三陸・海の博覧会(さんりく・うみのはくらんかい)は、第2回ジャパンエキスポ(JAPAN EXPO IN IWATE '92)として、1992年(平成4年)に岩手県の釜石市、宮古市、山田町で開催された地方博覧会である[1]。
概要
- テーマ - 「光る海、輝く未来」
- マスコット - リアスくん
- 会場
- 主会場 - 岩手県釜石市平田地区
- 共催会場 - 岩手県宮古市藤原地区、岩手県山田町船越地区
入場料金
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大人 |
中・高校生 |
小学生 |
幼児
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釜石会場 |
2000円(1800円) |
1500円(1300円) |
800円(700円) |
300円(200円)
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宮古会場 |
600円(500円) |
400円(350円) |
300円(200円) |
200円(150円)
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山田会場 |
400円(300円) |
400円(300円) |
200円(150円) |
200円(150円)
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各会場の概要とパビリオン
釜石会場
- 場所:釜石市平田地区
- テーマ:「海と未来のワンダーランド」
- 面積:約12ha
◆パビリオン◆
海のワンダーランド館(テーマ展示館)
- 白いピラミッド型のパビリオン。
- テーマ:「海の不思議-海と人の望ましい未来」
- 出展者:三陸・海の博覧会実行委員会
- (1)海・生命の起源ゾーン……エントランスゾーン。ストロマトライトのオブジェと、ビデオスクリーンによる地球上の様々な生物の誕生とドラマの映像。
- (2)海の神秘と魅惑ゾーン……メインゾーン。「フランス・ディーニュのアンモナイトの壁」の原寸大剥離標本の展示。3つの水槽ではメガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)、オーム貝などの、熱帯海水魚の泳ぐ珊瑚礁の海を再現。
- (3)海と未来ゾーン……水蒸気をスクリーンにした「スチームビジョン」の映像トンネル。海洋都市や海洋開発、海洋牧場の立体模型等の展示。
りあすシアター(テーマ映像館)
- テーマ:「三陸の海と人々」
- 出展者:三陸・海の博覧会実行委員会
- 幅8m高さ3.2mのスクリーンに3D映像で、三陸の四季折々の海とそこで暮らす人々のドラマを上映。
しんにってつパビリオン・ポセイドンシアター
- テーマ:「海を知る。未来にひろがる地球」
- 出展者:新日本製鐵株式会社
- エントランスは、ポセイドンの神殿をイメージ。
- カナダのアイマックス社の開発した縦17m×横22mの巨大スクリーンに、「ザ・ディーペスト・ガーデンー深海からのメッセージ」を上映。
三陸・海のパビリオン
- テーマ:「海・未来・ふれあい」
- 出展者:運輸省、東北運輸局、第二港湾建設局、第二管区海上保安本部、仙台管区気象台
- 津波防波堤「ハイブリッドケーソン」をパビリオンとして実物展示。内部では「海・ふれあい」「クルージングキャビン」「海・未来」の3つのゾーンの展示。
- ケーソンの頂上部からは人口滝が流れていた。
- ケーソンの側には屋外展示として、「津波実験水槽」「イルカランド」や、クルーザーヨット、モーターボートなどを設置。
海洋牧場館
- 半球形のドーム型パビリオン
- テーマ:「海、宇宙、未来への夢」
- 出展者:清水建設株式会社
