バレーメトロレール
バレーメトロレール(英語: Valley Metro Rail)は、アメリカ合衆国アリゾナ州のマリコパ郡にあるライトレール。州都フェニックス、テンピ、メサを結んでいる。運営はバレーメトロ[1]。2008年に開業した。 バレーメトロはフェニックス都市圏の路線バスとテンピの路面電車、テンピ・ストリートカーの運営も行っている。 歴史アメリカの都市・フェニックスにはかつて1887年に開通した路面電車が存在したが、モータリーゼーションの進展により路線バスへ置き換えられ1948年までに廃止された。その後、フェニックスや周辺都市では高速道路を中心とした自動車中心の交通網の整備が試みられていたが住民からの反対もあり大半は実現せず、1990年代に入ると公共交通機関(路線バス)の整備が各地で行われるようになった。そして、2000年に市民団体とフェニックス市によって作成された、増税される消費税を財源とした公共交通網の拡張計画「提案2000(Proposition 2000)」の中に、フェニックス市内を走行するライトレールを建設する計画が含まれた。この提案は住民投票の結果賛成65 %で可決され、同年に近隣のテンピ市議会もライトレールの建設を決議した。そして、最初の路線となるフェニックスとテンピ市内を結ぶ全長32.2 km(20 miles)の建設は2006年まで実施され、試運転を経て2008年12月27日に最初の路線が営業運転を開始した[2][5][6][7]。 その後、2015年にメサのダウンタウン地区の延伸(Central Mesa Extension)が行われ、2019年には更にギルバート・ロード(Gilbert Road)への延伸が実施されている[注釈 1]。また、フェニックス北西部についても2013年に延伸工事が開始され、2016年にダンラップ・アベニュー(Dunlap Avenue)までの区間が開通している他、既存の区間にも新たな電停が増設されている(50番通り/ワシントン駅、50th Street/Washington)。それ以降も後述のようにバレーメトロレールには複数の延伸計画が存在しており、2034年までにライトレールと接続する路面電車路線(ストリートカー)を含め合計106.22 km(66 miles)の路線網が構築される事になっている[2][8][9][10]。
路線2023年現在、バレーメトロは以下の区間でライトレールの運行を行っている。大半の路線は複線だが、フェニックス市内の一部区間は19番街/ダンラップ駅(19th Ave/Dunlap)方面とギルバートロード/メインストリート駅(Gilbert Rd/ Main St)方面の線路が独立して敷設されており、駅も双方の方面で離れた位置に設置され、名称も異なっている。ただしこれらの近接した2つの駅をそれぞれ1つとして数えているため、バレーメトロのライトレールの駅数は公式では38箇所となっている[2][1][3]。
車両2023年現在、バレーメトロレールでは以下の2種類の電車が営業運転に用いられている。双方とも連結運転に対応した3車体連接車で、バリアフリーに適した部分超低床電車となっている[2][11]。
今後の予定前述の通りバレーメトロレールでは2023年現在複数の延伸計画が進められており、うち以下のものについては同年時点で建設が進行している[2][4][16]。
脚注注釈出典
外部リンク
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