ヒャクニチソウ属
ヒャクニチソウ属(ヒャクニチソウぞく、学名:Zinnia)は、キク科の属。学名よりジニアとも呼ばれる[1][2]。 概要約15種が南北アメリカに分布し、その中心はメキシコにある[3]。カシミール・ゴメス・デ・オルテゴがマドリードのビュート侯爵夫人に送ったのがヨーロッパでの最初の紹介であった[4]。この時には淡紫の一重咲きの花がついた。その後1829年に赤が、1832年に白が開花した。八重咲きはフランスで作り出された。一代交配種が作られたのは1963年にアメリカで作られた品種「ファイアー・クラッカー」が最初。 属の学名はドイツ・ゲッティンゲン大学の医学、植物学教授だったヨハン・ゴットフリート・ジン(Johann Gottfried Xinn、1727 - 1759)に因んだものである[4]。同属植物は20種近くあり、一年草・多年草と亜灌木のものがあるが、日本で作られているものは総て一年草である。 性質一年生か多年生の草本が多く、一部は低木的になる[5]。葉は多くは対生で、輪生の種もある。普通は葉柄が無く、葉の縁は滑らか。枝先に単独で着く頭状花序は外側に舌状花があり、これは雌生、内側に筒状花を多数つけ、こちらは両性。このいずれも稔性がある。総苞は釣り鐘型からほぼ円形で、総苞片は3列から多列。痩果は三角形から扁平なものまである[3]。 草丈はヒャクニチソウでは60cmから1mくらいになるが、ホソバヒャクニチソウでは30cm足らずである。茎は直立し、葉は紡錘形で対生する。頭花は単生し、花色は非常に豊富で、赤・オレンジ・黄色・白・ピンク・藤色などがあり、複色花もある。 主な種
栽培家庭園芸において、タネから作るものとしては、最も強健で作りやすい草花の1つである。 発芽温度が高いので、東京付近でも4月下旬から5月ごろにまくのがよい。ダリア咲きのように、一袋のタネの粒数の多いものは、花壇に直接まいてもいいが、鉢や育苗箱などに、市販の園芸用土を入れてまき、5mmくらい覆土しておくと、数日で発芽する。花壇への定植は、株間を25cmくらいにする。日向または半日陰で、排水の良いところであれば、病虫害も少なく、7月から11月ころまで、文字通り100日以上花が楽しめる。種が出来る品種が多くあり、翌年以降は実生で楽しむことが出来るが、実生苗は自家受粉の株であっても親と同じ花になるとは限らず、多くの場合、親株とは違う花色になる。 利用家庭での仏花の自給用に多く作られ、また、性質が丈夫なので、学校花壇などにも良く植えられる。メキシコ百日草の矮性系品種は、鉢植えやプランターでも作ることができる。 他の植物と異なり、粉砕により葉の単細胞が容易に分離できるという性質があるため、実験生物として用いられている[1]。 画像脚注
参考文献
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