フィードバック奏法フィードバック奏法(フィードバックそうほう)とは、エレクトリックギターを演奏する際、フィードバックによって生じる発振音(ノイズ)を、楽音として積極的に取り入れる奏法をいう。単に「フィードバック」と称することも多い。本来はギターが発していない「キーン」、「ギーン」、「ヒューッ」といった音が生じる。一種の効果音でありハードロックやヘヴィメタルなどで特に多用される。 本来は演奏に有害であるとされる場合もあり、いわゆるノイズミュージックにも用いられるテクニックである。 近年ではフェルナンデスのサスティナーの様に、小音量でもフィードバックを得られる(ギターの内部でフィードバックと同様の効果を発生させる)デバイスが開発される等、フィードバックの更なる音楽的な進化が続いている。 電気弦楽器におけるフィードバックエレクトリックギターやエレクトリックベースなどの電気弦楽器は、楽器単体で弦振動を演奏音へ増幅する機構を持たず、ピックアップにて弦振動を電気信号に変え、シールド線で接続されたアンプで増幅後、アンプに内蔵されたスピーカーから演奏音を発音する。フィードバックの発生原理は次の2種類がある。
いずれの発生原理も奏法への用法は明確に区別されておらず、実際のフィードバックも二つの発生原理の複合によって生じるが、磁気によるフィードバック音は弦振動を止めても持続するため、奏法によってはフィードバック途中にその音質を変えることができる。 なおエレクトリックベースでも原理的には発生するが、奏法として用いられることは少ない。 発祥ギターで使われる高音のフィードバック奏法は、イギリスのロックバンドであるザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼントがはじめて行ったというのが通説のひとつである。 ただしタウンゼント以前にも、アメリカのジャズやブルースのミュージシャンがフィードバックを使用していたという話もある。 フィードバック奏法の名手と言われるジミ・ヘンドリックスは、母国アメリカでの下積み時代からフィードバックを使用していたと言われるが、その当時まだザ・フーはレコードデビューしておらず、ヘンドリックスがザ・フーのサウンドを聴いていた可能性は非常に低い。 '60年代にはガボール・ザボとキース・レルフがフィードバック奏法の発明者として有名だったこともある。 ローリング・ストーンズもセカンドシングル、「彼氏になりたい」のB面「STONED」でフィードバックを取り入れている。 元ビートルズのジョン・レノンは「俺達はフーやヘンドリックスより前からフィードバックをやっていた」と語っている。 関連項目 |