タカノハダイ科
タカノハダイ科(学名:Latridae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。5属で構成され、タカノハダイ・ミギマキなどおよそ29種が含まれる[1]。 分布・生態タカノハダイ科はインド洋・太平洋・大西洋の南半球海域と、日本・中国大陸およびハワイ諸島の沿岸域に分布する海水魚のグループである[1]。温帯から亜熱帯にかけての浅い海に多く、熱帯性の種は少ない。 岩礁地帯や藻場など、浅い海の底部で生活し、特徴的な長い胸鰭で体を支える姿が観察される[2]。底生性の甲殻類など、無脊椎動物を主に捕食しているとみられる。昼行性で、夜間は物陰に潜んで休む。 形態タカノハダイ科魚類はやや側扁した鯛型の体をしており、最大種(Chirodactylus grandis)では全長1.8mにまで成長する[3]。口は小さく、厚い唇をもつ[2]。 背鰭は1つで、14-22本の棘条と19-39本の軟条で構成される[1]。臀鰭の棘条は3本、軟条は7-19本であるが、3本目の棘条は確認が難しいことがある[1]。成魚の胸鰭の下位4-7本の鰭条は分枝せず、厚みを増して著しく伸長し、互いに遊離することもある[1]。鋤骨と口蓋骨の歯を欠き、椎骨は通常24個[1]。 分類タカノハダイ科にはNelson(2006)の体系において、Acantholatris 属を含む5属22種が認められている[1]。かつてタカノハダイ科という和名は Cheilodactylidae にあてられ、タカノハダイ属など5属が含まれていた。 Latridae にはユメタカノハダイ科という和名があてられており、ユメタカノハダイ属など3属が含まれていた。しかし形態学的な分類学的再検討によって分類が見直され、 Cheilodactylidae (和名なし)には1属2種または3種が含まれるのみとなった[4][5]。その他の種はすべてLatridae に分類された。これによりタカノハダイ属が Latridae に含まれるようになり、 Latridae の和名はタカノハダイ科となった[6]。また Cheilodactylus 属のシノニムとされていた Chirodactylus 属と Morwong 属が再定義され,Pseudogoniistius 属が新設された[5]。本稿では、FishBase(2023年1月現在)に掲載される9属29種についてリストする[3]。
出典・脚注
参考文献
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