オーディン (スウェーデン海防戦艦)オーディン (Oden) はスウェーデン海軍の海防戦艦。オーディン級。艦名となっているオーディンは北欧神話の神である[1]。 ストックホルムのベリスンス造船所で建造[2]。1894年起工[2]。1896年3月9日進水[2]。1897年6月8日竣工[2]。 基準排水量3500トン、満載排水量3715トン、全長86.3m、水線長84.78m、最大幅14,77m、計画吃水5.6m[2]。 主砲はカネー42口径25.4cmM/94A型後装施条砲2門を艦前後の単装砲塔に1門ずつ搭載した[3]。射程は最大仰角9.5度で8300m、発射速度は2分に1発であった[4]。副砲はボフォース45口径12cmM/94型速射砲4門で、ケイスメイト両舷に2門ずつ搭載した[5]。発射速度は毎分7から10発であった[6]。他にはフィンスポング55口径57mmM/89B型砲4門、マキシム・ノルデンフェルト55口径47mmN/95型砲6門、マキシム・ノルデンフェルト8mmM/95型機銃2挺を搭載[1]。また、艦首に45.7cmM/93型水中魚雷発射管1門を有する[7]。2隻の艦載艇は25mmM/84型機銃1挺を搭載した[1]。 主機は直立3気筒3段膨張蒸気往復動機関2基、主缶は円缶6基で出力5330指示馬力[2]。2軸推進で計画速力15ノット[2]。公試では16.8ノットを発揮した[2]。航続距離は10ノットで2500浬[2]。 装甲厚は水線装甲帯が最大243mm、バーベット250mm、砲塔前楯200mm、シタデル隔壁243mm、司令塔247mm[1]。以上はシュネデール社製ニッケル鋼であった[1]。ケイスメイトは91mmで甲板は12.4mm厚鋼板2枚に25mmの装甲鈑であった[1]。 1899年8月11日、演習中に「トール」と衝突[8]。応急修理をしてドイツ訪問へ向かっている[9]。 1901年9月、座礁[9]。修理時に57mm砲2門の移設、47mm砲の撤去と12cmM/94型砲2門および57mmM/89B型砲4門の追加がなされた[9]。 1902年、イギリスのエドワード7世戴冠記念観艦式に参加[10]。 1913年8月22日、演習中、砲艦「ウルド」を目標に訓練用魚雷を発射しようとした「オーディン」は誤って「ウルド」に衝突し沈めてしまった[10]。そのころの魚雷の射程は800mしかなく、目標近くまで接近する必要があった[12]。「オーディン」艦長は軍法会議で禁固20日となった[9]。 1914年から1915年にかけて近代化改装を実施[9]。前檣の三脚檣化、一部の57mm砲の移設、魚雷発射管の撤去等がなされ、また主缶が換装され煙突が1本となった[13]。 1937年7月16日除籍[2]。スクラップとして売りに出されるも売れず、1943年にカールスクルーナ海軍工廠で解体された[14]。 脚注
参考文献
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