ハーティング・イーチ・アザー

ハーティング・イーチ・アザー」(Hurting Each Other)は、1972年カーペンターズによるカバーによって広く知れ渡ることとなった曲。

元々は、1965年ゲイリー・ゲルド、ピーター・ユーデルによって作詞、作曲された曲で[1]ルビー・アンド・ザ・ロマンティクスからローズマリー・クルーニーまで、様々なアーティストによってカバーされた[2]

カーペンターズ以前のバージョン

原曲はジミー・クラントンによって演奏され、1965年マラ・レコードからリリースされた[3]リチャード・カーペンターによれば、原曲の「Hurting Each Other」は、カーペンターズの作品とは非常に異なるものだった[4]。しかし、ボーカルリフレインにははっきりとした類似点が見いだせる。 クラントンによる、1965年のシングルはチャート上では失敗した。

チャド・アーラン & ザ・エクスプレッションズは、後にゲス・フーになり、1965年にカナダで発売したLP盤Hey Ho(What You Do to Me!)』で同曲を収録した。シングルとしてリリースされたこの歌は、1966年初頭にカナダのチャートで19位を獲得した[5]

1966年6月、ルース・ルイスによるバージョンは、ウデルとゲルドによってプロデュースされ、RCAビクターのレコードシングルとしてリリースされた[6]

また、ウォーカー・ブラザーズの1966年11月発売のセカンド・アルバム『Portrait』にも収録されたが、日本発売は1998年にイギリス仕様のアルバムの日本盤でのCD発売時が初めてであった。

ルビー・アンド・ザ・ロマンティクス1969年にシングルとしてこの曲をリリース。ボーカルアレンジメントが3年後のカーペンターズバージョンに反映された[7]

カーペンターズバージョン

「ハーティング・イーチ・アザー」
カーペンターズシングル
初出アルバム『A Song for You
B面 Maybe It's You
リリース
規格 7インチシングル
録音 1971年
ジャンル ポップ
時間
レーベル A&M
作詞・作曲 ゲイリー・ゲルド、ピーター・ユーデル
プロデュース ジャック・ドハティ
カーペンターズ シングル 年表
スーパースター
(1971年8月)
ハーティング・イーチ・アザー
(1971年12月)
小さな愛の願い
(1972年4月)
ミュージックビデオ
「Hurting Each Other」 - YouTube
テンプレートを表示

カーペンターズレッキングクルーとのロサンゼルスでのセッションを行い、レッキングクルーの楽器演奏のもと、録音を行った[9]アメリカニュースキャスターであるジェリー・ダンフィはその際、カレンリチャード・カーペンターの自宅に行き、彼らとその両親に彼らの人生についてインタビューした。また、バックアップボーカルを演奏するリチャードとカレンが、そのテレビ番組「Jerry Dunphy Visits the Carpenters」で撮影された。

1971年後半に、アルバム『A Song for You』収録のシングルとしてリリースされた。ビルボードホット100では、2位を獲得し[10]ハリー・ニルソンWithout Youに破られるまで順位を維持し続けた[11]

また、 同じくビルボードのイージーリスニングチャートで1位に達し[12]、ビルボードは、1972年の年間チャートでは65位にランク付けした。

カーペンターズは、1974年に来日した際の「Live in Osaka」コンサートを含む、多くのライブコンサートで『Hurting Each Other』を演奏した[要出典]

演奏者

チャート

脚注

  1. ^ Hurting Each Other”. 2017年7月4日閲覧。
  2. ^ Search result, ACE title search, Performers of "Hurting Each Other"”. American Society of Composers, Authors, and Publishers (ASCAP). 2008年5月22日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ 45 Discography For Mala Records”. Discographies of 50's and 60's record labels. Global Dog Productions. 2008年5月22日閲覧。
  4. ^ Song synopsis insert in Carpenters: Gold 35th Anniversary Edition
  5. ^ Item Display - RPM - Library and Archives Canada”. Collectionscanada.gc.ca. 2016年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月29日閲覧。
  6. ^ Artist: Ruth Lewis”. Second Hand Songs. 2013年10月2日閲覧。
  7. ^ Schmidt, Randy L. (2010). Little Girl Blue: The Life of Karen Carpenter. Chicago Review Press. pp. 351. ISBN 1556529767. https://books.google.com.au/books?id=njsDAwAAQBAJ&lpg=PT118&ots=eW-VvUXdkF&dq=Hurting%20each%20other%20ruby%20%26%20the%20romantics%20carpenters&pg=PT118#v=onepage&q=Hurting%20each%20other%20ruby%20&%20the%20romantics%20carpenters&f=false 2017年12月15日閲覧。 
  8. ^ 45cat - Carpenters - Hurting Each Other / Maybe It's You - A&M - USA - 1322-S
  9. ^ Hartman, Kent (2012). The Wrecking Crew. St. Martin’s Griffin. pp. 261–263. ISBN 978-1-250-03046-7. https://archive.org/details/isbn_9780312619749 
  10. ^ Brte, Anhieo (英語). The Carpenters. AnVi OpenSource Knowledge Trust. https://books.google.com/books?id=r_TzCwAAQBAJ 
  11. ^ https://www.billboard.com/charts/hot-100/1972-02-26
  12. ^ Hurting Each Other (song by The Carpenters) ••• Music VF, US & UK hits charts”. Musicvf.com (1972年1月15日). 2016年9月29日閲覧。
  13. ^ http://www.bac-lac.gc.ca/eng/discover/films-videos-sound-recordings/rpm/Pages/image.aspx?Image=nlc008388.7506&URLjpg=http%3a%2f%2fwww.collectionscanada.gc.ca%2fobj%2f028020%2ff4%2fnlc008388.7506.gif&Ecopy=nlc008388.7506
  14. ^ flavour of new zealand - search listener”. Flavourofnz.co.nz. 2016年9月29日閲覧。
  15. ^ SA Charts 1965–March 1989”. 2 September 2018閲覧。
  16. ^ "Carpenters Chart History (Hot 100)". Billboard.
  17. ^ Archived copy”. 2011年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月12日閲覧。
  18. ^ Top 100 Hits of 1972/Top 100 Songs of 1972”. Musicoutfitters.com. 2017年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月29日閲覧。
  19. ^ Archived copy”. 2014年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月21日閲覧。

外部リンク

先代
ドン・マクリーン
アメリカン・パイ
Easy Listening ナンバーワンシングル
1972年2月5日 - 2月12日(2週)
次代
ニルソン
ウィズアウト・ユー