴨東線開業に伴う増備車として、同年に6両編成2本(7001F・7002F)と4両編成1本(7003F)が投入された[1]。京阪で初めてVVVFインバータ制御を本採用した系列である。 7003Fは当初交野線・宇治線で運用されていたが、1991年(平成3年)に中間車を2両新造して6両編成化され、1992年(平成4年)には中間車がさらに3両新造されて、3編成とも7両編成化された。これにより、一般車(通勤車)による代用特急・臨時特急運用には6000系に代わり本系列が優先的に充当されるようになった。 1993年、VVVFインバータ制御試験車6000系6014F(6次車)の京都方3両を、系列内で制御方式を統一するため、改番のうえ本系列に編入し、新造の大阪側4両と組んで、7004Fが組成された。このため、7004Fの京都方3両は6000系(2 - 6次車)と同じ車体形状で、床下の機器配置も異なる[注 1]。 車体・内装・機器前面デザインは6000系を踏襲しつつ、乗務員室スペース拡大のため、先頭部を直立させている。また、側窓構造が変更され、6000系6次車以前に比べて窓枠の露出が少なくなっている(前述の7004F京都方3両を除く)。 内装では、座席袖仕切りにモケットが貼られ、乗降ドア上部のつり革の跳ね上げ機構を省略した(長さが短い)点が6000系からの主な変更点である。なお、6000系7次車以降の車体・内装は本系列と同一となっている。 制御装置は東洋電機製造製ATR-H4200-RG622A[注 2]で、GTOサイリスタ素子(4500V /3000A)によるVVVFインバータ制御を本格的に採用した。主電動機TDK6151-Aは200kW(当時は新幹線以外では日本最大)の大出力の誘導電動機を装備している。最高速度は110km/h(設計上は120km/h)、起動加速度は6000系より少々上がって2.8km/h/sである。 なお、本系列は京都方3両+大阪方4両のユニット構成が基本であるが、7004Fのみ京都方が4両ユニットとなっている[1]。 製造
運用7両編成化後は京阪本線・鴨東線・中之島線(淀屋橋・中之島駅 - 出町柳駅)にて普通や準急、さらには区間急行をメインに運用されている。前述のとおり、7003Fは製造当初4両編成で、交野線や宇治線で運用されていた。現在これら支線系統での定期運用はない。 改造工事等バリアフリー対応工事7002Fは2006年3月に、7001Fは同年10月に、7004Fは2007年11月に、7003Fは2008年2月にそれぞれバリアフリー対応工事が実施された。工事内容は、LED式車内案内表示器・誘導鈴・車椅子スペース新設などで、あわせて当時の10000系に準じた赤御影石調の床材と青色の座席モケットに更新された。 新塗装化2008年より京阪線車両の新塗装への変更が開始され、2009年2月に7002Fが本系列初の新塗装車となった[2]。2012年2月、本系列全編成の新塗装化が完了した。 前照灯LED化2015年ごろに本系列全4編成の前照灯がLEDに換装された。その後、全編成が一旦シールドビームに戻されたのち、再びLED前照灯に換装されている[3]。 リニューアル工事2022年12月に寝屋川工場に入場した7002Fより、本系列のリニューアル工事が開始された[4]。老朽化した制御装置などの機器更新を実施し、故障に対する予防保全、および機器の保守軽減が図られている。外観では、種別行先表示器がフルカラーLED化され、側窓枠を黒色に、側扉沓摺部をオレンジ色に変更している。これによりVVVFインバータ制御装置や補助電源装置のGTO→IGBT化が行われている。 内装は13000系に準じたデザインとなり、座席幅の拡大とバケットシート化、スタンションポール(握り棒)の設置、化粧板(天井部を除く)および床敷物の更新、広告用デジタルサイネージ(1両あたり3カ所)の設置、バリアフリー対応として扉開閉予告灯およびドアチャイムの設置、液晶型車内案内表示器(1両あたり3カ所)への更新と広告用デジタルサイネージ(1両あたり3カ所)の設置、車いすスペースの拡大が行われている。 また、省エネ化のため車内照明にLEDを採用、車内防犯カメラ(1両あたり3カ所)やホーム検知装置(先頭車床下)、戸挟み検知装置(1両あたり6カ所)の設置など車内外の安全性向上を図ったほか、車内非常用設備(非常通報装置・非常用ドアコック)の表示内容を、2022年6月に国土交通省が策定した「車内非常用設備等の表示に関するガイドライン」に適合させている。 7002Fは2024年1月21日(日)より営業運転を開始した。また、7003Fも更新され、2024年10月3日(木)から運用を開始した[5]。2025年度には本系列全編成のリニューアルを完了する予定となっている。 履歴
編成表2009年4月1日現在[10]。
車体ラッピング本項では、本系列に施工された車体ラッピングについて記述する。
脚注注釈出典
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