1997年、インディーズバンド「Theaudience」で、エリス・ベクスターはリードボーカルとして音楽活動を開始した。エリス・ベクスターがバンドメンバーであったとき、『メロディ・メイカー』誌の読者により『ロック界で最もセクシーな人』に選ばれた。1998年、若者に人気の高いマニック・ストリート・プリーチャーズとのコラボで、不朽の名作となる曲をB面の曲として発表した。「I Got the Wherewithal」、「When Can You Do It?」そして「If You Can't Do It When You're Young」、「I Know Enough (I Don't Get Enough)」、Theaudienceの最も有名な曲である「A Pessimist Is Never Disappointed」はTheaudience名義でリリースされた。
しかし、バンドは1998年12月に解散した。そして1999年、エリス・ベクスターはDeparture Loungeのアルバム『Out Of Here』で再び姿を現した。
ソロの経歴
Theaudienceの解散後、エリス・ベクスターは1年間、歌手活動を休止していた。2000年、エリス・ベクスターはTheaudience解散後の初めての歌手活動として、イタリアのDJ Spillerの「Groovejet(If This Ain't Love)」にボーカルと作詞で参加、全英ナンバー1を記録する大ヒットとなったこの曲で一躍ポップスターとして注目を浴びることになり、彼女の出世作となった。またこの曲は元スパイス・ガールズのヴィクトリア・ベッカムの初のソロCDを抑える形でヒットチャートのトップを獲得したことで、以降、エリス・ベクスターとヴィクトリア・ベッカムはライバルと見なされることが多い(しかし当の2人は特にライバル視していないとのこと)。「Groovejet」各ヒットチャートでの大ヒットの他、そして『メロディ・メイカー』誌上で2000年のダンス・トラック・ランキングで8位をとり、シングル・オブ・ザ・イヤーを受賞、「Metro Newspaper」上のコンテストでマドンナを下し、世界で最も優れている音楽の9位に選出、[1] 2000年にはレコード・オブ・ザ・イヤーの最終選考へのノミネート。同年のエリクソン音楽賞でベストシングル賞とベスト・イビザ・トーン賞を受賞するなど批評的にも高評価を獲得する。[2]
アルバム『Read My Lips』
2001年、自身のソロデビュー作となる『Read My Lips』を発売。全英アルバムチャートで2位となり、アルバムからは4曲のTop20シングルを生んだ。このうち「Murder On The Dancefloor」(英2位)は彼女のキャリア最大のヒットシングルであり、シェールのカヴァー「Take Me Home」も2位、23週チャートインするロングヒット[3]、両A面でカットされた「Get Over You / Move This Mountain」も3位とと彼女のキャリア上もっともヒットが集中して出ている。2002年には『Read My Lips』に新曲2曲と「Groovejet」のライブバージョンを新たに収録して再リリースした。同年ショービジネス賞のアーティスト部門で賞を獲得した。[4]2002年の初めには、エリス・ベクスターは英国の女性ソロアーティストとしてブリット・アワードの受賞候補者に選ばれた。さらに2年間連続で候補として選ばれ続けた。[5][6][7]
アルバム『Shoot from the Hip』
セカンド・アルバム『Shoot from the Hip』は2003年10月にリリースされた。全英アルバムチャートでは最高19位と前作に比べて不調だったが、今作からカットされた2曲のシングル「Mixed Up World」(英7位)、「I Won't Change You」(英9位)は共にTop10入りしている。このころ、ヴィクトリア・ベッカムのシングル「This Groove / Let Your Head Go」(両A面シングル)が「I Won't Change You」よりも上位となる3位に入ったことでヴィクトリアとのライバル説が再燃。またこの時期に妊娠したことにより3曲目以降のシングルカットの計画およびアルバムに伴うツアー「Shoot From The Hip Tour」をキャンセル、育児のために音楽活動を休止することとなる。
アルバム『Trip the Light Fantastic』
3作目の『Trip the Light Fantastic』は2007年5月21日にリリース。[8]
アルバム発売に先立ってリリースされたシングルは2枚あり、1曲目の「Catch You」は最高8位、2曲目の「Me and My Imagination」は23位を記録。アルバム『Trip the Light Fantastic』は、全英アルバムチャートで初登場7位となり、次の週には21位に転落した。アルバムはイギリスで100,000枚以上の売り上げとなり、2008年7月に売り上げ枚数1位となると見込まれた。[9]
