ブライアン・カルロス・カスターニョ(Brian Carlos Castaño、1989年9月12日 - )は、アルゼンチンの男性プロボクサー。ブエノスアイレス州イシドロ・カサノバ(英語版)出身。元WBO世界スーパーウェルター級王者。元WBA世界スーパーウェルター級レギュラー王者。マネージャーはアル・ヘイモン。
来歴
アマチュア時代
2009年、イタリアのミラノで開催された2009年世界ボクシング選手権大会にウェルター級(69kg)で出場し、2回戦でジャック・クルカイに敗退した[1]。
2012年、ロンドンオリンピック予選にウェルター級(69kg)で出場するも準々決勝で敗退した[2]。
プロ時代
2012年9月22日、ブエノスアイレスのエスタディオ・ルナ・パルク(スペイン語版)でアレハンドロ・アントニオ・ドミンゲスと対戦し、4回TKO勝ちを収めデビュー戦を白星で飾った[3]。
2016年11月26日、ブエノスアイレス州ゴンサレス・カタン(英語版)のポリデポリティーボ・フアン・ドミンゴ・ペロンでWBA世界スーパーウェルター級9位のエマヌエル・デ・ヘススとWBA世界スーパーウェルター級暫定王座決定戦を行い、6回2分23秒KO勝ちを収め、暫定ながら王座獲得に成功した[4][5]。
2017年7月1日、フランスのオート=サヴォワ県エヴィアン=レ=バンでWBA世界スーパーウェルター級2位のミッシェル・ソロと対戦し、12回2-1(115-113×2、112-116)の判定勝ちを収め初防衛に成功した[6][7][8]。
2017年10月28日、WBAはデメトリアス・アンドラーデのレギュラー王座返上に伴いカスターニョを暫定王者からレギュラー王者に昇格させた[9][10][11]。
2018年3月10日、オー=ド=セーヌ県ブローニュ=ビヤンクールのラ・セーヌ・ミュージカルででWBA世界スーパーウェルター級12位のセドリック・ビトゥと対戦し、12回TKO勝ちを収め2度目の防衛に成功した[12][13]。
2019年3月2日、ニューヨークのバークレイズ・センターにて元WBAスーパー・IBO世界スーパーウェルター級王者のエリスランディ・ララと対戦し、12回1-1(113-115、114-114、115-113)の判定で引き分けたが3度目の防衛に成功した[14][15]。
2019年6月20日、WBAからWBA世界スーパーウェルター級ゴールド王者のミッシェル・ソロとの指名試合を命じられていたが、交渉がまとまらず入札が実施された結果、ソロ陣営のユニベント・イベントが810,770ドルで入札したのに対してカスターノ陣営のTGBプロモーションズは350,000ドルを提示した為、ユニベント・イベントに落札を許した結果となり試合がフランスで開催されることが決定するも、ユニベント・イベントがファイトマネーの前払金を振り込まず、カスターノ陣営がVADAによるドーピング検査を要請していたにもかかわらずソロ陣営が拒否した為、カスターノは王座を返上した[16][17]。
2020年4月25日、WBO世界スーパーウェルター級王者パトリック・テシェイラとの対戦が決定していたが新型コロナウイルスの影響で試合延期になった[18]。
2021年2月13日、カリフォルニア州インディオのファンタジー・スプリングス・カジノでWBO世界スーパーウェルター級王者パトリック・テシェイラと対戦し、判定勝ちで王座獲得に成功した。この試合でカスターニョは106,750ドル(約1120万円)、テシェイラは12万5000ドル(約1310万円)のファイトマネーを稼いだ[19]。
2021年7月17日、テキサス州サンアントニオのAT&TセンターでWBAスーパー・WBC・IBFスーパーウェルター級王者ジャーメル・チャーロとの4団体統一戦に臨むも、12回1-1(114-113、111-117、114-114)で引き分けに終わり、4団体統一はお預けとなったものの、両者防衛に成功した形となった[20][21]。しかしこの試合は、競った好試合ながらカスターニョが勝っていたとの声が多く、チャーロに117-111を付けたジャッジのネルソン・バスケスは酷く糾弾された[22][23]。実際、米国スポーツメディア「The Athletic」のマイク・コッピンガー記者が自身のTwitter上で行ったアンケートでは、4,138票のうち実に89.3%がカスターノ勝利を支持(チャーロ勝利支持は10.7%)した[24]。
2022年2月16日、ジャーメル・チャーロとの再戦が3月19日に決まっていたが、カスターニョがトレーニング中に上腕二頭筋の裂傷を負ったために試合が延期となった[25]。
2022年5月14日、カリフォルニア州カーソンの ディグニティ・ヘルス・スポーツ・パーク・テニスコートでWBAスーパー・WBC・IBFスーパーウェルター級王者ジャーメル・チャーロとダイレクトリマッチを行い、10回に2度ダウンを奪われ、10回KO負けを喫し王座陥落した[26][27]。この試合でチャーロは100万ドル(約1億3千万円)、カスターニョは50万ドル(約6700万円)のファイトマネーを稼いだ[28]。
戦績
- アマチュアボクシング:191戦 181勝 5敗 5分[29]
- プロボクシング:20戦 17勝 (12KO) 2分 1敗
獲得タイトル
脚注
- ^ “15.World Championships - Milan, Italy - September 1-12 2009”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2018年6月30日閲覧。
- ^ “American Olympic Qualifier - Rio de Janeiro, Brazil - May 5-12 2012”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2018年6月30日閲覧。
- ^ Chaves retuvo el título en el Luna Park RING DE IDEAS WEB 2012年9月23日
