フォーリナー『フォーリナー』は、堀蔵人が中心になって製作したファンタジーRPG(テーブルトークRPG)。1987年にホビージャパンからボックス版で発売された。 概要ゲームシステムのデザインはイワイヨシミ、世界設定はイシャー・ナイトと堀蔵人によって行われている。 ボックスアートは天野喜孝が担当している。 中世ヨーロッパ風の幻想世界を舞台にしたオーソドックスなスタイルのファンタジーTRPGであり、本格的な国産ファンタジーTRPGとしては二番目に発売された作品となる(国産初のファンタジーTRPGは1984年の『ローズ・トゥ・ロード』)。 ロール(行為判定)の形式が特徴的で、現在にいたってもその独自性は失われていない。 世界設定歴史『フォーリナー』の世界設定では、歴史の記述は少ない。この世界はまだ人間が現れる前、「火炎神エタビトク」「水界神ポッツヌン」「地母神エボンヌ」「天空神ドナ=レベン」という四大神と、四大神によって作り出された「火のスフィンクス」「水のマーメイド」「大地のドワーフ」「大気のエルフ」という四大種族がいたとされる。 今よりおおよそ320年前、最初の人類が別世界より『フォーリナー』の世界へと界渡りして現れた。例えば、古い遺跡を発掘した場合には、『フォーリナー』世界では「それは人間の造った物ではない」ことになる。 魔法界渡りによって現れた人間は、そのほとんどが「魔法使い」であった。100年ほどすると、人間は「この世界では魔法を使うことで、その場所での魔法の源が失われる」ということを発見した。 そして、有限である魔力の源を保護するために、一定以上に強力な魔法を使うことを禁止した。このことはルールにも反映されており、例えば大地の魔法を使う場合、山で使う場合よりも街で使う場合の方が、魔法成功値が20%も低くなる。 地理『フォーリナー』の世界設定では、地理の記述は非常に力が入れられている。気候区についてだけでも、「エスタリオル大陸」「ヴァナシュール大陸」という二大陸が24の気候区に区分されて、細かく紹介されている。さらに13の季節風、8の海流、7の土壌、25の火山が紹介されている。 都市『フォーリナー』世界最大の都市であるイスカルド1つのみが紹介されている。 その他国家については、まったく紹介されていない。国家単位での歴史、種族単位での歴史、有力人物などは、まったく紹介されていない。 システムロールロール(行為判定)の形式は、内容によっていくつかに分類される。いずれもサイコロとして10面ダイス(D10)を使用する。
キャラクターアトリビューションアトリビューション(能力値)として、CON(耐久力)・STR(筋力)・POW(精神力)・WIS(知性)・AGI(敏捷性)の5種類がある。 キャラクター作成では、5種類についてそれぞれ「D10を3個振り、そのもっとも小さい出目」がアトリビューションとなる。次にキャラクターはシューレ(修道所)に入門し、最大6回まで特定のアトリビューションを増加しようと試みることができる。 アライメントキャラクターは9種類のアライメント(元素)のいずれか1つを持つ。
人種キャラクターの人種は、基本となる人間の他に、ドワーフ・エルフ・ホビット・オークを選ぶことができる。 魔法王国シムルグント世界設定担当の堀蔵人は、『フォーリナー』発売の2年後に『RPG設定資料 魔法王国シムルグント』を出版している。しかし、これは『フォーリナー』と互換性のない世界設定資料である。 『フォーリナー』では、人間は界渡りによっておおよそ320年前に現れた種族であり、この世界で長い歴史を持たない。その一方、『魔法王国シムルグント』では、人間がこの世界で長い歴史を持ち、魔法技術を発展させてきた様子が書かれている。また、地図も『魔法王国シムルグント』ではまったく異なったものになっており、「アルス・マグナ全図」とされている。 出典および書籍一覧
関連項目 |