- 中央には直径6mの2つの円形の水槽を3mの水路でつなげた「ミニ海洋牧場」があり、音響給餌ロボットによる1万尾のマダイの稚魚の飼育を実演。
- 「ミニ海洋牧場」の周りには、「海洋牧場コーナー」「海洋技術コーナー」「宇宙コーナー」の3つのゾーンがあり、「宇宙コーナー」ではアニメーション「スペースリゾート構想宇宙ホテル」をビデオ上映。
岩手ふるさと館
- テーマ:「花咲く未来」
- 出展者:岩手県内59市町村ほか
- シンボルゾーンでは、59市町村の花3万本のリボンフラワーを制作し、7.8mの岩手県土の形の花のオブジェを展示。
- 市町村展示ゾーンでは、12の地区に分けて、それぞれの12のコーナーで独自の企画で表現する展示。
- 他に「姉妹都市コーナー」「アマチュア無線コーナー」「子供絵画コーナー」「岩手県北海道県人会交流コーナー」があった。
さんりく魚ふれあい館
- テーマ:「ふれてみよう三陸の海の生きものたち」
- 出展者:三陸・海の博覧会実行委員会
- エントランスをぬけると「インフォメーションカウンター」「回遊型大型水槽」があり、三陸の漁業を紹介したパネルも展示されていた。
- 「三陸の魚・水槽展示ゾーン」では7つの大水槽に、三陸の海の魚介類や甲殻類を分類展示。北海道オホーツク水族館より贈られた「オオカミウオ」の展示もあった。
東北の未来館
- テーマ:「東北の輝く未来」
- 出展者:東北6県、仙台市ほか
- 「東北インテリジェントコスモス構想ゾーン」では、宇宙から見た東北の自然をVTRなどで紹介。チョウザメの養殖技術研究のコーナーの展示もあった。
- 「みちのく観光ゾーン」では東北各県の観光地や祭りを写真やVTRで紹介。「東北再発見ゾーン」では東北6県と仙台市の自然・文化・産業を各ブースで展示。
釜石市パビリオン・きらら童夢
- 「ひょっこりひょうたん島」をモチーフとした、大ドーム(直径30m)と小ドーム(直径14m)を組み合わせたパビリオン。
- テーマ:「海へ!LOVE KAMAISI……釜石の美しい自然と未来」
- 出展者:釜石市
- 大ドームでは、「釜石の自然」についての展示。「三貫島」の実物モデルや、御箱崎半島の千畳敷を白色石灰石で50分の1で再現したコーナー、「光の森」「不思議の木」の展示などがあった。
- 小ドームでは、「釜石の未来」の映像を上映。
いわて未来館X
- テーマ:「未来発想による北上山系開発構想・プロジェクトX」
- 出展者:三陸博コンストラクションパビリオン出展実行委員会
- 「プレゼンテーションX]では、北上山系開発構想「プロジェクトX」について、スライドとナレーションで上演。
- 「ガイダンスX」では、「プロジェクトX」の柱となる4つの事業についてのパネル展示。
- 「ビューX」では、特殊音響と大型映像による「プロジェクトX」の上映。
東北電力グループ館・サエーナの剣
- 外観は宝箱と剣の形をしたパビリオン。
- テーマ:「Ocean Energy for Human Energies」
- 出展者:東北電力グループ
- 映像とキャストの実演による体験劇場「サエーナの剣」を上演。キャストが会場の中から「小さな勇者」を捜し出し、さらに会場にいる観客が心を一つにして魔王と戦う、というストーリー。
NTTコミュニケーションドリーム館
- テーマ:「愛と夢がいっぱい、未来のコミュニケーション」
- 出展者:日本電信電話株式会社
- 「NTTスペクトラツアーズ」では3軸駆動の「スペクトラ号」に乗り、宇宙空間でのアドベンチャーを体験。
- 「コミュニケーションプラザ」では3D-TV]や「スカイビュー」などのNTTの最新テクノロジーを紹介。「コミュニケーションスタジオ」では、「富山博覧会」のステージを通信衛星を使ったTV会議システムでむすび、クイズ合戦を開催した。
農林アメージングランド・自然のめぐみ館
- 出展者:JAグループ岩手県経済連、岩手県林業協会
- 岩手県の間伐材で作った巨大迷路では、農業と林業についての問題をパネル展示。答案用紙に答えを書きこんで出口をめざす。
