ブロナンセリン (英語 : Blonanserin ) は、大日本住友製薬 が開発した非定型抗精神病薬 の一種である。統合失調症 の治療薬として用いられる。
効能・効果は「統合失調症」とされている[ 2] 。日本では、2008年 4月より商品名ロナセン (Lonasen) で販売され、後発医薬品 も存在する。
2012年7月27日、大日本住友製薬は日東電工 と共同開発しているブロナンセリンの貼り薬 について、患者を対象にした第2相臨床試験 を始めたと発表した[ 3] 。2019年 (令和元年)6月18日に製造販売が承認され、9月4日に薬価収載、9月10日に発売された[ 4] [ 5] 。抗精神病薬の貼り薬は世界初となった[ 4] 。
特徴
第二世代抗精神病薬の一つに分類される。現在日本で発売されている第二世代抗精神病薬はSDA(セロトニン・ドーパミン・アンタゴニスト)と呼ばれているが、本剤はよりドーパミンに対する親和性が強いことからDSA(ドーパミン・セロトニン・アンタゴニスト)とも呼ばれている。
禁忌
以下の患者では禁忌である[ 2] 。
昏睡状態の患者
中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
アドレナリンを投与中の患者
アゾール系抗真菌剤を投与中の患者
副作用
添付文書に記載されている重大な副作用は、悪性症候群 、遅発性ジスキネジア 、麻痺性イレウス、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH) 、横紋筋融解症、無顆粒球症 、白血球減少、肺塞栓症、深部静脈血栓症、肝機能障害である。
また5%以上の患者にパーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎過多、寡動、運動緩慢、歩行障害、仮面様顔貌など)、アカシジア(静坐不能)、ジスキネジア(構音障害、嚥下障害、口周部・四肢などの不随意運動など)、便秘、食欲不振、悪心、プロラクチン上昇、倦怠感、口渇、脱力感が生じる。
種類
錠剤:2mg、4mg、8mg
散:2%
貼り薬:20mg、30mg、40mg
脚注
出典
^ a b c Wen, YG; Shang, DW; Xie, HZ; Wang, XP; Ni, XJ; Zhang, M; Lu, W; Qiu, C; Liu, X; Li, FF; Li, X; Luo, FT (March 2013). “Population pharmacokinetics of blonanserin in Chinese healthy volunteers and the effect of the food intake”. Human Psychopharmacology 28 (2): 134-141. doi :10.1002/hup.2290 . PMID 23417765 .
^ a b “ロナセン錠2mg/ロナセン錠4mg/ロナセン錠8mg/ロナセン散2% 添付文書 ” (2015年4月). 2015年5月12日 閲覧。
^ “世界初、統合失調症の貼り薬 大日本住友と日東電工が本格試験へ” . 産経新聞 . (2012年7月27日). https://web.archive.org/web/20120727224831/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120727/biz12072719290030-n1.htm 2012年7月29日 閲覧。
^ a b “非定型抗精神病薬「ロナセンテープ」新発売のお知らせ | IRニュース | 株主・投資家の皆さま | 大日本住友製薬株式会社 ”. www.ds-pharma.co.jp . 大日本住友製薬 (2019年9月3日). 2020年1月11日 閲覧。
^ 日経メディカル (2019年9月20日). “統合失調症を治療するSDAに初の貼付薬が登場 ”. 日経メディカル . 日本経済新聞社. 2020年1月11日 閲覧。
外部リンク