ルテル伯 (フランス語:Comte de Rethel)は、フランス のルテル を支配した貴族。ルテル伯領は当初は独立した伯爵により支配されていたが、後にヌヴェール伯、フランドル伯 そして最終的にブルゴーニュ公 により支配された。1405年、伯領はPairie de France となり、1581年に公領に陞爵した。1663年、ルテル公領はマザラン公領となった。
ルテル伯家は十字軍 の時代に活躍した。エルサレム王 ボードゥアン2世 はルテル伯ジェルヴェおよびルテル女伯マティルドの兄弟であり、姉妹のベアトリスはキリキア・アルメニア王国 レヴォン1世と結婚した。
歴代ルテル伯
第1ルテル家
マナセ1世
マナセ2世(? - 1032年)
マナセ3世(1032年 - 1056年)
ユーグ1世(1056年 - 1118年)
ジェルヴェ(1118年 - 1124年) - ユーグ1世の子、エルサレム王ボードゥアン2世 兄
マティルド(1124年 - 1151年) - ユーグ1世の娘
第2ルテル家
ルテル伯の紋章
ウード・ド・ヴィトリ(1124年 - 1158年) - 女伯マティルドと結婚
イティエ (1158年 - 1171年)
マナセ4世(1171年 - 1199年)
ユーグ2世(1199年 - 1227年)
ユーグ3世(1227年 - 1242年)
ジャン1世(1242年 - 1251年)
ゴーティエ(1251年 - 1262年)
マナセ5世(1262年 - 1272年)
ユーグ4世(1272年 - 1285年)
ジャンヌ(1285年 - 1328年)
ダンピエール家
ルイ1世(1285年 - 1322年) - ヌヴェール伯、女伯ジャンヌと結婚
ルイ2世 (1322年 - 1346年) - フランドル伯(1世)、ヌヴェール伯、アルトワ女伯マルグリット1世 と結婚
ルイ3世 (1346年 - 1384年) - フランドル伯(2世)、ヌヴェール伯、アルトワ伯
マルグリット (1384年 - 1402年) - フランドル女伯(3世)、ヌヴェール女伯、アルトワ女伯、およびブルゴーニュ公 妃
ヴァロワ=ブルゴーニュ家
ブルゴーニュ家ヌヴェール・ルテル伯の紋章
フィリップ1世 (1384年 - 1402年) - ブルゴーニュ公(2世)、女伯マルグリットと結婚
アントワーヌ (1402年 - 1407年) - ブラバント公
フィリップ2世 (1407年 - 1415年) - ヌヴェール伯
シャルル1世 (1415年 - 1464年) - ヌヴェール伯
ジャン2世 (1464年 - 1491年) - ヌヴェール伯およびウー伯
シャルロット(1491年 - 1500年)
アルブレ家
アルブレ家ルテル伯の紋章
ジャン・ダルブレ(1491年 - 1500年) - オルヴァル領主、女伯シャルロットと結婚
マリー・ダルブレ(1500年 - 1549年)
クレーフェ家
シャルル2世 (1500年 - 1521年) - ヌヴェール伯、女伯マリー・ダルブレと結婚
フランソワ1世 (1549年 - 1561年) - ヌヴェール伯(1539年以降ヌヴェール公)
フランソワ2世 (1561年 - 1562年) - ヌヴェール公
ジャック (1561年 - 1564年) - ヌヴェール公
アンリエット (1564年 - 1601年) - ヌヴェール女公
ゴンザーガ家
マザラン家
ジュール・マザラン (1659年 - 1661年) - 枢機卿、シャルル4世よりルテルを購入
オルタンス・マンチーニ (1661年 - 1699年) - マザランの姪、マザラン女公、マイエンヌ女公、メイユレイユ女公
ポール=ジュール・ド・ラ・ポルト(1699年 - 1731年) - メイユレイユ公
ポール・ド・ラ・ポルト(1731年 - 1738年) - メイユレイユ公
ルイーズ・ジャンヌ・ド・デュルフォール(1738年 - 1781年) - マイエンヌ女公、メイユレイユ女公
ルイーズ・ドーモン(1781年 - 1789年) - マイエンヌ女公、メイユレイユ女公
現在、この称号はルイーズ・ドーモンの子孫であるモナコ公家が継承権を主張している。
参考文献
Alan V. Murray, The crusader Kingdom of Jérusalem, A Dynastic History 1099-1125 , Linacre College Oxford, 2000, ISBN 1-900934-03-5