ピーター・ウィンチ
ピーター・ウィンチ(Peter Guy Winch, 1926年1月14日 - 1997年4月27日)は、社会科学、ウィトゲンシュタイン研究、倫理学、宗教哲学に貢献したイギリスの哲学者である[1]。 ウィンチは、社会科学における実証主義への批判、コリンウッドとウィトゲンシュタイン以降の哲学を取り上げた著書『社会科学の理念』(1958年: The Idea of a Social Science and its Relation to Philosophy)の著者として有名である。 来歴
客員で務めた主な役職[2]
思想ウインチは1951年から1964年までウエールズ大学スウォンジー・カレッジの哲学の講師を務め[3]、そのとき同僚でウィトゲンシュタイン研究者のラッシュ・リーズとロイ・オランダから大きな影響を受けた。 1964年にロンドン大学バークベック・カレッジ、1967年にロンドンのキングズ・カレッジの哲学の教授に就任。その後、1980年から1981年にかけてアリストテレス協会の会長を務めた。そして、1985年にウィンチはアメリカに移りイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の教授に就任した。 ウィンチに大きな影響を与えたのは、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン、ラッシュ・リーズ、R・G・コリンウッド、シモーヌ・ヴェイユである。彼は「社会科学」という名前を冠した哲学の一形態を生み出したといえる。ウィンチはウィトゲンシュタインと個人的に知り合いではなかったが、親交のあったリースと同僚であった。ウィンチは、リースからシモーヌ・ヴェイユについての関心も受けた。 ほとんどの英米哲学者がウィトゲンシュタインに幻惑されていたとき、ウィンチのアプローチは際立っていた。彼の仕事の多くはウィトゲンシュタインの著作の誤読の指摘と関わっていたが、彼自身の哲学は、オックスフォード流の「言語学的」哲学に関する問題から、「生活の形態」(forms of life)と言語ゲームに関わるものであった。ウィトゲンシュタインの哲学を倫理と宗教の分野に取り入れるなかでは、ウィンチの独創性が見られる。 1958年に出版された初の著書「The Idea of a Social Science」は、後に多数の言語に翻訳され20世紀哲学の古典になった。[3] 著作
脚注
外部リンク |