ロシア鉄道公開株式会社(ロシア語: ОАО «Российские железные дороги», 略称:РЖД, ラテン文字転写:Rossiskiye zheleznye dorogi, 英語: Russian Railways)はロシアの国有企業。2003年にロシア連邦運輸通信省(МПС, Министерство путей сообщения Российской Федерации)所管の連邦鉄道事業を承継して発足した。
概要
1998年に運輸通信省が策定した「連邦鉄道構造改革の概念」(Концепция структурной реформы федерального железнодорожного транспорта)を元にウラジーミル・プーチン政権が進めた連邦鉄道事業改革の一環として、2003年9月18日、ロシア連邦政府決議585号に基づきロシア連邦政府が100%出資する公開株式会社として設立され、同年10月1日付で、運輸通信省鉄道事業と、同省が所管する関連企業2046社のうち987社を承継して発足した。運輸通信省は政府の鉄道行政監督官庁として残ったが、2004年3月に改組廃止された。
ロシア国内ではサンクトペテルブルク─モスクワ鉄道の建設(1842年〜1851年)やサンクトペテルブルク─ワルシャワ鉄道、モスクワ─ニジニ・ノヴゴロド鉄道の開通(1862年)などの鉄道輸送網の発達で、1860年代には鉄道事業および鉄道監督行政を所管する官庁の整備が急務となった。1865年6月15日、皇帝アレクサンドル2世の勅令に基づき、内務省および逓信庁の電信部門を統合してロシア帝国運輸通信省(ロシア語版)(МПС, Министерство путей сообщения Российской империи)が発足した。
1867年には運輸通信省建設総局(Управление строительства МПС)が設置されて鉄道網整備が進められ、1891年にはシベリア鉄道が着工した。1900年には路線総延長が4万4900キロに、1913年には5万8500キロに達し、同年の輸送実績は貨物1億3240万トン、旅客1億8480万人に上った。
運輸通信人民委員部は1946年にソビエト社会主義共和国連邦運輸通信省(ロシア語版、英語版)((МПС СССР, Министерство путей сообщения СССР)に改組された。1954年には運輸通信省から交通建設省(Министерство транспортного строительства СССР)が分離発足した。
1998年に策定した連邦鉄道事業の再編を盛り込んだ「連邦鉄道構造改革の概念」(Концепция структурной реформы федерального железнодорожного транспорта)に基づき、連邦鉄道事業は2003年、ロシア鉄道公開株式会社に移管。運輸通信省は2004年3月9日、大統領令314号「連邦政府執行機関のシステム及び組織」(О системе и структуре федеральных органов исполнительной власти)に基づき廃止され、交通監督行政はロシア連邦交通省(Министерство транспорта Российской Федерации)および交通省の連邦交通監督庁(Федеральная служба по надзору в сфере транспорта)と連邦鉄道交通庁(Федеральное агентство железнодорожного транспорта)に移管された。
組織
一部の部局はロシア鉄道公開株式会社の支社(филиал ОАО «РЖД»)として事業分離され独立運営されている。(2010年現在、太字は支社)