ハリファックス級フリゲート (ハリファックスきゅうフリゲート、英 : Halifax-class Multi-Role Patrol Frigate ) はカナダ海軍 のフリゲート 。
来歴
1970年代 後半、カナダ海軍は、保有する20隻におよぶ護衛駆逐艦 の老朽化という問題に直面していた。サン・ローラン級駆逐艦 にはじまる系譜に属するこれらの艦は、多くがヘリコプター運用能力を有し、優秀な対潜艦として活躍してきたが、イギリス海軍 の12型フリゲート の設計に基づいており、発達する兵器テクノロジーへの追随は難しくなっていた。このことから開始されたのがCPF (Canadian Patrol Frigate)計画で、これに基づいて建造されたのが本級である[ 2] 。
1983年 、まず第1バッチ6隻の建造が承認された。当初は基本設計を担当したセント・ジョン造船所 が一手に担当する予定であったが、政治的な事情もあり、下請けのマリン・インダストリーズ 社と3隻ずつ分け合うことになった。また1986年には、さらに第2バッチ6隻の追加建造が決定された。第2バッチについては、船体を10メートル延長して対空型とし、最終的には対空型8隻と対潜型12隻を整備する計画であったが、原潜導入計画とバーターに、最終的に第2バッチも第1バッチと同じ対潜型とされ、対空型の整備はなされなかった。なお原潜導入計画はのちに断念された[ 3] 。
設計
ステルス性 に配慮した設計が外見上の特徴となっている。上部構造物は全体的に低く、艦橋構造物は2層とされており、また外板はわずかに内側にテーパーしている。艦型については、L/B比8.2と、かなりずんぐりとしている。またNBC 防護のため、艦橋などには大気圧に加えて500パスカル 、機関室などにも375パスカルの陽圧がかけられている[ 3] 。
主機関方式としてはCODOG 構成を採用しており、巡航機としてはSEMT ピルスティク 20 PA6 V280 V型20気筒 ディーゼルエンジン 1基が、高速機としてはゼネラル・エレクトリック LM2500 ガスタービンエンジン が2基搭載される。また静粛性確保のため、主機はラフト上に設置されている[ 3] 。
装備
本級は、戦術曳航ソナー と哨戒ヘリコプター による優れた対潜戦 能力を備えるほか、シースパロー 個艦防空ミサイル とハープーン 艦対艦ミサイル 、ボフォースMk.2 57mm単装速射砲 、高度な電子装備により、多任務に対応できる。
戦術情報処理装置 としては、当初はSHINPAD(Ship's Integrated Processing and Display System)が搭載されていた。これはUYK-507(V)1コンピュータ33基とUYQ-501コンソール13基、U2049ディスプレイから構成されており、コンピュータのうち28基が戦闘情報処理・運用に供されていた[ 3] 。
また、2010年代 においても就役を継続するため、2000年代より性能向上を目的としたHCM/FELEX (Halifax Class modernisation programme / frigate life extension) 計画が進められており、2010年 より順次に改修を開始、2017年 までに全艦が改修される予定となっている[ 2] 。
HCM/FELEX改修を受けた「HMCS カルガリー」。 2014年リムパック演習 参加時に、真珠湾 にて撮影
兵装・電装要目
同型艦
脚注
参考文献
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ハリファックス級フリゲート に関するカテゴリがあります。