ヌエボトウショウ(欧字名:Nuevo Tosho、1987年5月30日 - 不明)は、日本の競走馬、繁殖牝馬[1]。主な勝ち鞍に1990年のサファイヤステークス、1991年の朝日チャレンジカップ、1992年の北九州記念、愛知杯、1993年の京都牝馬特別。主戦騎手は角田晃一。
半弟に、2000年の中日新聞杯を制したトウショウアンドレがいる。
経歴
競走馬時代
デビューは遅く、1990年4月22日の京都競馬場第4競走の4歳未勝利よりデビュー。鞍上は、その後ほとんどのレースで騎乗することになる角田晃一で、1番人気に支持されていたが4着に敗れる。しかし5月6日の未勝利戦ではしっかり1番人気に応え、2着に3馬身差もつける圧勝を見せた。ここから500万下条件を3戦しいずれも3着[注 1]、続く北洋特別(同条件)でようやく勝利すると、HTB杯(900万下)も快勝、その勢いのまま初重賞参戦となるサファイヤステークスでは、翌月にローズステークスを制することになるカツノジョオーに1馬身3/4差を付けて勝利した。この時の3着に、この後もたびたび対戦し、ライバルとも呼ばれるようになるイクノディクタスが入っている。初重賞制覇が不良馬場、全9勝中7勝が稍重~不良の道悪巧者、道悪の鬼と呼ばれた父トウショウゴッドの血を受け継いでいた[3]。
続くローズステークスでは先述のカツノジョオーが7番人気で制し、3番人気に支持されていたヌエボトウショウは7着と初の掲示板外を経験する[注 2]。ここからしばらく調子を落とし、5番人気で挑んだ牝馬三冠の最終レース・エリザベス女王杯ではキョウエイタップの14着と惨敗。年が明け半年振りのレース出走となったオーストラリアトロフィーでは4番人気を裏切る9着、阪急杯では11番人気に支持され11着となる。しかしCBC賞では3着と勢いを取り戻し、小倉日経賞2着、北九州記念3着、小倉記念2着と堅実な走りを見せ、9月15日の朝日チャレンジカップで2着のイクノディクタスに2馬身差をつけ勝利、重賞2勝目を挙げた。さらに、続く天皇賞・秋でも5着[注 3]と健闘し、この年のレースを終えた。
1992年は半年以上休養し、小倉日経賞より始動し1番人気に応える1着。続く北九州記念でも、この年に天皇賞・秋を制することになるレッツゴーターキンをクビ差退け勝利し重賞3勝目を挙げる。この勢いで産経賞オールカマーに1番人気で臨むも、上位5頭のうち4頭が5番人気以下という波乱となり、ヌエボトウショウは10着に沈む大敗。ここで優勝したのはイクノディクタスであった。その後の天皇賞・秋では6着となり、1番人気に支持されながら7着に沈んだトウカイテイオーに先着。続くマイルチャンピオンシップではダイタクヘリオスの4着で、翌年にGⅠ競走を2勝する5着のヤマニンゼファーに先着するなど善戦した。そして年末の愛知杯を制し重賞4勝目を挙げ、この年のレースを終えた。
1993年はスポーツニッポン賞金杯より始動。6番人気に支持されたが8着に終わる[注 4]。しかし、2番人気で挑んだ京都牝馬特別では再び勝利し、重賞5勝目を挙げた。このレースを最後に競走馬を引退。
引退後
引退後は故郷のトウショウ牧場で繁殖牝馬となるも、2003年頃にビッグレッドファームへ売却される[2]。そこで2年連続アグネスデジタルを種付けするも不受胎となり、2005年12月付で転売不明となった[2]。それ以降の動向は分かっていない。引退後に繁殖入りした牧場で用途変更後も功労馬として過ごし、32歳の大往生を遂げたかつての同期のイクノディクタスとは対照的な扱いであった。
なお、産駒のうち最も多くの賞金を稼いだマイネルモデルノは、2018年に筑波大学馬術部所属の乗用馬・桐翠として登録されている[4]。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.com[5]およびJBISサーチ[6]に基づく。
競走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 |
タイム (上り3F) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) |
