1992年の長編第三作『マルメロの陽光』は画家のアントニオ・ロペス・ガルシアについてのドキュメンタリーであり、カンヌ国際映画祭では審査員賞と国際映画批評家連盟賞を受賞した。2002年には、数人の監督がそれぞれ10分の短編を監督したオムニバス映画『10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス』に参加。ジェフ・アンドリューはTime Out Film Guide誌で、『10ミニッツ・オールダー』におけるエリセの作品を「実に見事である」と称賛し、「もっと頻繁に作品を撮ってくれるといいんだが」と付け加えた。スペイン国内外でのエリセの作品の評価は、ほぼ全会一致で熱狂的である。2007年にはポンピドゥー・センターで[3]、アッバス・キアロスタミ監督との映像による往復書簡『ビクトル・エリセ/アッバス・キアロスタミ、書簡』展が開催された。2010年にはカンヌ国際映画祭の長編部門審査員を務め、初めて映画を審査する側に回った[1]。