「ディグ・ア・ポニー 」(Dig a Pony )は、ビートルズ の楽曲である。1970年に発売された12作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『レット・イット・ビー 』に収録された。レノン=マッカートニー 名義となっているが、ジョン・レノン によって書かれた楽曲。1969年1月30日にロンドンのサヴィル・ロウ にあるアップル・コア の屋上で行なわれたコンサート で演奏された楽曲で、アルバムにはこの時の演奏が収録された。
曲の構成
「ディグ・ア・ポニー」は、曲のほとんどがAメジャー で書かれており、イントロは4分の3拍子で演奏される[ 3] 。最初のリハーサルでは「All I Want Is You」というタイトルだったが、レノンは「Dig A Pony」と揶揄してタイトルを変更した。作家のデイビッド・ローリーは、このタイトルの変更について「ボブ・ディラン の『アイ・ウォント・ユー 』に似ていることが気になったのかもしれない」と推測している。本作は、シンプルな願望と複雑かつ無意味に近いヴァースとを対比させる手法が用いられており、オノ・ヨーコ へのメッセージが歌われている。1980年の『プレイボーイ 』誌のインタビューで、レノンは本作について「ゴミの1つ」と説明している。
歌詞の中には「I roll a stoney / Well, you can imitate everyone you know (ぼくは石を転がす / さあ、知ってる人をみんな真似しよう)」というフレーズがあるが、これはローリング・ストーンズ への揶揄となっている。
アメリカでの発売時、タイトルが「I Dig a Pony 」と表記されていた。
レコーディング
「ディグ・ア・ポニー」は、ルーフトップ・コンサート で演奏された1曲で、アシスタントがレノンの歌詞を掲げて合図していた[ 8] 。本作は、リンゴ・スター が片手に煙草、片手にドラムスティックを持ち、演奏の準備ができていなかったため、他のバンドメンバーに「Hold it! (ちょっと待って!)」と叫ぶところから始まる。音源では、スターが叫んだ後に何者かが鼻をかむ音が聞こえるが、マーク・ルイソン (英語版 ) はレノンによるものとしている。
1969年1月22日に録音され、1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3 』に収録された本作の初期のスタジオ・テイクは、マッカートニーが「All I want is... 」と歌った後に、最初のヴァースに入る。このフレーズは、フィル・スペクター によって最終バージョンからカットされている[ 12] 。
2003年に発売された『レット・イット・ビー...ネイキッド 』に収録されたバージョンでは、ボーカル が前面に出されたミックスになっているほか、最後のマッカートニーの声がカットされている[ 13] 。
クレジット
※出典
カバー・バージョン
脚注
出典
^ Unterberger, Richie. Let It Be - The Beatles | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月13日 閲覧。
^ Pollack, Alan W.. “Notes on "Dig A Pony" ”. icce.rug.nl . 2021年7月13日 閲覧。
^ “The Beatles – 'Dig a Pony' ”. Sony/ATV Music Publishing . 2021年7月13日 閲覧。
^ “92 - 'Dig a Pony' ”. 100 Greatest Beatles Songs . Rolling Stone. 2021年7月13日 閲覧。
^ Hurwitz, Matt (2004年1月1日). “The Naked Truth About the Beatles' Let It Be Naked ”. Mix Online. 2010年1月31日時点のオリジナル よりアーカイブ。2011年8月20日 閲覧。
^ 葉山真・水谷宗一朗 (2003). レット・イット・ビー...ネイキッド (ブックレット). ビートルズ . アップル・レコード . p. 21.
^ Raggett, Ned. Let It Be - Laibach | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月13日 閲覧。
^ Dupont, David. Live in NYC - Screaming Headless Torsos | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月13日 閲覧。
^ Dupont, David. Bigmouth - Chris Lightcap | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2021年7月13日 閲覧。
参考文献
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Lewisohn, Mark (1992). The Complete Beatles Chronicle . New York: Harmony Books. ISBN 0-5175-8100-0
Rowley, David (2013). All Together Now: The Abc of the Beatles Songs and Albums . Troubador Publishing. ISBN 1-7808-8440-0
Russell, Jeff P. (2006). The Beatles Complete Discography . Universe. ISBN 0-7893-1373-1
Sheff, David (2010) [2000]. All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono . St. Martin's Press. ISBN 1-4299-5808-1
Winn, John C. (2009). That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966-1970 . New York: Three Rivers Press. ISBN 978-0-307-45239-9
Womack, Kenneth (2009). The Cambridge Companion to the Beatles . Cambridge University Press. ISBN 1-1398-2806-1
Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four . ABC-CLIO. ISBN 1-4408-4427-5
外部リンク