人口推移 年 人口 ±% 1951 35,838 — 1961 57,573 +60.6% 1971 76,580 +33.0% 1981 80,385 +5.0% 1991 90,579 +12.7% 2001 101,340 +11.9% 2011 112,789 +11.3% 2021(予測) 127,099 +12.7% 2031(予測) 137,572 +8.2% 出典 : ノルウェー統計局 [ 3]
バールム [ヘルプ /ファイル ] (ノルウェー語 : Bærum )は、ノルウェー のアーケシュフース県 にある基礎自治体 (以下、本稿では便宜上「市」と記述する)。行政の中心地はサンドヴィーカ町である。1838年 1月1日に新設された。オスロ の西の郊外にあたる。
住民一人あたりの所得[ 4] と大卒の割合[ 5] が全国で最も高い。市東部のオスロと接する地区は国内有数の高級住宅街で、文化人の地という固定観念が根付いている。ガバナンスと公共サービスの観点から、ノルウェーでもっとも住み良い街に選ばれたこともある[ 6] 。
基礎情報
地名
古ノルド語 の Bergheimr に由来する。初めの berg は山、heimr は農家という意味で、コルソース山 (Kolsås) のふもとの農家を指すとみられている。古ノルド語の時代、現在のバールムは Bergheimr 教区(もしくは地区)という意味で Bergheimsherað と呼ばれた[ 7] 。
紋章
現在の紋章は1976年1月9日に制定されたもので、緑にシルバーの石灰窯 が描かれている。中世 から1800年ごろまで、石灰 生産は重要な地場産業であった。市内ではいまもこのような窯が何箇所かみられる[ 8] 。
歴史
こんにちバールムと呼ばれる辺りは古来から肥よくな農地で、鉄器時代 の遺物も発見されている。1200年ごろのスヴェレ・シグルツソン のサガ に、初めてバールムの名がみえる。ハスルム (Haslum) とタヌム (Tanum) には12世紀の石造りの教会の廃墟が残る[ 9] 。
オスロのホルメンコーレンからバールムを望む
1030年から、この地はトロンハイム へ向かう巡礼の要衝になった。石灰窯 の存在は850年にすでに確認でき、ステペンデン (Slependen) とサンドヴィーカ (Sandvika) の港から石灰が輸出された。
17世紀には鉄鉱石 が発見された。数点の鉄製品がバールムス・ヴェルク (Bærums Verk) から見つかっている。リュサケール川 (Lysakerelven) とサンドヴィク川 (Sandvikselva) 流域では製紙、釘、製材、ガラス細工、レンガ造りなどが興った。農業も全域で展開され、いまでも当時の果樹園などを目の当たりにできる[ 9] 。ヨハン・フレドリク・エケシュベルグ(Johan Fredrik Eckersberg)が創立した市内の芸術学校からは、数多くの芸術家が巣立っていった[ 9] 。
20世紀の半ばから、市内では農地の宅地化が進んだ。現在、市内の宅地面積は64平方キロメートルにおよぶ一方、農地は17平方キロメートル近くに過ぎない[ 10] 。
2010年、その年のユーロビジョン・ソング・コンテスト が市内で開催された。
地理
オスロ・フィヨルド に臨む海岸線は岩がちで、北部と東部の丘陵には森林が広がる。コルソース山が自然の中核をなすが、市は人里はなれたロンメダーレン谷 (Lommedalen) をも管轄している。リュサケール川、サンドヴィク川、ロンマ川 (Lomma) 、オーヴェルランド川 (Øverlandselva) の四つの河川と数多くの湖沼がある。市の花はアネモネ・ラヌンクロイデス(イエロー・アネモネ)[ 7] 。
地質学上はオスロ地溝 にあたり、コルソース山では菱長石斑岩 がみられる[ 11] 。
市の総面積の3分の2近くを占める森林はスキー 、ハイキング 、釣り などの屋外アクティビティの機会を提供する。これはマルカ(大オスロ外縁の森林地帯)の一部と考えられ、バールムスマルカ (Bærumsmarka) やヴェストマルカ (Vestmarka) 、クロークスコーゲン (Krokskogen) などに分かれている[ 12] [ 13] [ 14] 。
最高峰は標高552mのヴィドヴァングショイダ (Vidvangshøgda) 。最大の湖は0.42平方キロメートルのストヴィヴァトネト (Stovivatnet) である[ 9] 。
経済
ノルウェー・エアシャトル本社
1950年代に建設された工業団地には小売、エンジニアリング、公共サービスなどのサービス業が入居する。市の税収はオスロのベッドタウン というその立地に大部分を依存している[ 7] 。
市内には国内でもっとも渋滞しやすい、E18とE16の各欧州自動車道路 と鉄道が一路線通る。E18号沿線ではリュサケール地域を中心に最近数十年、オフィスビルの開発が続いており、オスロ中心部の負荷の削減に一役買っている[ 7] 。
