ブラックベリー (企業)

ブラックベリー・リミテッド
BlackBerry Limited
ブラックベリー本社
(カナダ・ウォータールー)
種類 公開会社
市場情報 TSX:BBNASDAQ: BBRY
本社所在地 カナダの旗 カナダ
オンタリオ州ウォータールー
北緯43度28分34.2秒 西経80度32分25秒 / 北緯43.476167度 西経80.54028度 / 43.476167; -80.54028
設立 1984年
業種 通信業
事業内容 BlackBerry端末、BlackBerryネットワーク及びサーバの販売、保守
代表者 トールステン・ハインズ(CEO
売上高 110億ドル
決算期 2月
外部リンク https://www.blackberry.com/ja/jp
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ブラックベリー・リミテッド: BlackBerry Limited)は、カナダの企業向けMobile Device Management(携帯端末管理ソフトウェア)および通信機器メーカー。旧社名はリサーチ・イン・モーション・リミテッド(Research In Motion Limited)。

モバイル・メール端末のBlackBerryで知られ、同端末の総加入者数は、2010年度の第1四半期に4,700万人を超えた。しかしスマートフォン市場での競争が激化する中、2012年第4四半期の同社の市場シェアは世界市場で3.4%、米国市場では2%にまで落ち込んだ[1]

2013年1月30日に、スマートフォンのブランド名に合わせて、会社としても今後は世界中でブラックベリー(BlackBerry)の名称を用いることを明らかにし[2]、7月9日の株主総会決議により正式に変更された[3]

事業

主な事業は、企業向けMobile Device Management(携帯端末管理ソフトウェア)、及びそれに伴う独自のネットワークサービスの提供、また、車載システムなどに使われる組み込み向けソフトウェアプラットフォームQNXの提供である。ブラックベリー自体は携帯電話事業者ではないが、NTTドコモ(以下、ドコモ)等の世界各地の通信事業者の3G及びGSMGPRS)のネットワークを直結し、企業向けソリューションとしてのBlackBerry Unified Endpoint Managementの販売やISPメール、POPIMAPメールやWebメールAndroidiOSWindows Mobileなど各種携帯端末へのプッシュ型電子メールを提供するサービスの提供を行っている。2010年4月、組み込み向けソフトウェアのQNX社を買収し、自動車の車載システム提供事業にも進出している[4]。2013年には、Meta (企業)(当時の社名は Facebook)による買収の可能性を探っていた[5]

2015年9月に法人向けモバイル管理のグッド・テクノロジーを買収し[6]、法人向けサービスを統合。2016年9月には端末の自社生産から撤退[7]、同12月にAndroid端末の製造について中国TCLにBlackBerryブランドをライセンスすると発表[8]AndroidiOSWindows MobileWindows 10macOSなど広範な携帯端末に対応する企業向け携帯端末管理ソリューションを提供している。

車載システム向け組み込みソフトウェアプラットフォームのQNX事業では、2015年1月にすでに車載情報システムをマイクロソフト製からパナソニック提供のQNXに変更していた米フォード・モーター[9]、2016年10月に提携を発表[10]、2016年12月には自動運転車開発に1億カナダドルを投資すると発表した[11]

2022年、モバイルデバイスなどに関する全ての特許資産を、総額6億ドルで売却することを発表。主力となった自動車向けソフトウェア基盤や企業向けセキュリティに注力することとなった[12]

日本への参入

日本法人はブラックベリー・ジャパン株式会社BlackBerry Japan Limited)。

ドコモを通じ、同社製のモバイル情報端末BlackBerry 8707hBlackBerry BoldBlackBerry Bold 9700BlackBerry Curve 9300BlackBerry Bold 9780や企業向けサーバであるBlackBerry Enterprise Serverの販売を行っていた。ドコモは2014年5月からグッド・テクノロジーの販売代理店にもなっていたため[13]ブラックベリーによるグッド・テクノロジー買収後も両社製品が統合された企業向けサーバ製品の販売を継続している。

