ブーティリシャス
「ブーティリシャス」(Bootylicious)は、デスティニーズ・チャイルドのシングル。3rdアルバム『サヴァイヴァー』(Survivor)(2001年5月)からの2枚目のシングルとして2001年5月に発売され、Billboard Hot 100でチャート1位(グループとして1位を獲得したシングルの4枚目)、UKチャートでも2位を獲得する大ヒットとなった[1][2]。 「ブーティリシャス」は、スティーヴィー・ニックスのヒット・シングル「エッジ・オブ・セブンティーン」(1981年のアルバム『麗しのベラ・ドンナ』("Bella Donna")に収録)の特徴的なギターリフが、イントロから曲全体にわたってサンプリングされており、アルバムの中でも先鋭的な楽曲として注目された[3]。 曲の制作に関わったメイン・ボーカルのビヨンセは、日本に向かう飛行機の中で聴いた「エッジ・オブ・セブンティーン」のギターリフから、セクシーで肉感的な女性のイメージが湧き、女性の曲線美を讃える歌を書きたくなったと2009年のコンサート「アイ・アム…ユアーズ」("I Am... Yours")で語っている[4]。曲調については、「ジャズっぽい曲ね。そう、オールドスクールっぽいサウンドでとっても新鮮でしょう。こういうサウンドは今どこにもないわよ。ジャズ・スキャットもやっているんだけど、これも新しい試みね。マイケル・ジャクソンっぽいパートもある。いろんな要素が入った曲よ。とっても楽しいパーティー・ソングね」とアルバム発売時に紹介している[3]。 「ブーティリシャス("Bootylicious")」という言葉は、"booty"(お尻)と "delicious"(美味しい)が合わさったスラングで、「美味しそうな、そそるような、むっちりしたお尻」「セクシーで魅惑的なお尻」といった意味を持つ。この言葉を最初に楽曲の中で使ったのはラッパーのスヌープ・ドッグで、「ファック・ウイズ・ドレー・デイ(アンド・エヴリバディズ・セレブレイティン)」("Fuck wit Dre Day (And Everybody's Celebratin') ")」(1992年のアルバム『ザ・クロニック』("The Chronic")に収録)の中で歌われているが、デスティニーズ・チャイルドの「ブーティリシャス」のヒットにより、作詞をしたビヨンセを象徴する言葉として認知度が広がり、辞書にも載るようになった[5]。 ビヨンセは、お尻が大きく、当時少し太ってしまった自分の体型のコンプレックス(業界内の価値観では細身が好まれているため)を逆手にとりながら、「おしりの大きいのはいいことだって言葉("Bootylicious")の響きがおもしろい」と思って歌詞を書いたと動機を語っている[5]。 ミュージック・ビデオマシュー・ローストン監督のミュージック・ビデオのDVDは、デスティニーズ・チャイルドのベストアルバム『ナンバーワンズ』に収録されているが、ビヨンセが、「マイケル・ジャクソンっぽいパートもある」と言うように、MVの中では、マイケル・ジャクソンがテレビの特別番組「モータウン25:イエスタデイ、トゥデイ、フォーエバー」(" Motown 25: Yesterday, Today, Forever"」で披露した「ビリー・ジーン」のダンス・パフォーマンス(斜に構えて被っていた帽子を投げる振付)や、マイケルの「スリラー」、「今夜はビート・イット」、「バッド」のMVのダンスの振付の数々や、マイケルがライブで見せた「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」のダンスの一部が散見される[1]。 MVの冒頭部では、スティーヴィー・ニックス本人が、サンプリングされた「エッジ・オブ・セブンティーン」のギターリフを演奏しながらカメオ出演している[1]。また、MVには、かなり肥った女性や、個性的な男性などが登場したりしているが、「ブーティリシャス」の歌詞を書いたビヨンセは、「女性にも男性にも、自分の欠点を受け入れて自分の身体を愛しなさいってメッセージを届けるようにしてるわ、要するに、自分の外見にこだわりすぎるべきじゃないと思うの。若い子たちにも『自分の個性を大切にすれば、自然と美しさが外に出てくるものよ』って話してるわ」と語っている[5]。 公式リミックス
脚注参考資料
外部リンク |