ビザ免除プログラム
ビザ免除プログラム(英語: Visa Waiver Program, VWP)は、特定の国の市民が、90日以内の観光・商用目的の場合にビザ(査証)なしでアメリカ合衆国への渡航を許可する、アメリカ合衆国連邦政府の査証プログラム。すべてのプログラムのすべての参加国は、先進国とされる高い人間開発指数(HDI, Human Development Index)を持つ高所得経済国である。 ビザ免除指定国アメリカ合衆国への入国を希望する渡航者が、VWPの下でビザ免除の資格を得るためには、国土安全保障長官が国務長官との協議の下に指定する"プログラム参加国"の市民でなければならない。指定国の永住権保持者は、別の指定国の市民権を持たない限り、資格を与えられない。プログラム参加国への指定基準は、移民国籍法の217項(c)で定められている(Title 8 U.S.C. §1187)[1][2] 。その基準はパスポートの安全性と非入国移住者ビザの非常に低い拒絶率に基づく(米国移住法と同様に移民国籍法217項(c)(2)(A)で指定される3%以内)。2015年4月現在、38か国がVWP参加国に指定されており[3]、2016年4月1日より、参加国にはバイオメトリック・パスポートの取得が必須条件となった。 欧州(32)
アジア(6)
南米(1)
オセアニア(2)
ギリシャは、2004年5月1日の参加国拡大前の欧州連合15か国中、米国入国にビザが必要な唯一の国であったが、2010年4月5日よりVWP適用となった。スロベニアは、新しく指定された10か国の中で、2008年11月17日の大量指定以前にVWPメンバーになった唯一の国である。 ビザ免除候補国以下の7の国と地域が候補国である。
グアム-北マリアナ諸島ビザ免除プログラム2009年11月28日より、 グアムと 北マリアナ諸島に45日以内滞在する場合に限り、グアム-北マリアナ諸島ビザ免除プログラムが利用できる[5]。対象国籍は以下の通りである。
このプログラムを利用する場合、ESTAの申請は不要であるが、I-736[7](事前にオンライン登録をしたものを印刷するか、機内で用紙を入手し記入)を提出する必要がある。I-94は2018年1月より提出が不要になった。また、 中国国籍者は北マリアナ諸島のみ、45日以内の臨時入国許可が出る[8][9]。 アメリカ領サモアへの入国アメリカ領サモアは、アメリカ本土とは異なる独自の出入国管理制度を行っており、米国市民権保有者であってもアメリカ領サモアへの渡航の際にはパスポートが必要となる。 アメリカ領サモアの自治政府は、米国市民権保有者とビザ免除指定国の国籍者及び カナダ、 パラオ、 ミクロネシア連邦、 マーシャル諸島の国籍者に対しては30日間のビザ免除措置を行っており、その他の国の国籍者に対しては到着時に入国許可証(Entry permits)を発行している[10][11]。 その他のビザ免除国VMP参加国ではないが、二国間の協定や自由連合盟約などの理由により以下の8つの国と地域は米国のビザが免除されている。
テロリスト渡航防止法の施行に伴う改定2016年1月21日、テロリスト渡航防止法(Terrorist Travel Prevention Act of 2015)の施行に伴ってビザ免除プログラムの改定が行われた。この改定によって、イラク、イラン、スーダン、シリア、リビア、ソマリア、イエメン、北朝鮮[12]の8箇国に2011年3月1日以降渡航または滞在したことがある者、及びこれらの国々との二重国籍者はビザ免除プログラムの対象外となった。ただし、公務や人道支援活動、報道、合法的な商用目的などでこれらの国々に入国した場合は、事前審査を経た上で引き続きビザ免除プログラムの対象となることがある[13]。 取り消し連邦政府は、ビザ免除の適格性をいつでも取り消すことができる。通常これは、ある国の市民が米国での不法労働や不法な滞在延長など、VWPの制約に違反する可能性が高い、と連邦政府が判断した場合に行われる。以下は取り消しの実例。
出典
関連項目
外部リンク |