中華人民共和国のソマリア沖海賊対策(ちゅうかじんみんきょうわこくのソマリアおきかいぞくたいさく)では、中華人民共和国によるソマリア沖の海賊対策やアデン湾を航行する自国関係船舶などの護衛策について記述する。
概要
中国政府は中国人民解放軍海軍に対し自国関係船舶の護衛艦隊を派遣し、人民解放海軍建軍以来初の実任務外洋遠征となった[1]。また、明代の鄭和の西征以来600年ぶりの中国軍艦の遠征とされた[2]。主な任務は、ソマリア沖アデン湾を航行する中国関係船舶および乗員の安全確保、国際連合世界食糧計画など人道支援物資を運ぶ国際機関の船舶の護衛を行う。
派遣規模は戦闘艦艇2隻、総合補給艦1隻、艦載ヘリコプター2機、特殊部隊を含む人員800名から成る。
年表
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
- 2月27日 - 第11次派遣隊が青島から出航する。
- 3月15日に第11次隊と第10次隊が洋上で合流し護衛任務を開始。帰国する第10次隊は香港返還15周年を記念して4月30日から5月4日まで寄港する[36]
- 7月3日 - 第12次派遣隊としてフリゲート「常州」と「益陽」、補給艦「千島湖」が浙江省舟山から出航する。
- 7月23日 - 第11次隊が国内外184隻の護衛任務を終えて帰還、初訪問となるルーマニア、ブルガリア、イスラエルを含め5ヶ国を訪問した。[37]
- 9月13日 - 第11次隊が青島に帰港[38]。
- 11月9日 - 南海艦隊のフリゲート「黄山」と「衡陽」は補給艦「青海湖」を伴い第13次派遣隊として出航する[39]。
2013年
- 3月13日 - 第14次派遣隊が海域に到着し第13次隊と共同護衛に従事、同月18日から第14次隊単独での護衛を開始する[40][41]。なお、第14次隊は山東省青島市を出航し、途中3月3日から8日までパキスタン海軍と共に多国籍海上連合軍演習「和平13」を実施した後、アデン湾に向かっている。
- 8月8日 - 広東省湛江軍港から揚陸艦「井崗山」、フリゲート「衡水」、補給艦「太湖」がアデン湾へ向けて出航する。3隻は初参加となる[42]。
- 11月30日 - 第16派遣隊が青島から出港する。フリゲート「洛陽」と「塩城」。12月21日には第15次派遣隊と共同で船団護衛に当たる。
2014年
- 1月23日 - 第15次派遣隊は護衛任務を終了する。任務期間中には欧州連合の第508任務部隊、第151合同任務部隊との交流をはじめ、ウクライナ海軍艦艇と初めての合同訓練を実施、ケニア、タンザニアおよびスリランカを訪問している[43]。
- 3月24日 - 舟山軍港から第17次派遣隊の駆逐艦「長春」、フリゲート「常州」、補給艦「巣湖」が出港する。「長春」と「巣湖」は初の護衛派遣となる。
- 4月24日 - 第16次派遣隊は護衛任務を完了する。任務終了後はアフリカ8カ国訪問の航海を開始し、5月22日にはナイジェリアのアビジャンを訪れている[44]。
- 5月5日 - 第16次派遣隊は急遽チュニジアを訪問する[45]。
- 5月6日 - 地中海を航行中にイタリア商船の救難信号を受信、火災発生により「巣湖」は救助艇2隻を派遣し救助を開始、乗員は治療を受ける[46]。
- 5月14日朝 - 「常州」はボートを牽引する不審船を発見、フレアなどを使用しこれを駆逐している[47]。
- 6月2日朝 - 中国海軍とカメルーン海軍は、両国初となる合同海賊対策演習をギニア湾にて実施する。これ以外にも通信訓練、共同捜索救助訓練および共同移乗検査なども実施する[48]。
- 8月1日 - 第18次派遣隊のフリゲート「運城」、水陸両用艦「長白山」が湛江から出港する。「長白山」は初の護衛派遣となる[49]。
- 12月2日 - 第19次派遣隊のフリゲート「臨沂」と「濰坊」および補給艦「微山湖」が青島から出港する。「臨沂」、「濰坊」の両艦は初の護衛派遣となる。
- 12月11日 - 米中両国海軍は「海上衝突回避規範(CUES)」運用訓練を実施する。これは両国海軍初の合同訓練となる[50]。
2015年
- 3月29日 - 「臨沂」が情勢不安であったイエメンに派遣、アデン港にて中国企業関係者を避難させ、8時間後には最初の122人がジブチ港まで送り届けられる。他にも同時にエジプトとルーマニアの技術者も避難している。同月30日までにパキスタン、エチオピア、ドイツ、英国および日本など10カ国の255人も救出している。これは中国海軍初の在外邦人および外国人避難活動となる[51][52][53]。
- 4月3日 - 第20次派遣隊のミサイル駆逐艦「済南」、フリゲート「益陽」、補給艦「千島湖」が舟山港から出航し、同月24日に交代して27日には「益陽」が初めてとなる単独護送を開始する[54]。
- 7月24日 - 「済南」はインド・ムンバイの訪問を終え出港し護衛任務に復帰する[55]。第20次隊は護衛任務終了後グローバル訪問を開始する[56]。
- 8月4日 - 第21次派遣隊のフリゲート「柳州」と「三亜」、補給艦「青海湖」が三亜港を出航する。「柳州」と「三亜」の両艦は初めての護衛派遣となる。
- 9月26日 - 派遣艦隊首脳部がアデン湾上にて韓国海軍の駆逐艦「李舜臣」に乗艦し交流する[57]。
- 12月6日 - 第22次派遣隊の駆逐艦「青島」、フリゲート「大慶」、補給艦「太湖」が青島から出港する[58]。
派遣状況
脚注
関連項目