スカンジナビア航空 は市内のフォルネブ (Fornebu) に事務所を置く[ 15] 。ヴィデロー航空 も市内に何か所かオフィスを展開している[ 16] 。フォルネブにはノルウェー・エアシャトル 本社もある[ 17] 。
フォルネブにあるスカンジナビア航空ノルウェーとヴィデロー航空の事務所
フォルネブ空港にはチャーター航空機のパートネア (Partnair) の本社が入居している[ 18] 。かつてはビジー・ビー航空 (Busy Bee) [ 19] やブラーテンズ (Braathens) 、SASブラーテンズも敷地内に本社を置いた。ノルウェー・エアシャトルは2010年、このもとブラーテンズのオフィスを購入した[ 20] 。
人口統計
市の総人口の推移
2009年の時点で、バールムの人口密度は全国の市のなかで五番目に高い。住宅地はE18号沿いにオスロまで、ほとんど途切れなく続き、ひとつのコナベーション を形成している[ 21] 。
住民一人あたりの収入は37万800NOK で、国内平均の26万2800NOKと比べかなり高い。住民の教育レベルもトップクラスである。
標準語はブークモール が採用されている[ 22] 。
行政上、バールム市は22地区に分けられる。人口は2005年1月1日時点のものである。
エステロース=アイクスマルカ (Østerås-Eiksmarka) - 3927人
北ホスレ (Hosle) - 2973人
ヴォル (Voll) - 4896人
グラーヴ (Grav) - 5624人
南ホスレ (Hosle) - 4677人
ヤール (Jar) - 5793人
リュサケール (Lysaker) - 3439人
スナロヤ (Snarøya) - 2807人
スタベック (Stabekk) - 6261人
ホヴィク (Høvik) - 4172人
ロケベルグ=ブロンメンホルム (Løkeberg-Blommenholm) - 6863人
ハスルム (Haslum) - 5286人
東バルムスマルカ (Bærumsmarka) - 1936人
サンドヴィーカ=ヴァレル (Sandvika-Valler) - 4742人
ヨン (Jong) - 2762人
スレペンデン=タヌム (Slependen-Tanum) - 7005人
ドンシー=ルド (Dønski-Rud) - 3186人
コルソース (Kolsås) - 5185人
リュッキン (Rykkinn) - 8971人
チルケルド=ソリホイダ (Kirkerud-Sollihøgda) - 3449人
バールムス・ヴェルク (Bærums Verk) - 7565人
ロンメダーレン (Lommedalen) - 3064人
その他 - 107人
スポーツ
市内を本拠地とするスポーツクラブに、サッカー国内1部(ティッペリーガ )のスターベクIF やバンディ 国内1部のホヴィクIF (Høvik IF) とスタバクIF (Stabæk IF) がある。
ゆかりの人物
マッタ・ルイーセ王女 (1971年 - ) ノルウェー王族
フィン・アルナス(1932年 - 1991年) 作家
トルゲール・バールドセト(1875年 - 1947年) 出版人
ハリエット・バッケル (1845年 - 1932年) 画家
ヘルマン・バン(1857年 - 1912年) デンマーク人の作家
ヨー・ベンコウ(1924年 - ) 政治家
グロ・ハーレム・ブルントラント (1939年 - ) 政治家、元首相
ハンス・ペテル・ブラース(1975年 - ) アルペンスキー 選手
イヴォ・カプリーノ(1920年 - 2001年) 映画監督
マグヌス・カールセン(1990年 - ) チェス 選手
ハラルド・アイア(1966年 - ) コメディアン
ヴィクトル・エスベンセン(1881年 - 1942年) 水夫
チェル・ハルビン(1934年 - 2004年) 作家
チティ・ランゲ・チェランド(1845年 - 1932年) 画家
クロード・モネ (1840年 - 1926年) 画家。1895年の冬、サンドヴィーカに2ヶ月滞在。
フリチョフ・ナンセン (1861年 - 1930年) 探検家、科学者、政治家。ノーベル平和賞 受賞。
エイリッフ・ペーテシェン (1852年 - 1928年) 画家
ヴェビョルン・サンド(1966年 - ) 芸術家
ヤン・トーレ・サンネル(1965年 - ) 政治家
アニータ・ショルガン(1958年 - ) 歌手
ビヨーン・アイナール・ローモーレン (1981年 - ) スキージャンプ 選手
トム・ヒルデ (1987年 - ) スキージャンプ選手
ハルチャラン・チャウラ(1926年 - 2001年) 作家
エミリエ・ハーヴィ(1992年 - ) サッカー選手
姉妹都市
本節の出典は[ 23] 。
脚注
^ “09280: Areal av land og ferskvatn (km²) (K) 2007 - 2023 ”. Statistisk sentralbyrå. 2023年4月15日 閲覧。
