ダイセツタカネヒカゲ
ダイセツタカネヒカゲ(大雪高嶺日陰 Oeneis melissa)は、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科に属するチョウの一つ。 概要翅表はベージュ色、翅裏は濃い茶色の草ずり模様で静止すると風景にまぎれる。ジャノメチョウ科特有の蛇の目紋は地色にほぼ埋没し、確認できても3個。あまり長くは飛ばず、岩の上などで体を横に倒し日光浴をする姿が観察される。訪花習性あり。近縁種タカネヒカゲに似るが、本種は性標を持たない。また国内での分布域は重ならない。 成虫になるまで足掛け3年かかる。越冬態は第一冬が1齢もしくは2齢幼虫、第二冬は5齢幼虫。食草はカヤツリグサ科のダイセツイワスゲ・ミヤマクロスゲなどで、1個ずつ葉に直接産みつける。6月上旬に蛹化し、成虫は主に7月中旬-下旬に発生する。 1965年5月12日に国の天然記念物(種指定・地域を定めず)に指定された。環境庁(当時)レッドデータブック掲載希少種(1991年)。 分布日本国内では北海道の大雪山系の音更山・ニペソツ山や日高山脈の幌尻岳・戸蔦別岳の約1800m以上の高山帯に分布し、岩礫地に生息する。世界ではウラル山脈北部・シベリア東部・カムチャツカ半島から北アメリカ大陸北部など、北極を囲む寒冷地(周極要素)に分布する。 保全状況評価
参考文献
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