ビーナスは片想い
『ビーナスは片想い』(ビーナスはかたおもい、英:Venus in Love)は、なかじ有紀による日本の漫画作品。『LaLa』(白泉社)にて、1999年4月号から2004年4月号まで連載された[2]。完結後に由樹と洵について描かれた特別編『Ωραιο!』が、同誌2004年6月号に掲載された。本作は同誌の1990年代の主な作品のひとつである[3]。兵庫県にある架空の大学・甲東大学での生活を中心に、芦原紗菜と魚住英知の関係が展開されている。 なかじが画業40周年を迎えた2022年の時点で、最長の作品である[4]。 あらすじ芦原紗菜は甲東大学への入学を機に、魚住英知と知り合う。英知の友人・深見慎哉に好意を抱く紗菜であったが、英知も深見のことが好きだと知る。紗菜は恋のライバルである英知と友好を深めるにつれ、英知に対する感情が変化していく。 登場人物
作風・テーマ本作は「性別を超えた恋愛」をテーマに描かれており[2]、ストーリーと絵柄の両方を売りとしている[5]。 なかじは本作を発表したことにより、世界的な躍進を遂げた[6]。本作もそうであるが、ほかに『ZIG☆ZAG』など、なかじの作品は学生をテーマとしており、若い読者をターゲットにした内容となっている[6]。 制作背景作者のなかじによると、「特に印象に残っているシーン」は「お互いに告白することもなく、戦友という立場でいかに自然にキスをするか」という部分に工夫を凝らしたという「英知と紗菜の初キスシーン」である[4]。「何かに抗ってジタバタしてる男の子が好き」ななかじの作品には「かわいい系の男の子」がメインの作品が多いが、中でも一番お気に入りのキャラクターとして本作の英知を挙げている[4]。 評価書評家のジョイ・キムによると、本作のなかじのキャラクターデザインは、典型的な少女漫画らしいスタイルとなっている[1]。画面のレイアウトがわかりやすく描かれており、快適に見られるため、同じ髪色の登場人物を区別することが困難な場合があっても、それは小さな問題に過ぎないという[1]。 書誌情報
出典
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