2007年6月、ジョージ・マイケルのイギリス・ツアーにサポートとして参加。彼女自身のイギリス・ツアーは2007年8月14日から開催され、「Trip The Light Fantastic Tour」と銘打ってあった。しかし2007年9月8日、彼女の公式ウェブサイトで2007年10月11日にアイルランド北部のベルファストで開催されるテイク・ザットの「Beautiful World Tour 2007」に特別ゲストとして招待されたため、彼女自身のイギリス・ツアーを延期することが発表された。[10]エリス・ベクスターは全ての有効なチケットの料金を払い戻し、2008年3月にツアーを延期することを発表した。しかし、このツアーは結局開催されなかった。また、このツアー中止に関する記者会見も拒否した。[11]
『Trip The Light Fantastic』からのサード・シングル「Today the Sun's on Us」は、楽曲、およびソフィー・ミュラー監督によるアイスランドロケのPVともども評判は良かったにもかかわらずシングルチャートでは伸び悩み、最高64位とそれまでのシングル順位最低成績を大幅に更新するポジションに甘んじる。しかしこのシングル発売によりアルバム自体はトップ100に返り咲いており、アルバムセールスには一定の貢献を果たしている。
2007年9月の初め、エリス・ベクスターはポーランドで開催されたSopot International Song Festivalにイギリス代表として参加した。
『Trip The Light Fantastic』からはさらに4曲目のシングルカットとして「If I Can't Dance」が予定されていたが後に撤回され、代わって公式ウェブサイトで「Love Is Here」をシングルカットすると発表された。しかしその後ベスト盤『Greatest Hits』のリリース予定が組まれたことで「Love Is Here」の発売もまた中止となり、ベスト盤から別の新曲がシングルとしてリリースされる予定であったが結局『Greatest Hits』自体の発売も延期を経て中止となっている。なお「If I Can't Dance」はその後ヨーロッパ数カ国でシングルカットされている。
2008年6月2日、彼女は新曲「Off And On」と「Heartbreak Make Me A Dancer」を公式ホームページで公開した。
カルヴィン・ハリスから「Calling It Love」と「Off And On」の2曲が寄贈された。この曲は、キャシー・デニスと共に作られたRóisín Murphyのアルバム「Overpowered」にも収録されている。また、カルヴィン・ハリスは「Off and On」をクラブ音楽にリミックスした。フリーメイソンズは、エリス・ベクスターと共に「Heartbreak Make Me A Dancer」を作った。Richard Xとのコラボ曲は、「I Still Believe in Magic」と名づけられた。彼女はまた、Groove Armada、The Hoosiers、Dimitri Tikovoi、Hannah Robinson、Metronomy[13]、Matt Prime、the Sneaker PimpsのLiam Howeともコラボした。
2007年のクリスマスに、エリス・ベクスターはRobbie the ReindeerのイベントClose Encounters of the Herd Kindに現れた。エリス・ベクスターは外国人の女性を演じ、終わりには自身のアルバム「Trip The Light Fantastic」に収録されている「Supersonic」を歌った。2008年11月、イギリスの学校にgreen makeoverを寄付することにより、衣服を作るためのエネルギーを無料で作り出し、効率よく二酸化炭素排出量を減らすこと、そして子供たちにエコ活動を教育することを目的とするnpower Greener Schools計画に彼女も参加した。[16] また、首都のラジオ番組「Capital 95.8」の、ロンドン市民が1時間明りのスイッチを切ることで750MWhの電力を節約し、世界に気候変動の重要性を訴えかける「Lights Out London」キャンペーンにも参加した。[17]
2008年、エリス・ベクスターは写真家ベン・チャールズ・エドワーズの短い音楽映画『The Town that Boars Me』で主役を務めた。映画には、ジョディ・ハーシュ、ケリー・オズボーンとサンドラ・ローズなども主演している。映画は夏の終わりに開催されたポートベロー映画祭で初公開され、Glass Loves and Shoot to Kill Productionsによって製作されている。[19][20]