ハーラン・コーベン(Harlan Coben、1962年1月4日 - )は、アメリカ合衆国の推理作家。
生い立ち
ニュージャージー州ニューアークにて、ユダヤ系一家に生まれ、同州リビングストンで育つ。第55代ニュージャージー州知事クリス・クリスティ(2010年就任)とは幼少期からの友人でリビングストン高校でも同級生だった[1]。アマースト大学で政治学を学び、作家のダン・ブラウンと共にPsi Upsilonのメンバーだった。大学卒業後は祖父が経営していた旅行関連会社に勤務。現在は、ニュージャージー州リッジウッドに小児科医の妻と4人の子どもと暮らしている[2]。
キャリア
大学4年生の時に作家を志すようになる。26歳の時に処女作が受け入れられ、"Play Dead(1990年)"、"Miracle Cure(1991年)" という2作の単独作を出版した後、1995年にマイロン・ボライター(英語版)というキャラクターを主人公にしたシリーズ作品を書き始める。同シリーズは、バスケットボール選手からスポーツエージェントに転身したボライターが、クライアントが関わる殺人事件などを調査するミステリー作品である。第1作目は『沈黙のメッセージ』(原題:Deal Breaker)である。
また2011年には、マイロンの甥っ子・ミッキー・ボライターが主人公の、ヤングアダルト向けの作品"Shelter" を初めて上梓し、これもシリーズ化。
エドガー賞ペーパーバック賞、シェイマス賞、アンソニー賞の3賞を受賞した初めての作家である。
2001年、ボライターシリーズ開始以後では初となる単独作『唇を閉ざせ』(原題:Tell No One )を上梓、コーベンの著作の中では最も売れたベストセラー作品となった。2006年にフランス人映画監督のギヨーム・カネにより映画化された。2008年4月に出版された"Hold Tight" は「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストの第1位となった。
2018年8月、Netflixと数百万ドル規模の5年間の独占契約を締結。この契約では、既存の14作品と将来の作品がNetflixのオリジナルドラマまたは映画として展開され、コーベンは全てのプロジェクトで製作総指揮を務めることになる[3]。
2022年10月、Netflixが契約をさらに4年間延長したことが発表され、代表作であるマイロン・ボライター シリーズも含まれることになった[4]。
作品リスト
シリーズ作品
マイロン・ボライター シリーズ
# |
邦題 |
原題 |
刊行年
|
刊行年月
|
訳者 |
出版社
|
1 |
沈黙のメッセージ |
Deal Breaker |
1995年 |
1997年5月 |
中津悠 |
早川書房
|
2 |
偽りの目撃者 |
Drop Shot |
1996年 |
1998年1月 |
中津悠 |
早川書房
|
3 |
カムバック・ヒーロー |
Fade Away |
1996年 |
1998年10月 |
中津悠 |
早川書房
|
4 |
ロンリー・ファイター |
Back Spin |
1997年 |
1999年8月 |
中津悠 |
早川書房
|
5 |
スーパー・エージェント |
One False Move |
1998年 |
2000年3月 |
中津悠 |
早川書房
|
6 |
パーフェクト・ゲーム |
The Final Detail |
1999年 |
2001年2月 |
中津悠 |
早川書房
|
7 |
ウイニング・ラン |
Darkest Fear |
2000年 |
2002年4月 |
中津悠 |
早川書房
|
8 |
|
Promise Me |
2006年 |
|
|
|
9 |
|
Long Lost |
2009年 |
|
|
|
10 |
|
Live Wire |
2011年 |
|
|
|
11
|
|
Home
|
2016年
|
|
|
|
12
|
|
(タイトル未定)
|
2024年
|
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ミッキー・ボライター シリーズ
# |
邦題 |
原題 |
刊行年
|
刊行年月
|
訳者 |
出版社
|
1 |
|
Shelter |
2011年 |
|
|
|
2 |
|
Seconds Away |
2012年 |
|
|
|
3
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Found
|
2014年
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シリーズ外作品
全作品一覧(時系列)
刊行年
|
シリーズ外 単独作品
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マイロン・ボライター シリーズ
|
ミッキー・ボライター
シリーズ
|
ウィンザー・ホーン
・ロックウッド三世
|
ワイルド
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1990
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Play Dead
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|
1991
|
Miracle Cure
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|
|
|
|
1995
|
|
Deal Breaker
/ 沈黙のメッセージ
|
|
|
|
1996
|
|
Drop Shot
/ 偽りの目撃者
|
|
|
|
|
Fade Away
/ カムバック・ヒーロー
|
|
|
|
1997
|
|
Back Spin
/ ロンリー・ファイター
|
|
|
|
1998
|
|
One False Move
/ スーパー・エージェント
|
|
|
|
1999
|
|
The Final Detail
/ パーフェクト・ゲーム
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|
2000
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Darkest Fear
/ ウイニング・ラン
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2001
|
Tell No One
/ 唇を閉ざせ
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|
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2002
|
Gone For Good
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|
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|
2003
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No Second Chance
/ ノー・セカンドチャンス
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|
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2004
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Just One Look
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2005
|
The Innocent
/イノセント
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2006
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Promise Me
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|
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2007
|
The Woods
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|
2008
|
Hold Tight
|
|
|
|
|
2009
|
|
Long Lost
|
|
|
|
2010
|
Caught
|
|
|
|
|
2011
|
|
Live Wire
|
Shelter
|
|
|
2012
|
Stay Close
/ ステイ・クロース
|
|
Seconds Away
|
|
|
2013
|
Six Years
|
|
|
|
|
2014
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Missing You
|
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Found
|
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2015
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The Stranger
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2016
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The Magical Fantastical Fridge
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Fool Me Once
/ 偽りの銃弾
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Home
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2017
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Don't Let Go
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2019
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Run Away
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2020
|
|
|
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The Boy from the Woods
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2021
|
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Win / WIN
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2022
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The Match
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2023
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I Will Find You
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2024
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(タイトル未定)
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映像化作品
映画
テレビドラマ
受賞・ノミネート歴
- 1996年:『沈黙のメッセージ』でエドガー賞 ペーパーバック賞ノミネート、アンソニー賞 ペーパーバック賞受賞
- 1997年:『カムバック・ヒーロー』でエドガー賞 ペーパーバック賞受賞、シェイマス賞 ペーパーバック賞受賞、バリー賞 ペーパーバック賞ノミネート
- 1998年:『ロンリー・ファイター』でバリー賞 ペーパーバック賞受賞
- 2002年:『唇を閉ざせ』でエドガー賞 長編賞ノミネート、バリー賞 長編賞ノミネート、マカヴィティ賞 長編賞、アンソニー賞 長編賞ノミネート
- 2011年:"Caught" でエドガー賞 長編賞ノミネート
- 2012年:"Shelter" でエドガー賞 ヤングアダルト賞ノミネート
- 2023年:『WIN』で日本推理作家協会賞 翻訳小説部門ノミネート
出典
外部リンク