ホラーアクションRPG ハンターズ・ムーン「ホラーアクションRPG ハンターズ・ムーン」は、日本のテーブルトークRPG作品のシリーズ。作者は齋藤高吉・冒険企画局。新紀元社から2010年2月に発売された。 概要河嶋陶一朗の考案による汎用のTRPGシステム「サイコロ・フィクション」を使用した第3弾の作品。前半がリプレイパート、後半がルールパートの構成をとる。「喰うか、喰われるか」がテーマとなっており、プレイヤーは、日本の都市を舞台に、モノビーストと呼ばれるモンスターを狩るハンターとなって冒険をする。モノビーストは夜に現われて人間を食料とし、普通の人間の眼には見えない。彼らは不死身だが、満月の夜だけは傷つけ倒すことができる。ハンターたちは、モノビーストを狩り、その肉体を食べることで特殊能力を身につける。 プレイヤーキャラクタープレイヤーは、ハンターと呼ばれるキャラクターを作成する。ハンターは特殊能力を持ち、人間を狙って出現するモノビーストを探し、戦闘を行なう。 履歴プレイヤーキャラクター(PC)がなぜハンターになったのかを決めるのが履歴である。種別は以下の通り。
武器ハンターたちの武器は以下のように大別されており、PCはこのうちのいずれかを選ぶことになる。 2巻で3つの新武器が追加され、全9種類となった。
なお、ハンターが携行する武器の種類によっては目撃されると社会的問題を引き起こす可能性がある。一般人にはモノビーストが見えないため、人喰いの怪物に対する抵抗手段という釈明が通用しないためである(#ハンターキラーも参照)。 アビリティゲーム中に使う技や能力のこと。誰でも取得できる「汎用」、装備している「武器」によるもの、そしてモノビーストに由来する「異形」の3種がある。 異形アビリティを使用する際は体に奇妙な器官が生じるが、平時は普通の姿に戻ることができる。そして、倒したモノビーストの肉を食べることで新たなアビリティを得、PCを強化できる。 逆にハンターが戦死した場合、モノビーストはその肉を喰らって犠牲者の異形アビリティを得る。 2巻では異形アビリティを全解放する「異形化」ルールが追加された。戦闘能力は向上するが、肉体への負担も大きい。 ハンターキラー2巻で追加された、ハンターと敵対する人間たちの総称。モノビーストの存在を知った上でハンターを妨害する「接触者」と、モノビーストを視認できずハンターのみを問題として干渉してくる「非接触者」の2種類がいる。 戦闘中は独自の「凶気アビリティ」を使用してハンターに攻撃を仕掛けてくるが、ハンターキラー自身もモノビーストの攻撃対象になりえる。 行為判定六面体サイコロを2つ(2D6)使用する上方判定。 ゲーム中、ある行為の成否を判定するとき、ゲームマスター(GM)は特技表の中からふさわしい特技を指定する。判定を行うキャラクターが指定された特技を持っているとき、目標値は5となる(成功確率83%)。 指定された特技がなければ、自分の持っている特技で代用できる。この場合、両特技が表の中で何マス離れているかを数え、その数を目標値に加える(それだけ難度が増す)。 ゲームの進行本ゲームでは、プレイヤーの行動を均等にするために、「サイクル」という概念を使用する。各プレイヤーは1サイクルにつき1回、主要な行動を取ることができる。 具体的にどんな行動が可能かは、その時の「フェイズ」による。本ゲームでは、最初に「遭遇フェイズ」を行い、その後「追跡フェイズ」と「戦闘フェイズ」を3回繰り返す。 遭遇フェイズキャラクターが敵となるモノビーストと遭遇するフェイズ。1サイクルで終了する。 ここでPCの初期【感情】の属性が決まる。属性には怒りと恐怖の2種があり、戦闘時のダメージのやり取りにかかわってくる。 追跡フェイズPCがモノビーストを追いかけるフェイズ。セッション中に日暮れ・真夜中・夜明けの3度発生する。それぞれ1サイクルで終了。 まず、GMは次に起こる戦闘フェイズのロケーションと、モノビーストが取る行動を決定する。プレイヤーはそれに応じて「妨害」や「練習」などの行動を取る。行為判定に用いる特技はランダムに決める。 戦闘フェイズモノビーストとの戦闘を行うフェイズ。やはり日暮れ・真夜中・夜明けの3度発生し、最後のものを特に決戦フェイズと呼ぶ。戦闘時のサイクルは「ラウンド」と呼ばれ、1戦闘は基本的に3ラウンドからなる。 攻撃アビリティの効果で発生したダメージは、まず目標の【モラル】を減少させる。【モラル】が0になった上で、受けたダメージが設定された基準値を越えると、部位ダメージが発生して「身体部位」に相当する特技が使えなくなる。その場合、表の中で使用不能部位のまわりに配置された特技もまた使えなくなる。 戦闘の影響で【感情】が上昇して10、20、30のいずれかになると暴走状態に陥る。このとき属性が怒りであれば、与えるダメージと被るダメージがともに増加する。恐怖であれば、ダメージ・被ダメージともに減少する。 3ラウンドが経過してモノビーストが撤退するか、ハンターが全員逃走すると、戦闘フェイズは終了する。暴走した場合、戦闘終了時に属性が反転する。 決戦フェイズ最後の戦闘を行うフェイズ。ここではモノビーストは撤退しない。また、決戦フェイズで部位ダメージを受けた場合、死亡判定を行う。 リプレイプレイヤーキャラクター(PC)の死傷が起きやすいルールであり、リプレイにもその点が書かれている。プレイヤーがルールを把握しきる前に行われた最初のセッションでは、キャラクターの能力が調整不足でパーティが全滅しそうになり、再挑戦をしている。 降り注ぐ死お化けが見える中学生4人が行った肝試し。それが正真正銘の人喰いの怪物との遭遇だとは、その時は誰も思っていなかった……気づいたときにはもう遅すぎた。
殺戮連鎖アルドル討伐より3年。世界各地でハンターが大挙して行方不明になる事件が多発していた。「ピット(奈落)」と呼ばれる事件現場一帯でハンターたちを待つものとは。
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