2016年12月現在、ドコモ以外の企業向けサーバ製品の販売代理店には、新明和ソフトテクノロジ(新明和工業のグループ会社)[14]菱洋エレクトロ三菱電機の関連上場会社)[15]、株式会社チェンジ等がある。

また日本で独自の仕様としてはドコモのキャリアメールであるiモードメールに対応させるべく、当初はiモード.netを利用し、2010年には(spモードメール)に対応させ、iモード絵文字なども利用可能となっていたが、その後、同社の企業向けサーバはAndroidiOSWindows MobileWindows 10macOS等のOSを搭載した携帯端末に対応する汎用製品となり、BlackBerry端末独自の仕様や、日本独自の仕様は無くなっている[16]

歴史

製品

型番8000番台以降の機種は以下のとおり。

機種 型番 特徴
Pearl 8100 - 8110 - 8120 - 8130 SUREキーボード
Pearl Flip 8220 - 8230 2つ折タイプ(SUREキーボード)
88XX 8800 - 8820 - 8830
87XX 8700c - 8700r - 8700f
8703e
8707g - 8707h - 8707v
Curve 8300 - 8310 - 8320 - 8330 - 8350 - 8900 - 8520 - 9300 2G版スタンダードモデル
Curve 3G 9300 - 9330 3G版エントリーモデル
Bold 9000 - 9650 - 9700 - 9780 - 9900/9930 RIMフラッグシップモデル
Storm 9500 - 9510 - 9520 - 9530 - 9550 タッチパネルモデル
Tour 9630 3G版スタンダードモデル
Style 9670 折りたたみ+QWERTYキーボード搭載端末
Torch 9800 - 9810 - 9850/9860 タッチパネルと縦スライドキーボードを組み合わせたタイプ。9850/9860はタッチパネルモデル
PlayBook BlackBerry PlayBook 7インチ画面を搭載した、タブレットPC型 BlackBerry端末

OSであるBlackBerry 10を搭載している機種は以下のとおり。

機種 型番 特徴
Z10 BlackBerry Z10 マルチタッチジェスチャーを採用したタッチパネルスマートフォン
Q10 BlackBerry Q10 QWERTYキーボード搭載端末
Leap BlackBerry Leap QWERTYキーボードの無い端末
Classic BlackBerry Classic 3.5インチタッチディスプレイを持つQWERTYキーボード搭載端末
Passport BlackBerry Passport 4.5インチ正方形タッチディスプレイを持つQWERTYキーボード搭載端末

Androidを搭載している機種は以下のとおり。

機種 型番 特徴
Priv BlackBerry Priv 5.4インチタッチディスプレイを持つQWERTYキーボード搭載端末
DTEK50 BlackBerry DTEK50 5.2インチタッチディスプレイを持つQWERTYキーボードの無い端末
DTEK60 BlackBerry DTEK60 5.5インチタッチディスプレイを持つQWERTYキーボードの無い端末
KEYone BlackBerry KEYone 4.5インチタッチディスプレイを持つQWERTYキーボード搭載端末
KEY2 BlackBerry KEY2 4.5インチタッチディスプレイを持つQWERTYキーボード搭載端末
KEY2 LE BlackBerry KEY2 LE 4.5インチタッチディスプレイを持つQWERTYキーボード搭載端末、エントリーモデル

