ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け
『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』(ビリィ・ザ・キッドのあたらしいよあけ)は、1986年8月1日に公開された日本映画。監督は山川直人。上映時間109分。セゾングループ時代のパルコが配給を行った「PARCOムービー」の第1弾である。 概要山川直人監督の商業映画(35mm)デビュー作。「ワンセットだけで1本の映画を成立させたい」というアイデアを基に作られた。本作では「スローターハウス」という酒場での4日間を描いている(ただし、冒頭および最後のモニュメント・バレーのシーンだけは現地ロケである)。酒場の名前は、カート・ヴォネガットの小説『スローターハウス5』から取られている。ワンセットで制作されたことから会話劇中心となり、舞台装置などにも演劇的要素が多く見られる。また演劇関係者のキャスティングも多い。 原案は小説家の高橋源一郎で、『さようなら、ギャングたち』『虹の彼方に』『ジョン・レノン対火星人』などの作品から引用されている。また高橋は本人役として出演もしている。高橋の小説以外にも、様々な作品からの引用、オマージュ、パロディが全編に配されている。中でも『七人の侍』のパロディが多く、7人で店を守る設定やキャラクター造形にも反映されている。本作品の「宮本武蔵」は『七人の侍』の久蔵がモデルとなっているが、その久蔵のモデルの一人は宮本武蔵である。 高橋源一郎の他にも、当時活動していたガールズバンドのZELDAが、そのままバンド「ZELDA」として当時のメンバー全員で出演しており、主題歌と挿入歌を担当して劇中で歌った。 ストーリーモニュメント・バレーの荒野を、馬に逃げられたビリィ・ザ・キッドがとぼとぼ歩いている。快晴だ。ふと立ち止まり、あたりを見渡そうとした次の瞬間、彼は、奇妙な酒場「スローターハウス(屠場)」 に立っている。今まで歩いていたはずのモニュメントバレーは、彼の背後に大きくウォールペイントされているだけだ。 ビリィは店のマスターに早撃ちを披露し、用心棒として雇うよう掛け合うが、宮本武蔵の神業的居合抜きの前にはなんとも頼りない。マスターの一人娘テイタムに一目惚れしたビリィは、タダ働きのウェイターとしてなんとか雇ってもらう。愛妻家で芸術家のサンダース軍曹、詩人中島みゆき、念力を操る104、合体人間マルクス・エンゲルス、彼らはそれぞれ、修理屋、ウェトレス、レジ係、皿洗いとしてこの店で働いている。しかし、それらは仮の姿であり、彼らは「破壊」の二文字しか辞書に持たないギャングたちの来たるべき襲撃から店を守るため、マスターに雇われた用心棒たちなのだった。 スタッフ音楽キャスト
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