ニォルド (海防戦艦)ニォルド (Niord) はスウェーデン海軍の海防戦艦。オーディン級。艦名となっているニォルドは北欧神話の神である[2]。 イェーテボリのリンドホルメン造船所で建造[3]。1896年3月起工[3]。1898年3月30日進水[3]。進水式にはオスカル2世が臨席した[1]。1899年2月23日竣工[3]。 基準排水量3328トン、満載排水量3720トン、全長86.3m、水線長84.78m、最大幅14,77m、計画吃水5.5m[3]。1番艦「オーディン」にはなかった舷窓がある[2]。1902年にはビルジキールが装着された[4]。 主砲は42口径25.4cmM/94C型後装施条砲2門を単装砲塔2基に搭載した[3]。「オーディン」、「トール」のフランス製のものと異なり、このM/94C型砲は砲身粗材をイギリスから、設計図をフランスから入手してボフォース社が製造した[5]。射程は最大仰角10度で9950mであった[6]。副砲はボフォース45口径12cmM/94型速射砲6門をケイスメイトに搭載した[7]。材質変更により装甲重量が削減できたことなどで、12cm砲の門数は「オーディン」より2門増やされた[5]。主砲副砲の他には、フィンスポング55口径57mmM/89B型砲10門、マキシム・ノルデンフェルト8mmM/95型機銃2挺を搭載[3]。また、艦首に45.7cmM/93型水中魚雷発射管1門を有する[8]。2隻の艦載艇は25mmM/84型機銃1挺を搭載した[9]。これは1906年に37mmM/98B型砲に換えられている[4]。 主機は直立3気筒3段膨張蒸気往復動機関2基、主缶は円缶6基で出力5350指示馬力[3]。2軸推進で計画速力15ノット[3]。公試では15.5ノットを発揮した[3]。航続距離は10ノットで2500浬[3]。 装甲厚は水線装甲帯が最大240mm、バーベット190mm、主砲前楯190mm、シタデル隔壁240mm、司令塔前面190mm、後面100mm[10]。水線装甲帯と砲塔の装甲はジョン・ブラウン社製のハーヴェイ鋼であった[11]。ケイスメイトは91mmで甲板は12.4mm厚鋼板2枚に25mmの装甲鈑であった[12]。 1922年以降、宿泊艦、海軍航空隊の母艦、失業船員用施設となった[3]。兵装は主砲のみとなったが、1939年にヴィッカース・テルニ39口径40mmM/22型対空砲4門を搭載した[13]。1944年に爆弾や機雷の実験に使用され、同年除籍[3]。1945年に解体された[3]。 脚注
参考文献
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