- ^ Brian Castaño conquista cinturón interino Superwelter de la AMB ESPN 2016年11月27日
- ^ テイラーKOデビュー、坂井祥紀は判定負け Boxing News(ボクシングニュース) 2016年11月27日
- ^ Brian Castano Retains With Split Decision Over Michel Soro Boxing Scene.com 2017年7月1日
- ^ 欧州結果 ポベトキン、トロヤノフスキーら勝利 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年7月2日
- ^ Castano won in France WBA公式サイト 2017年7月3日
- ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2017年10月28日
- ^ There have been many changes on the October ranking WBA公式サイト 2017年10月28日
- ^ WBAランキング 村田諒太はじめ複数階級で新王者 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年10月30日
- ^ Castaño stops Vitu, retains WBA super welter title Fightnews.com 2018年3月10日
- ^ Castaño knocked out Vitu in France WBA公式サイト 2018年3月11日
- ^ Brian Castano retains WBA title after battling Erislandy Lara to a draw New York Post 2019年3月3日
- ^ カスターニョがドロー防衛、ララ王座返り咲き失敗 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年3月3日
- ^ Brian Castano Vacates WBA "Regular" Junior Middleweight Title Fightful 2019年6月20日
- ^ ロマチェンコvsキャンベルの3冠戦内定 クリチコ弟は地中海で危機一髪 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年6月26日
- ^ “Sergey Kovalev-Sullivan Barrera card canceled amid coronavirus outbreak”. ESPN.com (2020年3月18日). 2020年3月18日閲覧。
- ^ “Manouk Akopyan”. Manouk Akopyan (2021年2月13日). 2021年2月15日閲覧。
- ^ “チャーロ弟vs.カスターニョは熱戦ドロー S・ウェルター級4団体統一ならず”. Boxing News(ボクシングニュース) (2021年7月18日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ “Jermell Charlo, Brian Castano Fight To Split Draw in Fight Filled With Drama”. BoxingScene.com. 2021年7月22日閲覧。
- ^ “Nelson Vazquez judged almost 1000 fights, was 117-111 just a brain fart?”. World Boxing News (2021年7月20日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ “Charlo-Castano Was A Great Fight. It’s A Shame Nelson Vazquez Missed It”. BoxingScene.com. 2021年7月22日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/mikecoppinger/status/1416769733093900296”. Twitter. 2021年7月22日閲覧。
- ^ “Brian Castano (Biceps) Injured, Jermell Charlo Rematch Postponed at Least 4 Weeks”. Boxing Scene.com (2022年2月16日). 2022年6月14日閲覧。
- ^ Jermell Charlo wipes out Brian Castaño to unify all four world titles at 154lbs ガーディアン 2022年5月15日
- ^ チャーロがS・ウェルター級4団体統一 カスターニョとの熱戦に10回TKO勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2022年5月15日
- ^ “Per California State Athletic Commission, official contract purses from Saturday’s PBC card: Jermell Charlo $1M, Brian Castano $500k”. Dan Rafael (2022年5月16日). 2022年8月14日閲覧。
- ^ “Brian Castano Profile with News, Stats, Age & Height”. Sports Pundit. 2022年12月18日閲覧。
関連項目
外部リンク