タミル語訳聖書タミル語訳聖書(タミルごやくせいしょ)では、キリスト教聖書のタミル語への翻訳を扱う。タミル語はドラヴィダ語族に属する言語で、南インドのタミル人の言語で、タミル・ナードゥ州の公用語である。またスリランカとシンガポールでは国の公用語の一つにもなっている。 歴史デンマーク・ドイツ合同ミッションの出版タミル語への翻訳は、1706年にドイツ人のバルトロモイス・ジーゲンバルクがインド、コロマンデル海岸のデンマーク東インド会社領内にあるトランケバール・ミッションへ到着した時に始まる[1]。彼は5年以内に『新約聖書』の翻訳を終えて、1714年に出版した。『旧約聖書』の翻訳は彼が途中までで亡くなるが、ベンヤミン・シュルツェが引き継いで、1728年にはトランケバールで出版された。また別のドイツ人のフィリップ・ファブリツィウス(Philip Fabricius)もタミル語翻訳をしていて、1777年に出版した。 イギリス・ミッションの出版19世紀に英国外国聖書協会が設立されて、ウイリアム・ケアリーのインドの言語への翻訳が議題に上った。最初のタミル語翻訳は英国聖公会宣教協会で来ていたC.T.E.リーニアスに依頼されて、彼は1833年に『新約聖書』を出し、1850年にはファブリシウスの『旧約聖書』と共に「ジャフナ翻訳」(Jaffna translation)として出版された。これは受けがよくなかったので、イギリス海外福音伝道会で来ていたヘンリー・バウアーを中心とする委員会に委ねられて、この「バウアー委員会版」は1863年に新約を、1868年に旧約を出版した。しかし、この版も北セイロンから不満が寄せられて、両サイドが受け入れる「ユニオン版」(Union version)が1871年に出版されて、これがそれまでの翻訳を全て、インドでもセイロンでも、置き換えることになった。 現状インド聖書協会インド聖書協会ではタミル語聖書を発行していて、これはインドのプロテスタントが使っている。 フリー・バイブル・インディアフリー・バイブル・インディアはChurch centric bible translationと協力してタミル語聖書をオンラインで配布している[2]。 現代語版現代語版への翻訳が進行中であったが、ほぼ終わっていて、間もなく発行される予定である。 翻訳の例
参照項目脚注
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