- 農業のコーナーのテーマは「豊かな大地からの贈り物」 野菜やコメや果物の踊る人形を展示。
- 林業のコーナーのテーマは「豊かな森林からの贈り物」 森での楽しいリクリエーションの様々から木工品までを展示紹介。
コカ・コーラ館
- カマボコ型のパビリオン。出入り口の側にはキャラクター「少年トム」と「愛犬ジム」の人形が立っている。
- テーマ:「エキサイティング・ライトショー『トムとジムのシーアドベンチャー』」
- 出展者:みちのくコカ・コーラボトリング株式会社
- 最新のライティングシステムによる光と音のショー。マルチスライドと着ぐるみキャラクターの実演の組み合わせで、少年トムと愛犬ジムの宇宙や未来へのアドベンチャー劇を上演。
岩鋳鉄器館
- テーマ:「伝統そして新たな創出」
- 出展者:株式会社岩鋳鋳造所
- 入り口エントランスホールで、世界最大の南部鉄瓶(直径1.1m 高さ1.5m)を展示。
- 「南部鉄器の歴史紹介ゾーン」「岩鋳企業紹介ゾーン」「南部鉄器製造工程ゾーン」「茶室ゾーン」「鉄鐘ゾーン」等を展示。
三井グループ・東芝館
- テーマ:チャレンジ!『ジャパンカップF1』」
- 出展者:三井グループ・東芝出展者会
- 大型プロジェクターに映し出されるF1マシンを、観客が手元のブック型PCを使って操作する参加型アドベンチャー。
NEC C&Cパビリオン
- テーマ:「おもしろ不思議大作戦ーC&Cサイバーツアーズ」
- 出展者:日本電気株式会社
- 「サイバードラゴン」の中のコクピット空間では、双方向型シミュレーションゲーム「C&Cサイバーツアーズ」を展開。
カシマ・マリン・ワンダーランド
- テーマ:「見て、さわって、参加する海のワンダーランド」
- 出展者:鹿島
- 「マリンサイエンスゾーン」では、海の生物に関するクイズイベントを展開。他に「トビハゼプール」「アッププール」「リラックスゾーン」など。
富士通電脳最前線ハイパーステーション
- テーマ:「ハイパーステーション発、21世紀行き」
- 出展者:富士通株式会社
- 富士通のPCによるゲームや占いなどの体感展示。
千石船「気仙丸」
- テーマ:「江戸海運のロマン満載-今、甦る伝統の一枚帆船」
- 出展者:気仙地区千石船建造推進協議会
- 江戸時代の千石船「気仙丸」を、船大工有志による「気仙船匠会」が復元。野外展示。
3D立体映像シアター・エネルギーワンダーランド
- テーマ:「人と海とエネルギー」
- 出展者:通商産業省 資源エネルギー庁
- 展示コーナーでは、波力発電や潮汐発電、海洋温度差発電などの海洋エネルギーを紹介。3D映像シアターでは、「エネルギーワンダーランド」を上映。
未来・インフラ館
- テーマ:「伸びゆく東北、輝け岩手、ダイナミックライド、その興奮と感動」
- 出展者:建設省東北地方建設局
- 2台の体感シミュレーションマシン「コンストラクティブ号」のアドベンチャーツアー。巨大パノラマ壁画の展示も。
日立グループ館・ネオビマルチアニメシアター
- テーマ:「Interface……人と技術の理想をめざす」
- 出展者:日立グループ
- 42インチの日立高画質ネオビジョンと立体映像4Dビジョンを組み合わせた映像「音楽はともだち」を上映。
パナソニック館
- テーマ:「映像新発見ーおもしろ映像ランド」
- 出展者:松下電器産業株式会社
- 「ハイビジョンシアター」では「バルセロナの風」を上映。他に「3D立体映像/ザ・ファーコズ」「テレビの壁」「BSコーナー」など。
夢・21世紀館(企業集合館)
- テーマ:「小さな夢、大きな夢、21世紀をみつめる」
- 出展者
- SMC株式会社:「SMC童話の広場」……人形ロボットによる童話劇を上演。
- 東北郵政局:「三陸・乙姫郵便局」……「ふれあいマルチスペース」「郵政事業PRコーナー」他に記念切手の発売も。
- 大成建設株式会社:「CGミュージアム」……CG映像による古代都市探検など。
