トルコの民俗舞踊トルコの民俗舞踊(トルコのみんぞくぶよう)について、ここでは基本的に現在のトルコ共和国の領土とされる地域における民俗舞踊を指す。この地域は3つの海に囲まれ、重要な交易路上に位置しており、その複雑で洗練された文化は踊りにも反映されている。主な踊りは列になって踊るものである。この地では様々な方法で多くの異なる様式の民俗舞踊が存在しており、各地域ごとの文化構造を反映している。最もよく知られている例としては、エルズルム県 の バル(Bar)、東南部の Halay、トラキア の ホラ 、黒海 沿岸部の Horon、コンヤ 及びその周辺の Spoon dances、カルス県 やアルダハン県の Lezginka などがある[1]。 踊りの様式バル(Bar)バル(Bar)は、開いたサークルで集団で踊られている。一般に東アナトリア地方(エルズルム県, バイブルト県, アール県, カルス県, アルトヴィン県,エルズィンジャン県)で広く踊られている。手をつないで、あるいは肩や腕を組んで踊る特徴があり、男性と女性のバルはそれぞれ異なる。バルの伴奏では ダヴル と ズルナ が主に使われており、女性のバルにはクラリネットが追加されるようになった。5/8、9/8で踊られることが多く、6/8および12/8も時折見受けられる。特にトルコの民俗音楽において最も特徴的な拍子である アクサク の9/8拍子は、このダンスにおいても非常に異なる興味深い形で適用されている。 通常、現地の民俗衣装を着て、常に誇りをもって踊り、跳ねる動作に合わせて、回すように手を振る[1]。 →「バル_(民俗舞踊)」も参照
ハライ(Halay)東部、南東部、中央部のアナトリアで広く踊られており、トルコの最も魅力的な踊りの様式の1つである。 ハレイのリズムは非常に豊富であり、伴奏は、主要な ダヴル と ズルナ との組み合わせの他、カバル、sipsi、Çığırtma、サズ、時には民謡が歌われる[1]。 ホロン(Horon)ホロンは、現在のトルコの黒海地方 (トルコ)の沿岸地域とその内陸部でみられる典型的な踊りの様式である。ホロンという言葉は、ギリシャ語のホロス[男性名詞、単数形、名詞](ギリシア語: (ο) Χορός))から派生した言葉で、ホロスは、古代ギリシャ語でも現代ギリシャ語でも「踊り」を意味する。ホロンはその地域のギリシャ人文化に由来し、自然に円の形を形作り、歯切れのよい小さなステップで踊る、といった特徴がある。そのテンポ、リズム、拍子は、トルコの他の地域の踊りとはとても異なるように見える。 ホロンは、一般的にはそれぞれの集団ごとに踊られ、特徴的な拍子は7/16。メロディはとても速いため、楽器によっては演奏が非常に難しい。そのため、現実的な理由から、ダヴル と ケメンチェ との組み合わせで伴奏される。ホロンのメロディは cura と呼ばれる小さなタイプのサズで演奏される。内陸部ではそれに加えて、バグパイプや、Mey (Duduk)、ズルナ 等の吹奏楽器も用いられる。その他に2/4、5/8および9/16の拍子もみられる[1]。 →「ホロン_(民俗舞踊)」も参照
ゼイベク(Zeybek)ゼイベクは概してアナトリアの西部で広く踊られている。1人または2人、或いはグループで踊られており、例えば中央アナトリア地方では「Seymen」と名前が変わることもある。 一般的に9/8拍子で、非常に遅く(9/2拍子)・遅く(9/4拍子)・速く(9/8拍子)・非常に速く、など様々なテンポの変化に富んでいる。とても速いゼイベクの例として、Burdur - Fethiye地域で見られる teke(山羊)の踊りがあり、teke にはゼイベクの特徴があり、伝統的に 9/16拍子で踊られる。ゼイベクが踊られる地域では、BENGI という別の民俗舞踊もある。ゼイベクとは違った形で踊られ、異なった音楽的特徴を持つが、その特徴的な拍子は9/8である。特に遅いテンポのゼイベクでは、伝統的に楽器として ダヴル と ズルナ の組み合わせを用いる。2つのダヴル と2つの ズルナ の構成で、2つのうちの一方のズルナがメロディの伴奏を奏でる。 ダヴル と ズルナ とは別に、サズやリード、marrow bow 等が速いテンポのゼイベクでは用いられる。特に teke(山羊)の踊り ではリードが用いられる[1]。 その他の様式
関連項目脚注
関連リンク
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