モノイド対象圏論において、モノイド対象(モノイドたいしょう、英: monoid object)(M, μ, η) は、モノイド圏 (C, ⊗, I) が与えられたとき、C の対象 M および二つの射(乗法: μ: M ⊗ M → M および単位射: η: I → M の組を言う。ただし二つの射はそれぞれ、五角形図式 および単位子図式 を可換にするものでなければならない。上記の図式に現れる記号について、I はモノイド圏 C の ⊗ に対する(自然同型を除く)単位元であり、三つの射 α, λ, ρ はそれぞれ C における(自然同型を除く)結合律、左単位律、右単位律を与える射である。 モノイド圏 C におけるモノイド対象のことを、単にその圏の(内部)モノイドとも呼ぶ。これと双対的に、モノイド圏 C の余モノイド対象 (comonoid) は双対圏 Cop のモノイド対象を言う。 モノイド圏 C が対称(すなわち、自然同型を除く対称律を定める射 γ を持つ)ならば、C のモノイド対象 M が可換 (commutative) とは μ ∘ γ = μ となることを言う。 例
モノイド対象の圏モノイド圏 C の二つのモノイド対象 (M, μ, η) と (M′, μ′, η′) に対し、射 f: M → M′ がモノイド対象の射 (morphism of monoids) あるいはモノイド射 (monoid morphism) であるとは f ∘ μ = μ′ ∘(f ⊗ f) および f ∘ η = η′ を満たすときに言う。すなわち以下の図式
が可換となる。 圏 C における全てのモノイド対象とそれらの間の全てのモノイド射の成す圏をMonC などと書く[1]。この書き方で通常のモノイドの圏は Mon = MonSet と書ける。 関連項目
参考文献
外部リンク
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