^ “07459: Alders- og kjønnsfordeling i kommuner, fylker og hele landets befolkning (K) 1986 - 2023 ”. Statistisk sentralbyrå. 2023年4月15日 閲覧。
^ Projected population - Statistics Norway [リンク切れ ]
^ “Skattelister 2008 ”. Oslo: NRK (2009年). 2012年4月2日 閲覧。
^ “Næringsliv ”. Sandvika: Bærum kommune. 2011年6月5日時点のオリジナル よりアーカイブ。2012年4月2日 閲覧。
^ “Norges beste sted ” [Norway's best town]. Dagbladet (9 September 2011). 8 January 2012 閲覧。
^ a b c d Thorsnæs, Geir; Svein Askheim. "Bærum" . Store norske leksikon (Norwegian).
^ Norske Kommunevåpen (1990年). “Nye kommunevåbener i Norden ”. 2008年12月18日 閲覧。
^ a b c d Bakken, Tor Chr., ed. (2008) (Norwegian) Asker og Bærum-leksikon Oslo: Kunnskapsforlaget ISBN 978-82-573-1534-4
^ “Bærum i tall ” (Norwegian). Bærum kommune. 2011年6月5日時点のオリジナル よりアーカイブ。2010年1月2日 閲覧。
^ Harlen, Olav (2007年2月20日). “På vulkansk jord” . Asker og Bærums Budstikke (Sandvika). http://www.budstikka.no/sec_forbruker/sec_turstikka/article143384.ece [リンク切れ ]
^ “Bærumsmarka ” (Norwegian). Skiforeningen. 2009年1月2日 閲覧。
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^ "World Airline Directory." Flight International . 27 March-2 April 1991. 78 .
^ Henriksen, Øyvind. "Kjos kjøper Braathensbygget Archived 2010年2月27日, at the Wayback Machine .." E24. 24 February 2010. Retrieved on 24 February 2010. "Norwegian-sjef Bjørn Kjos kjøper det tidligere hovedkvarteret til Braathens og SAS Norge. Nå skal Norwegian flytte inn i bygningen" and "Oksenøyveien 3 på Fornebu utenfor Oslo er kjøpt av Bjørn Kjos og Bjørn Kise."
^ “Rangeringsliste for innbyggere per areal ” (Norwegian). Norges Kommunekalender. 2012年4月2日 閲覧。 , the four municipalities with greater density being: Stavanger, Oslo, Oppegård, and Skedsmo. All but Stavanger form the conurbation with Oslo
^ “Forskrift om språkvedtak i kommunar og fylkeskommunar (språkvedtaksforskrifta) ”. Norsk Lovtidend (2024年1月16日). 2024年2月2日 閲覧。
^ “Vennskapskommuner ”. Bærum kommune. 2011年6月5日時点のオリジナル よりアーカイブ。2008年12月18日 閲覧。 (ノルウェー語)
^ “Frederiksberg Municipality - Twin Towns ” (Danish). © 2007 -2009 Frederiksberg Municipality . 2011年6月15日時点のオリジナル よりアーカイブ。2009年9月9日 閲覧。
外部リンク
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