脚注

  1. ^ 加RIMが「BB10」発表、ブラックベリーに社名変更し再出発”. ロイター (2013年1月31日). 2013年1月31日閲覧。
  2. ^ Research In Motion Changes Its Name to BlackBerry”. Research In Motion Limited (2013年1月30日). 2013年2月2日閲覧。
  3. ^ BlackBerry Legal Entity Name Change”. 2013年9月22日閲覧。
  4. ^ RIM buys QNX unit from Harman - IT World Canada (2010年4月9日)
  5. ^ “ブラックベリー買収は愚かな選択”. ニューズウィーク日本版(2013年11月12日号). 阪急コミュニケーションズ. (2013-11-06). p. 23. 
  6. ^ BlackBerry、過去の訴訟相手を買収へ 法人モバイル管理を強化 日経ITPro (2015年9月7日)
  7. ^ ブラックベリー、スマートフォン生産を正式打ち切り ブルームバーグ
  8. ^ BlackBerryがスマホ生産から撤退、今後はソフトウエアに注力 日経ITPro
  9. ^ MSからパナとQNXが奪取 フォードの次世代情報端末 - 日経テクノロジー (2015年1月8日)
  10. ^ BlackBerry Signs Agreement with Ford Motor Company for Expanded Use of BlackBerry's QNX and Security Software - Market Wired (2016年10月31日)
  11. ^ BlackBerry Accelerates Push Into Tech for Self-Driving Cars - The Wall Street Journal (2016年12月19日)
  12. ^ BlackBerry、総額約686億円でスマホ関連特許をすべて売却へ--モバイル事業から完全撤退”. cnet (2022年2月3日). 2022年2月16日閲覧。
  13. ^ a b 米国MDM大手が日本法人設立、NTTドコモが販売代理店に 日経ITPro
  14. ^ 新明和ソフトテクノロジ ブラックベリー製品紹介ページ
  15. ^ 菱洋エレクトロ グッド・テクノロジー製品紹介ページ
  16. ^ BlackBerry Enterprise Customers Migrate to Good Secure EMM Suites - Market Wired (2016年4月1日)
  17. ^ BISサービスを開始 NTTドコモ報道発表
  18. ^ NTTドコモ報道発表資料
  19. ^ 「docomo PRO series BlackBerry Bold」に新色を追加<2009年11月6日 ドコモ報道発表資料>
  20. ^ BlackBerry app World日本語版
  21. ^ 2010年夏モデルに20機種を開発および一部機種を発売
  22. ^ 「ドコモ スマートフォン BlackBerry Bold 9700」を発売<2010年7月26日NTTドコモ報道発表>
  23. ^ RIM日本法人、機能限定版サーバーソフトを無償提供(ケータイwatch)
  24. ^ 「BlackBerry App World 2.0」が登場、ID機能など追加
  25. ^ 「ドコモスマートフォン LYNX 3D SH-03C」「ドコモスマートフォン BlackBerry Curve 9300」「HW-01C」発売開始<2010年11月25日>NTTドコモ報道発表資料
  26. ^ 「ドコモ スマートフォン BlackBerry Bold 9780」を発売<2011年6月22日>NTTドコモ報道発表資料
  27. ^ 2011-2012冬春モデルの2機種を発売「ドコモ タブレット MEDIAS TAB N-06D」、「docomo NEXT series BlackBerry Bold 9900」-<2012年3月27日>
  28. ^ BlackBerry撤退報道、ドコモとBlackBerry日本法人がコメント - ケータイ Watch 2013年2月8日
  29. ^ BlackBerry、過去の訴訟相手を買収へ 法人モバイル管理を強化 -<2015年9月7日>日経ITPro
  30. ^ Good Work - NTTドコモ法人向けサイト
  31. ^ U-mobile、物理キー搭載Androidスマホ『BlackBerry PRIV』を販売開始 - Engadget日本版
  32. ^ BlackBerry、日本で法人向けソフトウェア事業を再始動 -<2016年7月27日>ビジネスネットワーク.jp
  33. ^ ブラックベリー、スマートフォン生産を正式打ち切り -<2016年9月29日>ブルームバーグ
  34. ^ Unveiling a Comprehensive Mobile-Security Platform for the Enterprise of Things - <2016年12月8日>BlackBerry社公式ブログ(英文)
  35. ^ BlackBerry Secures Global Smart Phone Software and Brand Licensing Agreement with TCL Communication - MarketWired (英文)
  36. ^ BlackBerry、ソフトウェアおよびブランド・ライセンスでTCL Communicationと合意 - <2016年12月19日>エキサイトニュース

関連項目

外部リンク