馬体重 [kg] |
備考
|
1990.04.22
|
京都
|
4歳未勝利
|
|
芝1600m(良)
|
13
|
1
|
1
|
002.80(1人)
|
04着
|
R1:39.0(52.1)
|
-1.6
|
0角田晃一
|
52
|
マチカネアマツカゼ
|
478
|
0000.05.06
|
京都
|
4歳未勝利
|
|
芝1200m(稍)
|
15
|
6
|
11
|
001.40(1人)
|
01着
|
R1:11.4(47.2)
|
-0.5
|
0角田晃一
|
52
|
(アドバンテージ)
|
470
|
0000.06.02
|
阪神
|
4歳500万下
|
|
芝1400m(良)
|
11
|
6
|
6
|
002.50(2人)
|
03着
|
R1:24.4(48.3)
|
-0.2
|
0角田晃一
|
52
|
サウザンドアイズ
|
478
|
0000.07.08
|
中京
|
4歳500万下
|
|
芝1200m(良)
|
14
|
4
|
6
|
003.40(2人)
|
03着
|
R1:10.5(36.4)
|
-0.8
|
0小島貞博
|
53
|
コスモオリンピア
|
476
|
0000.08.04
|
函館
|
4歳上500万下
|
|
芝1800m(良)
|
10
|
4
|
4
|
002.30(1人)
|
03着
|
R1:48.4(35.9)
|
-0.0
|
0角田晃一
|
52
|
フォーティマイルズ
|
490
|
0000.08.18
|
函館
|
北洋特別
|
500万下
|
芝1800m(稍)
|
8
|
7
|
7
|
001.60(1人)
|
01着
|
R1:49.5(37.4)
|
-0.3
|
0角田晃一
|
53
|
(モガミシラオキ)
|
488
|
0000.09.08
|
函館
|
HTB杯
|
900万下
|
芝1800m(良)
|
10
|
8
|
10
|
001.90(1人)
|
01着
|
R1:49.8(36.2)
|
-0.3
|
0角田晃一
|
53
|
(カナルウォーター)
|
490
|
0000.09.30
|
中京
|
サファイヤS
|
GIII
|
芝1700m(不)
|
10
|
1
|
1
|
003.60(1人)
|
01着
|
R1:45.7(38.4)
|
-0.3
|
0角田晃一
|
54
|
(カツノジョオー)
|
486
|
0000.10.21
|
京都
|
ローズS
|
GII
|
芝2000m(良)
|
14
|
7
|
11
|
003.90(3人)
|
07着
|
R2:01.4(47.8)
|
-0.8
|
0角田晃一
|
55
|
カツノジョオー
|
484
|
0000.11.11
|
京都
|
エリザベス女王杯
|
GI
|
芝2400m(良)
|
18
|
8
|
16
|
011.40(5人)
|
14着
|
R2:27.7(50.1)
|
-2.2
|
0角田晃一
|
55
|
キョウエイタップ
|
482
|
1991.04.21
|
京都
|
オーストラリアT
|
OP
|
芝1800m(良)
|
9
|
8
|
8
|
009.20(4人)
|
09着
|
R1:49.3(49.8)
|
-2.0
|
0角田晃一
|
53
|
メインキャスター
|
468
|
0000.06.02
|
京都
|
阪急杯
|
GIII
|
芝1400m(不)
|
14
|
5
|
9
|
032.4(11人)
|
11着
|
R1:25.2(50.2)
|
-1.7
|
0角田晃一
|
52
|
ジョーロアリング
|
488
|
0000.06.23
|
中京
|
CBC賞
|
GII
|
芝1200m(不)
|
11
|
3
|
3
|
007.80(3人)
|
03着
|
R1:11.3(36.5)
|
-0.5
|
0角田晃一
|
55
|
フェイムオブラス
|
486
|
0000.07.14
|
小倉
|
小倉日経賞
|
OP
|
芝1700m(良)
|
8
|
6
|
6
|
002.90(1人)
