マリアナ・イスカンデル

マリアナ・イスカンデル
Maryana Iskander
ماريانا إسكندر
Photo of Maryana Iskander, smiling
2017年のイスカンデル
生誕 (1975-09-01) 1975年9月1日(49歳)
エジプトカイロ
国籍 アメリカ合衆国
出身校
職業 社会起業家、弁護士
受賞 スコール賞英語版 (2019年)

マリアナ・イスカンデル英語: Maryana Iskanderアラビア語: ماريانا إسكندر[ˌmæriˈænə ɪˈskændər];[1]1975年9月1日[2] - )は、エジプト系アメリカ人の社会起業家弁護士である。

2022年に、キャサリン・マー英語版の後任としてウィキメディア財団最高経営責任者に就任した。

過去には、ハランビー・ユース・エンプロイメント・アクセレーター英語版の最高経営責任者や、プランド・ペアレントフッド最高執行責任者を務めた経歴を持つ。

生い立ち

エジプトのカイロで生まれる。4歳の時に家族とともにアメリカ合衆国のテキサス州ラウンドロックに移住した[3]。1997年にライス大学社会学の学位を取りmagna cum laudeで卒業した[3]。その後、ローズ奨学制度を使い1999年にオックスフォード大学のMaster of Science(MSc)を取得[3]、また、Rhodes Association of Womenを設立した。2003年にはイェール・ロー・スクールを卒業している[3]

経歴

オックスフォード大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社しアソシエイトとして働く。その後イェール・ロー・スクールを卒業すると、シカゴの第7巡回区控訴裁判所ダイアン・P・ウッド英語版の書記や、ライス大学学長デイヴィッド・リーブロン英語版のアドバイザーを務めた。2年後、ライス大学を辞め、プランド・ペアレントフッドの最高執行責任者に就任[3]。また、WLゴア&アソシエイツの戦略コンサルタント、クラバス・スウェイン・アンド・ムーア英語版ビンソン・アンド・エルキンス英語版の法務担当も務めた[4]

プランド・ペアレントフッドを退社後、2012年に南アフリカのハランビー・ユース・エンプロイメント・アクセレーターの最高執行責任者に就任、2013年には同社の最高経営責任者となった。ハランビーは無職の若者を減らし定着率を向上させるため、雇用主と新卒労働者を繋ぐことに焦点を置いており、イスカンデルは雇用主が新卒労働者の採用や雇用継続に関し、慈善行為ではなく人材確保という視点を持つことを望んでいた[5]。容易に利用できる大きな労働者のプールを作り、それを使って若者が就職したことを証明することで、ハランビーはその努力と成果を測定することが可能であった[6]。ハランビーはイスカンデルがCEOを務める間に、2019年6月時点で若年労働者10万人に連携企業500社の雇用機会を与えた[7]

2021年9月14日、イスカンデルはウィキメディア財団の最高経営責任者に指名された(任期は2022年1月5日 - )[8]。彼女はインタビューで、就任後はウィキペディアのボランティアの編集に多様性を反映させることと、知識へのアクセスを支えるというウィキメディア財団のミッションを宣伝することが最優先事項であると述べている[9][10]

表彰

イスカンデルは、スコール賞英語版やイェール・ロー・スクールのDistinguished Alumnae Awardなど、様々な賞や地位を授与されてきた[11]。2002年には、「アメリカ合衆国の社会や文化、学術分野で重要な貢献をしようとしている」移民やその子供を対象とするPaul and Daisy Soros Fellowship for New Americans英語版[12]に選ばれた。また、ローズ奨学生ハリー・S・トルーマン奨学生英語版にも選ばれている。2006年、アスペン研究所英語版のヘンリー・クラウン・フェローズ(Henry Crown Fellows)およびアスペン・グローバル・リーダーシップ・ネットワーク(Aspen Global Leadership Network)の2006年クラスのメンバーになる[13]。そして、ハランビー・ユース・エンプロイメント・アクセレーターでは、スコール財団英語版[14]アメリカ合衆国国際開発庁[15]といった組織から賞や出資金を受けた。

関連項目

脚注

  1. ^ Maryana Iskander, Harambee Youth Employment Accelerator. Devex. 18 June 2019.
  2. ^ Who's who Among Students in American Universities and Colleges. 62. Randall Publishing Company. (1996). pp. 714. https://books.google.com/books?id=D-IrAQAAIAAJ 
  3. ^ a b c d e Maryana F. Iskander, 2001”. Paul & Daisy Soros Fellowships for New Americans. P'unk Ave. 2020年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月25日閲覧。
  4. ^ About Our Team”. Harambee. 2020年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月26日閲覧。
  5. ^ Conscious Companies awards applauds 2019 finalists”. IOL. Independent Media and affiliated companies. 2020年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月26日閲覧。
  6. ^ Harambee, Youth Employment Accelerator, winner in NGO's category”. Mail & Guardian. Mail & Guardian Online. (2019年5月24日). 2020年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月26日閲覧。
  7. ^ Youth-owned township businesses complain of market access barriers”. IOL. Independent Media and affiliated. 2020年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月26日閲覧。
  8. ^ Lima, Cristiano (2021年9月14日). “Wikimedia taps leader of South African nonprofit as its next CEO” (英語). Washington Post. ISSN 0190-8286. オリジナルの2021年9月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210914162044/https://www.washingtonpost.com/technology/2021/09/14/wikipedia-maryana-iskander-ceo/ 2021年9月14日閲覧。 
  9. ^ Wikipedia parent's new CEO wants to make it more global” (英語). The Seattle Times (2021年9月27日). 2021年10月8日閲覧。
  10. ^ ウィキペディアはネット上のデマとどう闘っているのか? 次期CEOに聞いた”. クーリエ・ジャパン (2021年10月30日). 2022年2月24日閲覧。
  11. ^ Yale honours CEO of South African youth employment accelerator”. The South African. Blue Sky Publications Ltd. (2018年2月9日). 2020年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月26日閲覧。
  12. ^ Maryana Iskander”. University of Arkansas Clinton School of Public Service Speaker Series. Clinton School. 2020年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月26日閲覧。
  13. ^ Maryana Iskander”. AGLN. The Aspen Institute. 2020年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年2月25日閲覧。
  14. ^ Skoll Awardees”. Skoll Foundation. Skoll Foundation. 2020年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年3月18日閲覧。
  15. ^ USAID Announces $18.4 Million in Support of Cutting Edge Innovations”. USAID. USAID. 2019年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年3月18日閲覧。

外部リンク