- 日本たばこ産業株式会社:「JTジョイフルランド」……「コロンブス君の不思議の森」を体験。
- 株式会社間組:「ハザマのわくわく海底冒険ランド」……マルチスクリーンとジオラマによる海底都市の冒険。
- 三菱グループ関係各社:「MITSUBISHI MARINE MUSEUM '92」……潜水調査船「しんかい6500」実物大模型の展示など。
岩手の産業館
- テーマ:「未来の岩手創造・コミュニケーションネットワーク」
- 出展者:岩手で活躍する製造からサービス業までの代表企業25社
バザール館
- テーマ:「くらしに夢と楽しさを」
- 8企業・団体による物産出店
◆プレイランド◆
- 遊具:ウェーブスインガー、メリーゴーランド、スカイサイクル、パラトルーパー、パールスルー、ロックンロール、アドベンチャーリバー、ゴーカート、シミュレーションマシンSR-2など。
◆イベントステージ◆
《7月》
《8月》
- アコースティックコンサート(天野滋、安部光俊、山口岩男、西塚三四郎)(8/1)
- 中国雑技団(8/4〜6)
- ヤングアイドル特集(中嶋美智代、鈴木ユカリ、吉沢瞳、遠野舞子)(8/8)
- ウィーン・モーツァルト少年合唱団(8/10)
- ベンチャーズコンサート(8/13)
- LLブラザーズコンサート(8/15)
- KANコンサート(8/16)
- 松本典子コンサート(8/23)
- 津軽三味線と民謡日本一の競演(大塚文雄、小野花子、小杉真貴子)(8/31)
《9月》
宮古会場
- 場所:宮古市藤原地区
- テーマ:「マリンリゾートランド」
◆パビリオン◆
マリンリゾート館
- ピラミッド型のパビリオン。
- テーマ:「リゾートシミュレーションー新たなリゾートとの出会い」
- 出展者:三陸・海の博覧会実行委員会
- 「三陸マルチシアター」では、12台の37インチモニターで「光る海・三陸」を上映。
- 「タヒチウェザーランド」では、タヒチの砂浜や自然、家屋を設置し、コンピューター制御でタヒチの一日の様子やスコールなどの気象等を演出。
宮古・海は友だち館
- ドーム型とピラミッド型を合わせたパビリオン。「地球と帆船の帆」をイメージ。
- テーマ:「海と海の生物との出会い、驚き、感動、そして考える」
- 出展者:宮古市
- ドーム型の「テーマゾーン」では、「三陸の魚・世界の魚コーナー」で44個の水槽に三陸海岸や世界の海や川にすむ110種類もの魚を展示。「古代の魚コーナー」では古代魚ピラルクやピラニアを展示。
- 「テーマゾーン」の中央部には3Dシアターを設置。南国慶良間諸島のサンゴ礁の海や、西表島のマンタ[要曖昧さ回避]などの映像を上映。
- ピラミッド型の「PRゾーン」では、宮古市の観光コーナーや、宮古市と交流のある青森県黒石市や沖縄県多良間村の観光と物産、宮古市内の企業コーナー、さらにアンモナイトなどの化石展示コーナーなどがあった。
三陸ショッピングプラザ
- テーマ:「岩手の心が伝わる物産」
- 出展者:13企業・団体
◆マリンビーチ・シーサイドステージ◆
- 椎名誠の「映画とトークショー」(7/4)
- 川合俊一によるエキシビションマッチ(7/19)
- 本田竹曠ジャズコンサート(8/8)
- ディンギー東北ジュニアヨット選手権(8/7~9)
- チームオブフロリダ ウォータースキーショー(8/8~11)
- 日本ホバークラフト選手権シリーズ’92(8/29・30)
山田会場
- 場所:山田町船越地区
- テーマ:「遊コミュニケーションランド」
鯨と海の科学館
マリンパーク山田
船越家族旅行村
脚注
- ^ a b c “三陸博が開幕”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 4. (1992年7月7日)
参考資料
- 三陸・海の博覧会公式ガイドブック(三陸・海の博覧会実行委員会)
- 三陸・海の博覧会パンフレット各種
関連項目