テティサウルス亜科
テティサウルス亜科(Tethysaurinae)はモササウルス科の亜科であり、後期白亜紀の海洋に生息した有鱗目の双弓類である。テティサウルス亜科の属は北アメリカ大陸とアフリカ大陸から発見されており[1]、パンノニアサウルスとテティサウルスの計2属のみが知られている。かつてはヤグアラサウルスとラッセロサウルスがテティサウルス亜科に分類されていたが、ロメオサウルスとともに新たな亜科であるヤグアラサウルス亜科に再分類された[2]。 近縁なヤグアラサウルス亜科と同様に、テティサウルス亜科は全てプレシオペダル(原始的であり、後のモササウルス科ほど海洋に適応していない)だった。テティサウルス亜科はチューロニアンの時代に出現してサントニアンで絶滅を迎え、おそらく他のモササウルス科の亜科との生存競争に敗れたと考えられている。 テティサウルス亜科の語源はテティサウルス属(ギリシャ神話の海の女神テーテュースとギリシャ語の「トカゲ」)に由来する。 記載テティサウルス亜科は原始的で小型から中型のモササウルス科であり、モササウルス科の進化史において初期段階の時期に生息していた。テティサウルスは全長約3メートルで、パンノニアサウルスは6メートルに達した可能性がある。彼らの四肢はプレシオペダルの状態であり、後のモササウルス科ほど海洋での生活に適応しておらず、厚みのない体をしていたと推測されている。 パンノニアサウルスは唯一淡水の堆積層から発見されたモササウルス科爬虫類である[3]。 Makádi et al. (2012)[3] では、元々テティサウルス亜科は「テティサウルス・ノプクサイとラッセロサウルス・コヘニの最も新しい共通祖先とその全ての子孫」として定義されていた。ラッセロサウルスは現在ヤグアラサウルス亜科と考えられているため、この定義に従うと、ヤグアラサウルスもテティサウルス亜科へ分類されることになる。テティサウルス亜科の明瞭な特徴を以下に列挙する。
系統テティサウルスはテティサウルス亜科で最も代表的な属であり、部分的な骨格も複数知られているため、亜科の名称はこの属に由来する[3]。 本来の定義は「テティサウルス・ノプスカイとラッセロサウルス・コヘニの最も新しい共通祖先とその全ての子孫」である。下のクラドグラムは Makádi et al. (2012)[3] に基づき、テティサウルス亜科内の関係を推定している。
ヤグアラサウルスとラッセロサウルスは現在ヤグアラサウルス亜科の属と考えられており、「ラッセロサウルスとロメオサウルスおよびヤグアラサウルスの最も新しい共通祖先と、その全ての子孫」として定義された[2]。 種と分類
出典
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