|
02着
|
R1:40.6(34.7)
|
-0.1
|
0角田晃一
|
53
|
ホクセイシプレー
|
486
|
0000.08.04
|
小倉
|
北九州記念
|
GIII
|
芝1800m(良)
|
12
|
5
|
6
|
003.50(1人)
|
03着
|
R1:47.4(36.1)
|
-0.5
|
0角田晃一
|
54
|
ムービースター
|
484
|
0000.08.25
|
小倉
|
小倉記念
|
GIII
|
芝2000m(良)
|
10
|
3
|
3
|
006.90(3人)
|
02着
|
R2:03.0(34.4)
|
-0.3
|
0角田晃一
|
53
|
ナイスネイチャ
|
488
|
0000.09.15
|
中京
|
朝日チャレンジC
|
GIII
|
芝2000m(稍)
|
16
|
2
|
4
|
006.30(3人)
|
01着
|
R1:59.1(34.0)
|
-0.3
|
0角田晃一
|
54
|
(イクノディクタス)
|
488
|
0000.10.27
|
東京
|
天皇賞(秋)
|
GI
|
芝2000m(不)
|
18
|
8
|
18
|
021.90(7人)
|
05着
|
R2:04.2(38.1)
|
-0.3
|
0角田晃一
|
56
|
プレクラスニー
|
492
|
[注 3]
|
1992.07.19
|
小倉
|
小倉日経賞
|
OP
|
芝1700m(良)
|
12
|
4
|
4
|
002.10(1人)
|
01着
|
R1:41.4(34.8)
|
-0.1
|
0角田晃一
|
55
|
(イブキリセス)
|
484
|
0000.08.09
|
小倉
|
北九州記念
|
GIII
|
芝1800m(稍)
|
13
|
8
|
13
|
001.70(1人)
|
01着
|
R1:46.8(35.1)
|
-0.0
|
0角田晃一
|
56
|
(レッツゴーターキン)
|
492
|
0000.09.20
|
中山
|
オールカマー
|
GIII
|
芝2200m(良)
|
14
|
8
|
13
|
002.10(1人)
|
10着
|
R2:13.4(37.0)
|
-1.3
|
0角田晃一
|
54
|
イクノディクタス
|
492
|
0000.11.01
|
東京
|
天皇賞(秋)
|
GI
|
芝2000m(良)
|
18
|
7
|
13
|
023.40(7人)
|
06着
|
R1:59.1(37.2)
|
-0.5
|
0角田晃一
|
56
|
レッツゴーターキン
|
496
|
0000.11.22
|
京都
|
マイルCS
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
6
|
11
|
019.60(7人)
|
04着
|
R1:34.0(46.6)
|
-0.7
|
0角田晃一
|
55
|
ダイタクヘリオス
|
492
|
0000.12.13
|
中京
|
愛知杯
|
GIII
|
芝2000m(稍)
|
11
|
6
|
7
|
002.70(1人)
|
01着
|
R2:02.5(34.9)
|
-0.1
|
0角田晃一
|
57
|
(カリブソング)
|
488
|
1993.01.05
|
京都
|
金杯
|
GIII
|
芝2000m(良)
|
16
|
7
|
13
|
011.00(6人)
|
08着
|
R2:01.5(46.2)
|
-0.1
|
0角田晃一
|
58
|
エルカーサリバー
|
488
|
0000.01.31
|
京都
|
京都牝馬特別
|
GIII
|
芝1600m(良)
|
11
|
8
|
10
|
003.30(2人)
|
01着
|
R1:34.0(44.9)
|
-0.2
|
0角田晃一
|
58
|
(ラビットボール)
|
482
|
繁殖成績
9番仔スタートウショウの産駒ニッポンダエモンが2017年の若駒賞勝ち、ベンテンコゾウが2019年の京成盃グランドマイラーズなど地方重賞8勝の成績を残している。
血統表
脚注
注釈
出典
外部リンク