『リユニオン』(Reunion)は、ブラック・サバスが1998年に発表したライブ・アルバム。1980年に発売された『ライヴ・アット・ラスト!』は、レーベル側がバンドに無断で発売した作品で、オリジナル・ラインナップによるライブ・アルバムがバンド公認で発売されたのは、本作が初めてである[9]。
背景
1997年、オリジナル・メンバーのうちオジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラーの3人が再結集し、サポート・メンバーのジェフ・ニコルス(キーボード)とマイク・ボーディン(ドラムス)を迎えた編成で、5月より始まったオズフェスト・ツアーに参加した[10]。そして、12月4日と5日に行われたバーミンガム公演では、オリジナル・ドラマーのビル・ワードも復帰した[10]。
本作にはスタジオ録音の新曲「サイコ・マン」と「セリング・マイ・ソウル」も収録された[9]。なお、後者のレコーディングでは、ワードが適切なタイム感で演奏できなかったため、ドラムマシンが使用された[11]。
反響
アメリカのBillboard 200では11位に達し、バンドにとって『悪魔の落とし子』(1983年)以来15年ぶりの全米トップ40アルバムとなった[3]。スウェーデンでは1998年10月29日付のアルバム・チャートで初登場11位となり、合計3週トップ60入りした[4]。一方、全英アルバムチャートでは最高41位に終わり、トップ100入りは2週のみであった[7]。
評価
第42回グラミー賞では、本作に収録された「アイアン・マン」が最優秀メタル・パフォーマンス賞を受賞した[12]。
Eduardo Rivadaviaはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け、ライブ録音のパートに関して「このアルバムに関する真の鍵は、ライブ・レコーディングにおいて最もありがちな落とし穴である、楽曲のテンポを上げることを回避したことにある」、新曲「サイコ・マン」に関して「スローなイントロとラストの激しいリフによって、実に素晴らしい出来となっている」と評している[9]。また、Jim Farberは『エンターテインメント・ウィークリー』誌のレビューでBプラスを付け「彼らの初期の作品は画期的である一方、現在の水準からすれば、音質的には弱々しく抑制的だった」「ここでは更なる押しの強さと重さがあり、そしてトニー・アイオミの邪悪なリード・ギターに比重が割かれている」と評している[13]。
収録曲
特記なき楽曲はオジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードの共作。
ディスク1
- ウォー・ピッグス "War Pigs" – 8:28
- 眠りのとばりの後に "Behind the Wall of Sleep" – 4:05
- N.I.B. "N.I.B." – 6:44
- フェアリーズ・ウェア・ブーツ "Fairies Wear Boots" – 6:19
- エレクトリック・フューネラル "Electric Funeral" – 5:01
- スウィート・リーフ "Sweet Leaf" – 5:07
- スパイラル・アーキテクト "Spiral Architect" – 5:40
- イントゥー・ザ・ヴォイド "Into The Void" – 6:31
- スノウブラインド "Snowblind" – 6:07
ディスク2
- 血まみれの安息日 "Sabbath Bloody Sabbath" – 4:36
- オーキッド / ロード・オブ・ジス・ワールド "Orchid / Lord of This World" – 7:06
- きたない女 "Dirty Women" – 6:29
- 黒い安息日 "Black Sabbath" – 7:29
- アイアン・マン "Iron Man" – 8:20
- チルドレン・オブ・ザ・グレイヴ "Children of the Grave" – 6:30
- パラノイド "Paranoid" – 4:29
- サイコ・マン "Psycho Man" (Ozzy Osbourne, Tony Iommi) – 5:19
- セリング・マイ・ソウル "Selling My Soul" (O. Osbourne, T. Iommi) – 3:09
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
脚注