ビーグル B.206 バセットビーグル B.206 バセット
ビーグル B.206 バセット(Beagle B.206 Basset)は、ビーグル・エアクラフト社が開発した小型輸送機。イギリス空軍でも連絡機として利用された。 開発と設計1960年、ブリストル・エアクラフト社の計画(ブリストル220)としてツインエンジンの小型輸送機計画が始まった。しかし同社の合併が決まったため、社員は計画をビーグル社へ持って行った。1961年8月、最初の試作機(G-ARRM)の初飛行がウェスト・サセックス州のショアハム空港にて行われた[1]。この機体は座席数が5で全金属製の低翼機で、コンチネンタル社製のエンジンを2機積んでいた。この試作機は1990年にサリー州ウェイブリッジにあるブルックランズ博物館が取得し、ブリストル航空コレクションに貸し出されていた。また、2011年から17年まではハンプシャー州ファーンボローにあるファーンボロー航空科学基金博物館(FAST博物館)で展示されていた。その後、貸出契約が終了した2017年8月にブルックランズへ戻った。 2機目の試作機(G-ARXM)は1機目よりも少し大きく、座席も7席設置された。さらに航空省の試験のために2機が製造され、その後イギリス空軍から20機の注文が来た。空軍ではバセットCC.1という名称が与えられ、レスターシャー州のリーズビー飛行場内にある工場で生産された[1][2]。 最初の生産機にはロールス・ロイス社製のエンジンが使用され、1964年7月に初飛行した。第2シリーズにはコンチネンタル社製のターボチャージャー付きエンジンが使用され、65年7月に初飛行した[1]。またこの第2シリーズから大きな貨物扉が取り付けられた。この機体は主にエアタクシー業者に人気であり、オーストラリアのフライングドクター用にも3機が製造された[3]。 第3シリーズでは座席数を10席に増やしたが、飛行したのは2機だけだった。そのうち1機は風洞実験で使用された後に第2シリーズに転用され[4]、もう1機は生産中に設計変更がなされたのちブラジルへ売却された[5]。もう1機が製造途中であったが、模型だけにとどまり実際の飛行はなかった[6]。その後B.121 パップの製造ラインを開けるため、バセットの生産は79機で中止となった[7]。 軍用機としてB.206はイギリス空軍で連絡機として使用された。1963年3月にアブロ アンソンの後継機を決めるコンペが行われ、デ・ハビランド DH.104 ダブとの競争に勝利したB.206が20機の受注を獲得した。そして、1965年3月に連絡航空隊用の機体が引き渡された。この機体はロールス・ロイス/コンチネンタル社製のエンジンが2機取り付けられ、最高速度時速220マイル、航続距離1,645マイルを獲得した。また当該機には8名まで乗ることができた。 機体はワトフォードのボヴィンドン基地の南部連絡飛行中隊(SCS)に配備され、その後1969年2月にSCSが第207飛行中隊に変更された際にノースホールトへ移転した。その後1974年5月に退役し、民間機に転用された。 運用軍事運用民間運用性能諸元出典: British Civil Aircraft since 1919: Volume I [8] 諸元
性能
脚注
出典
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