トムスク支線(ロシア語: Томская железнодорожная ветвь
) は、ロシアのシベリア鉄道の支線。ケメロヴォ州のタイガ駅でシベリア鉄道本線と分岐し、トムスク州トムスクを経由して同州のベールィ・ヤール駅に至る。現在は全線が西シベリア鉄道支社の管轄となっている。
トムスクは、シベリア鉄道の建設が計画された当時シベリア最大の都市であったが、ルートから外された。理由として、建設予算の逼迫していたシベリア鉄道委員会は、トムスクより南を通る方が約90km短くできることと、周辺の金鉱地帯や農業地帯に近くなるということをあげているが、実際にはトムスクへ線路を敷設するのは困難で多額の工費を必要としていたためである。
それでも、トムスクへの鉄道が必要とされ、1893年にシベリア鉄道の支線として建設が決定した。
タイガ~トムスク間の建設は、湿地が多く、深いタイガ(針葉樹林)に覆われていたため難工事となり、約3万人が投入され、完成まで2年半の工期を要し、1896年にトムスクまで開通した。工事の責任者は鉄道技師のニコライ・ペ・メジェニノフで、本線のノヴォニコラエフスク(現・ノヴォシビルスク)~クラスノヤルスク間と合わせて担当し、いずれも工事は難関であった。
主要駅一覧
トムスク支線の主な駅(※トムスク以外都市名を記載)
●:すべての列車が停車 上:ノヴォシビルスク方面の列車のみ停車 下:トムスク方面の列車のみ停車 |:通過 ∥:経由しない駅
脚注
- ^ タイガ駅からの距離
参考文献
- 蔵前仁一2008年『シベリア鉄道9300キロ』旅行人