交響曲第10番 (ヴィラ=ロボス)交響曲第10番『アメリンディア』(Sumé pater patrium: Sinfonia ameríndia com coros[注 1])は、エイトル・ヴィラ=ロボスが1952年から1953年にかけて作曲した交響曲。 概要ヴィラ=ロボスはサンパウロ市の誕生400周年を祝して10番目の交響曲を作曲した。1952年にリオデジャネイロで作業に取り掛かり、1953年2月15日にニューヨークで総譜を完成させている。初演は1957年4月4日にパリのシャンゼリゼ劇場で行われた。作曲者自身がフランス国立管弦楽団を指揮し、独唱者はジャン・ジロードー(テノール)、カミーユ・モラーヌ(バリトン)、ジャック・シャリュード(バス)であった。曲は作曲者の死まで23年連れ添うことになる伴侶のミンディーナ(Arminda Neves d'Almeida)に捧げられた[1]。 テキストは宣教師ジョゼ・デ・アンシエタの伝道を記録したものが用いられており、ラテン語、ポルトガル語、そして土着言語のトゥピ語で書かれている[2]。ヴィラ=ロボスはこれについて、サンパウロの「寓話的、歴史的、宗教的な話」となることを意図したのだと記している[2]。総譜は記載に一貫性を欠いた状態で残されており、指揮者のジゼル・ベン=ドールが1957年の放送音源を頼りに校訂を施した[2]。 編成テノール、バリトン、バス(各1名)、混声合唱、ピッコロ2、フルート2、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット3、バスクラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット4、トロンボーン4、チューバ、ティンパニ、タムタム、シンバル、ショーカリョ、ヤシの実の皮、ライオンズローア、鐘、ゴング、スレイベル、小型のフレームドラム、バスドラム、シロフォン、マリンバ、チェレスタ、ハープ2、ピアノ、オルガン、弦五部。 楽曲構成全5楽章で構成される。演奏時間は約69分[2]。
第1楽章は管弦楽のみで、独唱と合唱が中心となる残りの4つの楽章への序曲として機能する。この楽章は明確に部分ごとに区切ることができ、上昇する順次進行と続く上方への跳躍からなる旋律的モチーフが主要な役割を果たす。このモチーフは楽章を構成する5つの部分の全てに見出すことが出来る。各部分はテンポ、調性(ハ調、変ロ調、ホ調、ハ調、ハ調)、楽器法、リズム、和声、そして主要モチーフの変形のさせ方を変えることで隔てられている。核となるモチーフから導かれていないのは、第1の部分の第2主題のみである。四度の和音がとりわけ顕著であるが、分厚いオスティナートの中の複合和音、そして薄い楽器編成となる調性的パッセージと入れ替わっていく。展開を担う第4の部分では突然速度が変化し、短い弦楽器の調性的フガートによって開始する[3]。 脚注注釈
出典
参考文献
関連文献
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