ローゼンバウアー
ローゼンバウアー・インターナショナル(Rosenbauer International AG)は、オーストリア、オーバーエスターライヒ州レオンディングに本拠を置く、消防自動車と消防用設備の製造開発を行う企業[1]。このほかに防火服や化学防護服、防災用品全般なども取り扱う。 消防車の開発に関して世界最大規模となる内の一社である。なお、業界第一位は世界最大の生産数を誇るピアース・マニュファクチャリングを子会社に持つオシュコシュ・コーポレーションとなる。世界100ヶ国以上の消防組織に対し特注の消防車両と機材の納入を行っている。輸出事業を中核としており、オーストリア国内の売り上げは収益全体の7%を占める程度となっている[3]。 概要1866年、オーストリアのリンツでヨハン・ローゼンバウアー(Johann Rosenbauer)によって創立する。創立当初は消防機材を取り扱う商社として活動しており、1906年からガソリン駆動方式の2サイクルエンジンを採用した消防ポンプなど消防機材の独自開発と製造を開始している[1]。初となる消防車は1919年から製造が行われており、1926年に中国へ対し消防車の輸出が行われている[1]。数々の買収やパートナーシップを得て企業規模が大きくなっており、1994年の株式上場に伴い、企業構造を海外事業向けへ大きく再編したことから売り上げの大半が海外輸出によるものとなっており、今日、世界に対し消防車両と設備の提供を行っている[1]。 歴史1910年 - 帝国鉄道消防隊に開発したガソリン駆動式の消防ポンプが採用される。同時期、蒸気機関方式のポンプも開発し、比較研究が行われている[4]。 1913年 - 蒸気式消火ポンプが地方の消防団に採用される[4]。 1925年 - バイソン・サイドカー(Bison)用の移動式簡易ポンプをミュンヘンの消防展示会で発表[4]。 1929年 - トライアンフ・サイドカー用移動簡易ポンプ「リトル・フロリアン」を開発[4]。 1930年 - タトラシャーシを利用した初となる不整地車両を開発[4]。 1936年 - 一般配送向けの小型三輪自動車「TRIO」を開発。総排気量324ccの2サイクルエンジンを搭載し、3速式のギアを採用し出力は10馬力であった[4]。 1938年 - オペル・ブリッツ向けの消火兼道路散水目的での大型貯水タンク型の架装を開発[4]。 1965年 - 初となる航空機救助消火(Aircraft rescue and firefighting, ARFF)用の車両(空港用化学消防車)を開発しチュニス空港へ納入[4]。 1976年 - 輸出の売り上げが総売り上げ高の過半数を占める[1]。 1980年 - ハノーファー国際見本市会場で開催される世界最大の消防展示会「インターシュッツ(INTERSCHUTZ)」で6×6型の新型ARFF「シンバ」を展示[4]。 1984年 - 世界最大となるARFF車両8×8駆動型「シンバ」を開発しフランクフルト空港へ納入[4]。 1988年 - Konrad Rosenbauer KG から Rosenbauer International GmbH に社名を変更し再編を行う[1]。 1992年 - Rosenbauer International GmbH からAGへ変更[1]。 1995年 - アメリカ、ミネソタ州の General Safety Equipment LLC 社に参画[1]。 2003年 - 新型ARFF車両「パンサー」を開発。ATV車両用高圧ポンプを開発[4]。 2004年 - 油圧プラットフォーム(油圧伸縮移動式アーム、リフト)型車両を開発[4]。 2006年 - 南アフリカにローゼンバウアー・南アフリカを設立[1]。はしご車に全方向回転式のターンテーブルを採用。 2009年 - ロシアとの生産合弁事業を開始[1]。空港専用救助階段車の開発[4]。 2010年 - 救急車用ハイブリッドシステムの開発[4]。 2011年 - サウジアラビアから史上最大となる2億4,500万ユーロの大型受注を獲得したことからローゼンバウアーサウジアラビアの設立を行う。
2014年 - イギリスでローゼンバウアー・UK plcの設立[1]。 2017年 - オーストラリアにローゼンバウアー・オーストラリアpty,Ltdを設立[1]。 2018年 - ポーランドにローゼンバウアー・ポルスカを設立[1]。 2020年 - 中国の大手ドローンメーカーであるDJIと戦略的パートナシップを締結。火災に対する緊急対応へのデジタル化と、火災現場での空撮技術を利用した消火対応への情報提供などを行う[7]。 製造車両Municipal vehicles[8](地方自治体向け)
Aerials[9](エアリアル、はしご車)
ARFF vehicles[10](空港用消防車)
製造終了モデル
Industrial vehicles[11](工場向け)
Special vehicles[12](特殊車両)
消防用品・設備車体に搭載される各種コンポーネントの開発を行い、コンポーネントのみの販売や、消火用ポンプ、発電機、消防ヘルメットや防火服、ブーツなど消防や防災関連を幅広く取り扱っており、このほかに各種デジタルサービスなどの提供も行っている。 脚注
関連項目
外部リンク
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